東京都庭園美術館で「パリに咲いた古伊万里の華」展を観た!
東京都庭園美術館で「パリに咲いた古伊万里の華」展を観てきました。タイトルのアタマには、「日本磁器ヨーロッパ輸出350周年記念」とあります。パリに在住する碓井文夫氏のコレクションの中から選りすぐりの優品165点が、旧朝香宮邸に所狭しと展示されています。17世紀ヨーロッパ王侯貴族の間で流行した作品をはじめ、ヨーロッパに渡った後、金メッキで装飾を施した作品や、陶磁としては大型である90cmを超す大きな壺など、日本ではあまり観ることの少ない、ヨーロッパ好みの独特のデザインをした古伊万里が展示されていました。
中国磁器の模倣に始まった輸出磁器が、日本独自の美意識と技術の発展により、本場中国を凌駕するまでに成熟していきます。会場に展示してある「オランダ連合東インド会社航路図」と「輸出年表」を見ると、「古伊万里」が世界進出していく様子が手に取るようにわかります。また「古伊万里」を収蔵するヨーロッパの宮殿の多さには驚かされます。
碓井コレクションは碓井文夫氏により収集された古伊万里のコレクションです。17世紀のヨーロッパ王侯貴族の間で流行した作品をはじめ、輸出初期から明治後半にかけての磁器コレクションは約1000点におよび、日本では観ることができない独特のデザインなど、その希少性、質の高さと状態の良さには定評があるという。今回が碓井コレクションをまとめて観られる初めての機会です。
展示構成は、以下の通りです。
第1章 欧州輸出の始まりと活況
第2章 好評を博した日本磁器の優美
第3章 宮殿を飾る絢爛豪華な大作
第4章 欧州輸出の衰退
第1章 欧州輸出の始まりと活況
第2章 好評を博した日本磁器の優美
第3章 宮殿を飾る絢爛豪華な大作
第4章 欧州輸出の衰退
「パリに咲いた古伊万里」展:ホームページより
江戸時代、鎖国下の日本からも世界に向けて豊かな日本文化が発信されていました。その代表的な例が有田を中心に輸出用に焼かれた磁器です。今年10月15日は、日本磁器が初めてヨーロッパに向けて公式に輸出されてから350年目に当たります。本展はこれを記念し、ヨーロッパに渡った古伊万里を蒐集した碓井コレクションの中から、選りすぐりの名品を紹介します。中国磁器の模倣に始まった有田磁器は、日本独自の美意識と技術の発展により、本場中国を凌駕するまでに成熟していきます。磁器制作の技術が無かった時代のヨーロッパにとって、白く美しい東洋の磁器はあこがれの的でした。また、磁器は入手の困難さから、権威の象徴として王侯貴族の宮殿を豊かに飾る装飾品としても用いられていました。その後のヨーロッパ製陶史にも大きな影響を与えた古伊万里からは、東西文化の交流と融合の過程を感じていただけることでしょう。輸出用に焼かれ、日本国内では見ることのできない貴重な作品の数々も見どころです。
「パリに咲いた古伊万里の華」展
図録
2009年10月10日(土)~12月23日(水)
東京都庭園美術館
「旧朝香宮邸のアール・デコ」
東京都庭園美術館
編集・発行:
財団法人東京都歴史文化財団
東京都庭園美術館
発行日:2004年2月