山形美術館で「吉野石膏コレクション 印象派展」を観た! | とんとん・にっき

山形美術館で「吉野石膏コレクション 印象派展」を観た!


今回の山形旅行の目玉の一つは山形美術館へ行って、「吉野石膏コレクション 印象派と風景画」展を観ることでした。山形美術館に入るとホールにはロダンの「永遠なる休息の精」があり、その屋のガラスケースにはキスリング、ゴッホ、シャガールの作品が展示してありました。山形美術館については、東京都美術館の「日本の美術館名品展」に2つの作品が出されていたこと、そのいずれもが「吉野石膏株式会社寄託」とありました。また先日購入した「美連協加盟館ガイドブック」の山形美術館の項には、与謝蕪村の「奥の細道図」(部分)1779年が載っていました。


「常設展示概要」によると、「長谷川コレクション室」、ここに与謝蕪村の重要文化財「奥の細道図屏風」が展示してあり、また「新海竹太郎、新海竹蔵彫刻室」には竹太郎の「ゆあみ」が展示してありました。「服部コレクション―20世紀フランス絵画」と「吉野石膏コレクション―珠玉のフランス近代絵画」の部屋は、ちょっとわかりませんでした。あるいは今回は吉野石膏の方が「企画展」に回ったので、部屋としての展示はなされてなかったのかもしれません。このほかに、「彫刻室」が別途設けてありました。


今回の「印象派と風景画」展、出品作品リストによると、36作品が展示されています。そのどれもが印象派の巨匠たちの作品ばかりです。コロー、ミレー、ブータン、ピサロ、シスレー、セザンヌ、モネ、ルノワール、ルソー、マルケ、ヴァラマンク、ユトリロ、シャガール、ミロ、総勢14人の画家たちの作品です。僕は「吉野石膏コレクション」については、おぼろげながら名前は聞いたことがありましたが、実は今までほとんど何も知りませんでした。今回出品された作品を観て、その量と質に驚きました。ミュージアムショップで「吉野石膏コレクション」の図録をパラパラと見ましたが、今回は「風景画」と銘打っているので、結局はその半分、「人物画」もかなりの作品があるようです。是非とも全作品を観てみたいものです。





以下、山形美術館のホームページより

このたび、吉野石膏コレクションによる「印象派と風景画」展を開催いたします。
西欧における風景画は、主に宗教画や歴史画の屋外での場面や、聖人やパトロンなどの人物画の背景として描かれ発達していきました。特に17世紀のオランダでは、活発な商業活動によって得られた経済力を背景に、室内を飾る風景画の人気が市民の間で高まり、独立したジャンルとして風景画が誕生する端緒となりました。やがて19世紀になると、理想化された古代の田園風景や雄大な自然の光景を対象とした、ロマン主義的な風景画が多く描かれました。それに対し、フランスのテオドール・ルソーやコロー、ミレーなどバルビゾン派の画家たちは、屋外での直接写生に基づいた、目に見える風景を素直に表現しました。そうした自然主義的な傾向は、19世紀後半に活躍する、モネやシスレー、ピサロらによる印象派に大きな影響を与えました。彼ら印象派は戸外写生を重視し、明るく鮮やかな色彩を用いて、光の変化や大気の揺らぎを直接的に絵画化しようと試みました。さらに、後進のポスト印象派やナビ派、フォーヴィスムの画家たちは、風景画であっても、画家の造形的な意識をより強調するようになりました。マネ、そして印象派以降の風景画はもはや単なる自然美の再現ではなく、画家の美意識を投影する世界像にもなり得たのです。また、エコール・ド・パリの画家たちはそれぞれ独自の情感に満ちた、生活感のある風景画を多く残しました。
この展覧会は、風景画が最も魅力的で多彩な表現をともなっていた、バルビゾン派からエコール・ド・パリまでに至る作品36点により、その展開を紹介するとともに、風景画の考察を改めて図ろうとするものです。


以下、「吉野石膏コレクション 印象派と風景画」展の作品の一部をあげておきます。








以下、山形美術館の常設展で観た主な作品






以下、今回は観られませんでしたが、先日東京都美術館で開催された「日本の美術館名品展」に出品された作品2つ、です。リストには、吉野石膏株式会社(山形美術館寄託)となっていました。ルノワールの作品「庭で犬を膝に抱いて読書する少女」はルノワールらしいのですが、ゴッホの作品「雪原で薪を集める人びと」はゴッホらしくない作品で、場合によってはミレーの作品と行ってもおかしくない作品と思ったことを思い出しました。







とんとん・にっき-oto4山形美術館 」チケット
画像は、

エドゥワール・マネ

「イザベル・ルモニエールの肖像」

1879年頃