スペイン・バルセロナの「アグバル・タワー」 | とんとん・にっき

スペイン・バルセロナの「アグバル・タワー」



欧州の共同体50歳 スペインに電飾タワー
25日で50年を迎えるローマ条約は、欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体の設立を決めた条約で、欧州連合(EU、スペイン語ではUE)の基礎を築いた。この半世紀で加盟国は6カ国から27カ国に拡大した。
asahicom:2007年03月25日




ほぼ1ヶ月前のことになりますが、欧州経済共同体(EEC)設立を決めたローマ条約調印50年を記念し、ライトアップされたスペイン・バルセロナの、見慣れない形態のビルの画像が、ニュースで配信されていました。このビルはバルセロナの「アグバル・タワー(トーレ・アグバール)」、バルセロナ水道局が所有しているビルで、2005年の6月に完成しました。昨年、日経アーキテクチュア(2006-11-27)に大きく取り上げられて掲載されていました。




「アグバル・タワー」の設計は、フランス人建築家ジャン・ヌーベル。カメラの絞りのようなパターンを単位として使ったアラブ文様の外観をもつ「アラブ世界研究所」をデザインして、一躍世界的な建築家となりました。日本では、グラデーションのある表層が美しいと言われている汐留の「電通本社ビル」に、デザインパートナーとして参加しています。



実は昨年末、スペインの格安ツアーを、一旦は申し込みお金も支払ったのですが、事情があってやむなくキャンセルしました。予定では1月25日から8日間、まず最初にバルセロナに行くスケジュールでした。バルセロナには一度行ったことがありますが、ツアーの合間に、ジャン・ヌーベルの「アグバル・タワー」を見るのを楽しみにしていました。ツアーなので勝手な行動はできないにしろ、バルセロナへ行けばガウディの「サグラダ・ファミリア教会」と同様、「アグバル・タワー」はどこからでも見ることができたのではないかと、残念に思っています。



狭い土地に床面積を寄り多く取る四角四面の高層ビルの多い中で、なにしろ高さ142mの弾丸形の画期的な形態をもつ極彩色のタワーです。、しかもそれは男根を思わせる官能的な形態です。ジャン・ヌーベルは「タワー建築」に新しい形式を提示しました。日経アーキテクチュアの記事によると「タワーの表面は、インクを流したような質感をもち、液体の薄膜の下でうねるさざ波のように、ジグソーパズル状に散りばめられた色彩を通してきらめいている」と書いてあります。残念ながら、この説明だけではとても想像がつきません。「アラブ世界研究所」も、実際に外観を見て、また内部に入って見て、初めてその外皮のパターンが実感できました。バルセロナの「アグバル・タワー」、ぜひ見てみたい建築のひとつです。


日経アーキテクチュア