メリル・ストリープ主演の「ダウト ~あるカトリック学校で~」を観た! | とんとん・にっき

メリル・ストリープ主演の「ダウト ~あるカトリック学校で~」を観た!

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この映画、誰が主役というのではなく、4人の俳優が個性を発揮しながら、それぞれ周到な演技で自分の役割を果たし、それが見事に噛み合ってひとつの作品となっていました。まさに「映画史に残る奇跡の競演」と絶賛される由縁です。


問題の発端は、まだ幼さの残る若い修道女の新任教師シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)が、学校でただ一人の黒人生徒が神父との関係に不信を感じて、強い意志を持ち、厳格な校長アロイシス(メリル・ストリープ)に相談してきたことから始まります。その不信の主は進歩的で人望厚いフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)、校長アロイシスの心に聖職者と黒人男子生徒とのあるまじき関係があるのではとの「疑惑」が生まれます。もちろん、校長アロイシスとフリン神父の丁々発止のやりとりがこの作品の見どころです。メリル・ストリープは黒い修道服に身を隠して、ほとんど顔だけでとんでもなく見事な演技をしています。


脂ぎった身体のフリン神父は、一目見ていかがわしく、そして胡散臭さをふりまいています。時代の変わり目、神父は自由で革新的、なにごとにも寛容です。一方校長は、自らを厳しい戒律の元におき、それをすべての人に強要します。ほとんど教会の学校内で話は進みますが、唯一屋外で、たぶん低所得者層集合住宅の枯れ葉の積もる中庭で、黒人生徒の母親(ヴィオラ・ディヴィス)は、校長アロイシスの呼び出しに応じます。母親は忙しい清掃の仕事の合間に、正装し、威厳を正して出向き、息子を愛する母親として、一歩も引かずに校長とやり合います。息子が特異な性癖があることを知りながら、それでも息子を愛すると胸を張ります。


フリン神父を学校から追放するために、前歴を調査したと平然と嘘をつきます。「私には確信があった、疑惑という確信が」と、校長アロイシスは言う。確かな証拠を握っていたわけではなく、ただ疑惑だけが。そして後悔し、涙を流します。たしかにメリル・ストリープはスゴイ俳優です。でもエイミー・アダムズの、初々しくおどおどした表情もカワイイよ。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:オスカー俳優のメリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンが、鬼気迫る演技でぶつかりあ合う心理サスペンス・ドラマ。1960年代のカトリック系学校を舞台に、神父と児童との関係への強い疑惑を募らせていく女性校長の姿を描く。トニー賞と、ピューリッツアー賞を同時受賞した舞台劇を原作者のジョン・パトリック・シャンレー自身が映画化。善良や正義が深く掘り下げされ、観る者を人間の心の闇へと誘う意欲作。


ストーリー:1964年、ブロンクスのカトリック系教会学校。校長でシスターのアロイシス(メリル・ストリープ)は、厳格な人物で生徒に恐れられていた。ある日、人望のあるフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)が一人の黒人の男子生徒に特別な感情を持っているのではないかと疑念を抱くが……。



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「ダウト ~あるカトリック学校で~」公式サイト