園子温監督の「愛のむきだし」を観た! | とんとん・にっき

園子温監督の「愛のむきだし」を観た!

とんとん・にっき-muki


「愛のむきだし」をDVDで観ました。なにしろ3時間57分もの作品で、タイトルがまた凄い、というかエロい。ついつい大島渚の「愛のコリーダ」とか、先日亡くなられた佐藤慶と愛染恭子の本番映画と言われた「白日夢」など、ヘンな映画を想像して観たいと思っていましたが、上映時間の長さの怖じ気づいてぐずぐずしているうちに、映画館での上映が終了してしまいました。というわけで見逃していた作品、正月休みの観ようと思ってDVDを借りてきたら、今度はパソコンが壊れていることが判明、結局パソコンを買い換え、「愛のむきだし」はつい最近観ることができました、ということは、先日観た「川の底からこんにちは」をみたときに書きました。


ヘンな映画を想像していましたが、まったくの見当違い、まあ、結果的には若者向けの映画だったのがご愛敬、おじさんの勘違いでした。しかし、見終わって様々な意味で「問題作」であることがよく分かりました。監督自身の体験や取材した実話を元につくられた作品だという。なにしろテーマがこれでもかというほど、次々に出てきて盛りだくさん、詰め込みすぎです。長くなるのも当然か。「快楽と苦痛」「真実と嘘」「キリスト教と新興宗教」「理性と本能」等々、人間に内在する2面性をモチーフに、「不快感と爽快感」が入り交じりながら究極の純愛を描いた作品、うーん、なるほど、さもありなん。


「むきだし」とはなにか? 盗撮、近親相姦、女装、同性愛、等々、次々にタブーが出てきますが、これらは人間の本質や原罪を表しているに過ぎません。アブノーマルな行為と、信仰との対比。なにしろ女に迫られたら、教会の神父さんもイチコロです。厳格でありながら愛に溺れる神父役の渡部篤郎、適役でした。一方、神父に迫る自由奔放で妖艶な女・サオリ、再婚してその連れ子がカリスマ盗撮魔ユウの運命の女・ヨーコだったとは。


女の股間を狙うユウの盗撮テクニックには笑えますが、あまりにも長すぎ、半分でも長すぎです。終盤、オカルト集団に追われてユウとヨーコが隠れていた海岸に停車していたバスの中で、ヨーコが惜しげもなく出していたお尻から腿の後ろにかけては、素晴らしくエロチックで、クリムトの「ダナエ」を思い出しました。そうそう、このヨーコ役が満島ひかり、「川の底からこんにちは」に出ていた女優だったというわけです。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:『紀子の食卓』が世界的に高く評価された園子温監督が、実話をベースに描く究極の純愛物語。幼少時に母親を亡くし理想の女性像を追い求める主人公を、人気グループAAAの西島隆弘が熱演。ヒロインに『プライド』の満島ひかり、彼らに近づく新興宗教団体の女に『風の外側』の安藤サクラがふんするほか、渡辺真起子、渡部篤郎ら実力派が脇を固める。カリスマロックバンドのゆらゆら帝国が、初めて映画に楽曲を提供しているのも話題だ。


ストーリー:敬虔(けいけん)なクリスチャンの家庭に育ったユウ(西島隆弘)は、ある出来事を境に神父の父(渡部篤郎)に懺悔を強要され始める。父の期待に応えようと、懺悔のために毎日罪作りに励むうちに罪作りはエスカレートし、いつしかユウは女性ばかり狙う盗撮魔となっていた。そんなある日、運命の女ヨーコ(満島ひかり)と出会い、生まれて初めて恋に落ちるが……。


とんとん・にっき-aino3


とんとん・にっき-aino2


とんとん・にっき-aino1

「愛のむきだし」公式サイト