ポーラミュージアムアネックスで「松尾高弘インタラクティブアート展」を観た! | とんとん・にっき

ポーラミュージアムアネックスで「松尾高弘インタラクティブアート展」を観た!

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ポーラミュージアムアネックスで「松尾高弘インタラクティブアート展」を観てきました。いや、観る、というよりも、体感する、と言った方が実感に近いです。なにしろ会場に入ると、真っ暗で光の前のようなものが降っています。目がまったく慣れません。すると会場にいた案内の女性の方が、次の部屋から観た方が良いと話しかけてきました。


「ああ、これ、これ!」、たしかテレビでこの映像を見たことがあります。薄いスクリーンにクラゲ状のものが映されています。女性が「スクリーンに手を触れてみてください」というので触ってみると、クラゲが動き出して次々と増殖します。スクリーンの触る場所を変えると、クラゲもフワフワと増殖し、移動します。これが映像インスタレーション「Aquatic Colors」です。たしかに「双方向性」アートです。


目が慣れてきたので、前の部屋の戻ると、無数のワイヤーが垂直に張られていて、滴のような光が落ちてきます。女性が「なかに入ると感じが違いますよ」というので、ワイヤーを分け入って移動すると、雨が降りそそぎます。これが新作「White Rain」でした。


今回の展覧会にあたって松尾高弘は、以下のように述べています。


展覧会では、「空間・光・人」の関係性を、2つの作品を通して表現します。映像インスタレーション「Aquatic Colors」では、緻密な映像やアルゴリズムによって、生命館あふれる光の有機的空間を作り出します。また新作「White Rain」では、LEDを用いて、集合体としての光の振る舞いから生まれる無限性や、光そのものの美しさに焦点をあてたインスタレーションを展開します。そこに共通するのは、自然や生命など人間の知覚に作用する、インタラクティブ=相互性の原初的な感覚です。光を通して描く新しい世界をぜひ体験してください。


松尾高弘:略歴

1979年福岡県生まれ

九州芸術工科大学大学院芸術工学研究科修了

進退動作、映像、照明、インタラクションを空間で融合させる光のインスタレーションを制作。自然界の現象や法則性、イマジネーションを光の表現に取り入れ、身体や感覚に直接訴えかけるような作品を展開している。映像からプログラミングまでの空間構成を一貫して行ない、展覧会プロデュースや商業空間のデザイン演出、文化施設の常設展示などを幅広く手がけている。




過去の作品


「松尾高弘インタラクティブアート展」

松尾高弘氏は映像や光で作品を表現し、さらに作品と鑑賞者の動きを連動させるインタラクティブ(双方向性)アーティストです。その活動は国内だけにとどまらず、イタリアで開催されるミラノサローネに参加するなど国際的に活躍しています。今回はそのミラノサローネに置いて2009年に発表された作品「Aquatic Colors」を展示します。深海を思わせる暗い空間の中で、透過性スクリーンに鑑賞者が手や身体を近づけるとクラゲの群が連鎖的に発光し、共鳴するかのように近づいてくる作品です。会場では雨を題材にした新作「White Rain」も併せて発表します。松尾高弘氏が作り出す色彩とコントラストで構成される繊細な光のインスタレーションは、現実と非現実が重なり合い、鑑賞者を新たな世界へと誘います。


「ポーラミュージアムアネックス」ホームページ


「TAKAHIRO MATUO」