板橋区立美術館で「浮世絵の死角」展を観た!その1 | とんとん・にっき

板橋区立美術館で「浮世絵の死角」展を観た!その1

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板橋区立美術館で「浮世絵の死角」展を観てきました。ホームページにもある通り、いわゆる大美術館の所有ではなく、イタリア・ボローニャの浮世絵コレクター、ジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏が個人的に所有する作品なので、普通は集めないものまでを秘蔵していたこと、これは一風変わっていて面白い。


当然のことながら、浮世絵初期の奥村政信の墨摺りから、鈴木春信の錦絵とその後の発展を経て、歌川国芳、歌川国貞の幕末期、さらには川瀬巴水や吉田博といった近代の作家まで、浮世絵の通史として理解できること。また、これが今回の大きな特徴でしょうが、広重の戯絵や国芳のおもちゃ絵といった一風変わったジャンルや、近年注目を集めている上方浮世絵も見ることができることです。


板橋区立美術館はこれらを「浮世絵の死角」と称しています。イタリア人が選んだ浮世絵ならではの意外な視点や珍しい作品、うーん、確かにその通りです。ただし、展示の仕方に難が。作品の解説が位置が低いこと、文字が小さいことで、非常に読みづらい、いや、ほとんど読めません。板橋区立美術館のお得意の、面白いキャプションは今回は影を潜めています。これは非常に残念なことです。


今回は「浮世絵の死角」展を二つに分けて、「戯絵」や「おもちゃ絵」はここでは取り上げずに、次回に纏めて出します。



第1章 錦絵誕生





第2章 錦絵の展開

勝川派と役者似顔


錦絵の展開と摺物









第3章 幕末の歌川派

国貞とその周辺







国芳とその周辺



第4章 上方絵



第5章 幕末明治の版画




第6章 近代の版画






開館30周年記念特別展
浮世絵の死角

イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展
世界の人々に愛されている日本の浮世絵。世界各地の様々なコレクションが日本で続々と紹介されており、浮世絵が世界規模で広まっていったことを実感させられます。本展は、イタリア・ボローニャの浮世絵コレクター、ジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏が秘蔵する浮世絵の中から、ボローニャ東洋美術研究所の協力により、200点あまりの作品を選りすぐり、日本で初めて公開するものです。
浮世絵初期の奥村政信の墨摺りから、鈴木春信の錦絵とその後の発展を経て、歌川国芳、歌川国貞の幕末期、さらには川瀬巴水や吉田博といった近代の作家まで、浮世絵の通史が存分に楽しめます。また、広重の戯絵や国芳のおもちゃ絵といった一風変わったジャンルや、近年注目を集めている上方浮世絵も見ることができます。これまで日本人には「死角」に入って見えなかった、イタリア人が選んだ浮世絵ならではの意外な視点や珍しい作品をお楽しみください。
古都ボローニャに静かに眠っていたコレクションが時を経て日本へ里帰りする本展は、イタリア人の感性を知るうえでも非常に重要なものであると同時に、我々日本人が浮世絵の魅力を改めて見直す絶好の機会となることでしょう。


「板橋区立美術館」ホームページ



とんとん・にっき-zu2 板橋区立美術館 開館30周年記念特別展

浮世絵の死角

~イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展

監修:安村敏信(板橋区立美術館館長)
編集:板橋区立美術館・NHKプロモーション
発行:NHKプロモーション

図録(表面)三代目歌川豊国「三代目沢村田之助の瞽女朝顔」の一部


とんとん・にっき-zu1 図録(裏面)
歌川国芳「初代中村ィ蔵の茶道印馬実は当吾の霊と三代目岩井粂三郎の腰元桂木と四代目市川小団次の朝倉当吾の霊、四代目板東彦三郎の織越大領と四代目市川小団次の腰元小桜実は当吾の霊」の一部