芥川賞は磯崎憲一郎さん、直木賞は北村薫さんに決まる | とんとん・にっき

芥川賞は磯崎憲一郎さん、直木賞は北村薫さんに決まる

以下、朝日新聞の記事より

第141回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に磯崎憲一郎さん(44)の「終(つい)の住処(すみか)」(新潮6月号)、直木賞に北村薫さん(59)の「鷺(さぎ)と雪」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は8月21日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。



磯崎さんは千葉県我孫子市生まれ。早稲田大卒。07年、「肝心の子供」で文芸賞を受け、作家デビュー。三井物産に勤務しながらコンスタントに小説を執筆し、08年、「眼(め)と太陽」が芥川賞候補に。著書に「世紀の発見」など。東京都世田谷区在住。受賞作は、ともに30歳を過ぎてなりゆきで結婚した感のある夫婦の上に流れた20年という時間を描いた。娘も生まれ家も建てたが、常に不機嫌な妻は夫にとり不可解な存在であり続け、夫も浮気を繰り返す。細やかな描写が、相愛の情を欠きながら長い時間を共有したのちに得た、夫婦の関係を浮き彫りにする。選考委員の山田詠美さんは「圧倒的な支持で決まった。言葉を深く考えて選び、時間軸を考えながらブロックを積み重ねるような実験的な方法で小説を描き出した。独自の世界を作った点が評価された。文学に対する確かな信頼と誠実な態度を感じさせた」と語った。



北村さんは埼玉県生まれ。早稲田大卒業後、県立高校の国語教師となり、89年に「空飛ぶ馬」で覆面作家としてデビュー。91年に「夜の蝉(せみ)」で日本推理作家協会賞、06年に「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞を受賞。時間をテーマにした「スキップ」「ターン」、朝日新聞の連載小説をまとめた「ひとがた流し」などで直木賞候補になっている。山本周五郎賞選考委員。本格ミステリ作家クラブ前会長。埼玉県杉戸町在住。受賞作は、昭和初期の上流家庭の令嬢花村英子と、ベッキーさんと呼ばれる女性運転手別宮みつ子が活躍する短編集。2・26事件直前の世相を描きながら、子爵の突然の家出や、いないはずの男性が写真に写っていた出来事などの謎を解いていく。「街の灯」「玻璃(はり)の天」に続くシリーズの完結編。直木賞選考委員の浅田次郎さんは「難しい時代を取り上げているが、女学生のキャラクターもいきいきとしており、後半にいくにつれ盛り上がる。文章も美しく、余分なことがないので読者の想像力を喚起する。プロの仕事です」と講評を述べた。
asahi.com:2009年7月15日



芥川賞、残念ながら僕が読んだ作品、候補作になる前に読んだものですが、2作は受賞に至りませんでした。また、磯崎憲一郎の作品は今まで読んだことがありません。単行本が出たら是非読んでみたいと思っています。北村薫の作品は、ブックオフで随分前に「ターン」など数冊購入しましたが、積んでおいただけでまだ読んだことはありません。

過去の関連記事:
第141回芥川賞「候補にイラン人女性、劇作家・本谷氏も」!
本谷有希子の「あの子の考えることは変」を読んだ!
シリン・ネザマフィの「白い紙」を読んだ!