サントリー美術館で「美しの和紙」展を観た! | とんとん・にっき

サントリー美術館で「美しの和紙」展を観た!

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サントリー美術館で「美しの和紙」展を観てきました。もともと行く予定のなかった「美しの和紙」展、たまたま招待券をいただいたので、観に行ってきました。ちょうど行った時間に「スライドレクチャー」なるものが始まるというので、一応参加してみましたが、ビックサイトで商品説明を聞いているようなものでした。ほとんどありきたりの話ばかりなので、睡魔に襲われついつい気持ちよく寝込んでしまいました。

確かに「日本人は木と紙でできた家に住んでいる」ぐらいですから、紙は日本人の暮らしの隅々にまで深く浸透していることは間違いありません。日本人の文化を創ってきたと言っても言い過ぎではありません。今回の展示は、現存最古の戸籍や、和紙の発展をうながした写経をはじめ、紙衣(かみこ)や紙布(しふ)などの衣料、さらに屏風や襖、障子、行灯、提灯など約180点が展示されていました。


紙についてであれば民族学博物館とか民芸館とかの方が適しているのではないか、あるいは紙漉とかであれば地方の街道筋でやるようなこと、どちらにしても天下のサントリー美術館でやるテーマではないように、僕には思われました。国宝の紙から民芸品の紙漉までごちゃ混ぜで、また扱う範囲が広すぎて総花的で焦点が定まらない感じがしました。イサム・ノグチの「あかり」が、上の階から下の階へ降りる吹き抜けの場所に展示してありました。「あかり」シリーズが出た当初、住宅などによく使いました。我が家の照明も長い間、この「あかり」でした。


今回、久しぶりに芹沢銈介の名前が見られました。サントリー美術館へは元赤坂にあった時代によく行きました。務めていた設計事務所が元赤坂にあり、20年近く通いました。と思って図録を調べてみたら、「芹沢銈介展」の小冊子が出てきました。会期は、昭和52年5月31日から7月10日とあります。あれれ、今から32年も前のことです。サントリー美術館が六本木に移転が決まり、元赤坂が閉館になったときに、最後まで会場に残っていたお客が僕でした。閉館してまさに内輪の打ち上げが始まろうとしていた、あれは年末、2004年12月30日のことでした。


今回の展示構成は、以下の通りです。


第1章 和紙の成り立ちと展開
第2章 祈りの造形
第3章 和紙の伝統を繋ぐ人々
第4章 暮らしを彩る和紙の世界










「美しの和紙 天平の昔から未来へ」:チラシ裏より
やわらかな色合いと風合いでありながら、強さとしなやかさを湛えた和紙。文字や絵を表わしたり、装飾や折り畳むなどの加工が施されてきました。天平の昔から現代まで、和紙を媒介とした多岐に亘る表現の数々からは、人々の活動の足跡を知るとともに、日本人の美意識が見えてきます。本展では、和紙の発展を促した写経をはじめ、今に伝わる伝統的な造形、暮しの身辺を潤した品々など―現存する最古の戸籍から、イサム・ノグチの光の彫刻まで―を展示します。日本の文化を支えてきた和紙の魅力をご堪能ください。

「サントリー美術館」ホームページ