坂茂(ばんしげる)の建築 | とんとん・にっき

坂茂(ばんしげる)の建築



日本の建築家が「紙の橋」-南仏
フランス南部のガルドン川で公開されたボール紙製の橋と製作者の坂茂氏。世界遺産に指定された古代ローマ時代の石橋「ポンデュガール」近くに架けられた紙の橋は、一度に20人が乗れる強度があるという。(AFP=時事)
時事通信:2007年7月28日



坂茂(ばんしげる)、1957 年東京生まれ。 経歴には、1977-80年南カリフォルニア建築大学 (SCI-ARC)在学 (ロサンゼルス)、1980-82年 クーパー・ユニオン建築学部在学 (ニューヨーク)、1982-83年 磯崎新アトリエ勤務、1984年 クーパー・ユニオン卒業、1985年坂茂建築設計設立、とあります。同時にいくつかの大学の講師を勤めています。1995年からは国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)のコンサルタントを務めています。2001年より慶應義塾大学環境情報学部教授を兼任。ほとんど日本の建築教育を受けていないのが特徴です。






世界初の「紙の建築」(再生紙の筒を住体構造とした建築)を開発し、国連難民高等弁務官事務所に売り込みます。阪神大震災時には、神戸の鷹取教会の「紙の教会」や、テント村に「紙のログハウス」を建設します。またルワンダなど難民用に「紙の難民用シェルター」を開発しています。作品づくりと社会貢献の両立を目指して活動を進めています。ニューヨークのワールドトレードセンター跡地の計画にも選ばれてコンペで次点になります。


紙管を大々的に使った構造の「ハノーバー国際博覧会日本館」の設計も行っています。「ノマディック美術館」の設計も行っています。最初にハドソン川沿いに建てたこの美術館は、館名が示すとおり、「ノマディック(遊牧民的な)」、移動可能な美術館で、世界各地を移動します。コンテナを交互に組み上げ外観を作り、内部では巨大な紙の筒を円柱として使用しています。現在「ポンピドゥー・センター分館」を建設しています。






慶応大学環境情報学部教授でもあり、慶応大学環境情報学部の教え子?の一青窈との異色の組み合わせで、対談をしたりもしています。(mosaki的東京経験値 サクラクレパス 色彩紀行 対談:坂茂×一青窈)。トーマス・クーンのパラダイムシフトではありませんが、坂茂は、日本の建築教育から生まれたのではなく、授業料無料?のニューヨークのクーパーユニオンの卒業、まったく異分野からの参入で日本の建築が大きく変わる契機となっています。ほとんどただ一人、世界で通用する「日本の建築家」と言っても過言ではありません。



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