たばこと塩の博物館で「浮世絵百華―平木コレクションのすべて―」(後期)を観た! | とんとん・にっき

たばこと塩の博物館で「浮世絵百華―平木コレクションのすべて―」(後期)を観た!

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たばこと塩の博物館で中央大学創立125周年記念特別展「浮世絵百華―平木コレクションのすべて―」(後期)を観てきました。前期は、「これぞ浮世絵!―平木コレクションの優品・名品・稀品―」とありましたが、後期は「浮世絵とは何であったか ―浮世絵文化史学―」というテーマで構成、浮世絵という文化遺産を、同時代的な視点、また文化史学・社会史学的な視点から捉えなおし、その文化史的意義を再評価したい、とあります。前期も観ているので、そうなると当然、後期も見逃すわけにはいきません。「出品目録」によると後期は、作品総数70点、そのうち重要美術品がなんと24点もあります。さすがは平木コレクション、世界的に有名な浮世絵コレクションです。


「第Ⅱ部 浮世絵とはなんであったか―浮世絵文化史学―」の構成は、以下の通りです。

[1]「錦絵」という事件

[2]時代の中の浮世絵

   2-1「知」の発現としての浮世絵

   2-2文芸世界との交歓

   2-3「知」の底上げ

   2-4江戸の「浮世絵学」

[3]浮世絵という情報媒体、浮世絵の情報回路

   3-1絵は読むもの―絵解―

   3-2悪所に開く窓

   3-3絵草紙屋の風景

   3-4「メディア」としての浮世絵

   3-5浮世絵と広告

[4]生活の諸相と浮世絵

   4-1雛形

   4-2柱に立つ美人

   4-3子どもと浮世絵


浮世絵とはなんであったか、中央大学文学部教授の鈴木俊幸は、図録の巻頭で以下のように言う。浮世絵を前にしての感動や納得は、後世による評価の産物であり、江戸時代には浮世絵は「芸術」ではなかった。浮世絵は日常生活の中に存在していた「日用品」であったこと、気ままに購入し、飽きれば捨てられる、その程度のものであった。浮世絵は「草紙」であり、「書物」に対して取るに足らないもの、女性や子どもの慰みにしかすぎないもので、無駄といえば無駄であった。しかし無駄の楽しみは、実用に近いもので、娯楽を与えてくれるもので、有意義な情報を汲み取れるものであった。それは風俗やファッション、遊里や芝居や相撲の情報、ひいては社会の動きや教訓、歴史的知識であったりした。従って、浮世絵とは何であったのか、それに答えるためには、現在の浮世絵に対する価値観を捨てることから始める必要があり、当時の浮世絵に対するまなざしを確保することが必要である、と述べています。


[1]「錦絵」という事件



[2]時代の中の浮世絵









[3]浮世絵という情報媒体、浮世絵の情報回路





[4]生活の諸相と浮世絵





「平木コレクションのすべて 浮世絵百華」:たばこと塩の博物館ホームページより

2010年、中央大学は創立125周年を迎えます。それを記念いたしまして、中央大学と縁の深い平木浮世絵美術館のご協力のもと、平木コレクションの名品による浮世絵展を、たばこと塩の博物館を会場として開催する運びとなりました。平木コレクションは、重要文化財、重要美術品を数多く含む、世界的に有名な浮世絵コレクションです。今回は、日本が世界に誇れる珠玉ともいえる浮世絵の数々、あまり公開されることのない選りすぐりの優品・名品を揃えて展示いたします。さらに、浮世絵とともに平木コレクションの一角を成す絵本を中心とした版本の優品もあわせて紹介いたします。
前期は、「これぞ浮世絵!―平木コレクションの優品・名品・稀品―」と題して、重要文化財5点を含む平木コレクション選りすぐりの浮世絵を一堂に展示いたします。これだけ質が高く密度の濃い浮世絵の展示は珍しく、浮世絵が持つ魅力を存分に感じていただけるまたとない機会となることでしょう。浮世絵が初版摺たての時にもっていた美を、時代を超えて実感していただければ幸いです。後期は、「浮世絵とは何であったか ―浮世絵文化史学―」というテーマで構成いたします。浮世絵という文化遺産を、同時代的な視点、また文化史学・社会史学的な視点から捉えなおし、その文化史的意義を再評価したいと思います。さまざまな時代・絵師・ジャンルの優品を豊富に所蔵する平木コレクションだからこそ実現できる、贅沢なテーマ展示をお楽しみください。


「たばこと塩の博物館」ホームページ


とんとん・にっき-hira1 中央大学創立125周年記念特別展

「浮世絵百華―平木コレクションのすべて―」

図録

中央大学創立125周年記念特別展実行委員会










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