三井記念美術館で「赤と黒の芸術・楽茶碗」を観る! | とんとん・にっき

三井記念美術館で「赤と黒の芸術・楽茶碗」を観る!

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新しく日本橋に出来た、三井不動産と千疋屋総本店とが協力して再開発をした「日本橋三井タワー」の中に入っているという「三井記念美術館」に、前々から行ってみたいと思っていたのですが、ちょうどいい機会があって初めて行ってきました。「日本橋三井タワー」は地上39階建ての超高層複合ビルで、30階から38階の高層階にはマンダリン・オリエンタル・ホテル・グループの「マンダリン オリエンタル 東京」が入っています。


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いま開催中の展示会は、三井記念美術館開館1周年記念特別展「赤と黒の芸術・楽茶碗」展でした。もう、開館してから1年も経つんですね。多数の日本・東洋の優れた美術品を収蔵している三井文庫別館が、三井家及び三井グループに縁の深い日本橋に移転して、平成17年10月に開設した美術館です。収蔵品は、茶道具類が約半数で、国宝6点・重文21点、絵画は国宝2点・重文7点を含む刀剣類、国宝の日本最古の墓誌など、そして世界的な切手コレクション約13万点も所蔵しているそうです。


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日本橋三井タワーの1階アトリウム、右手に竹林を見ながらが正面の美術館への階段を昇りエレベーターに乗ります。着いたところは「旧三井本館」の7階にあたります。旧三井本館は、松田軍平がコーネル大学を出て、ニューヨークのトローブリッジ&リビングストン事務所で設計を担当し、日本で現場を監理したという建物です。7階の美術館に入ると、迎えてくれるのが円山応挙の代表作 国宝「雪松図屏風」です。これは常時展示してあるようです。


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さて、「赤と黒の芸術・楽茶碗」ですが、始めに「二彩獅子像」が迎えてくれます。1574年の楽茶碗の登場前に初代長次郎がつくった獅子像だといわれる「二彩獅子像」(樂美術館蔵)、これは迫力満点、実に素晴らしい。たてがみを炎のように振り上げ、今にも飛びかかろうとする獅子の像です。ごつごつとして力強い造形が見事です。装飾された瓦のようですが、用途は不明です。この獅子像を作った数年後、長次郎は赤薬、黒薬と呼ばれる楽茶碗を生み出します。




楽茶碗とは侘茶の大成者といわれる千利休が、自らの茶の湯にとって理想とする茶碗を創意し、その想いを長次郎が受け止めて、具現化したことに始まったそうです。以後400年以上、長次郎を初代とする京都楽家に連綿と受け継がれ、今日の15代楽吉左衛門に至っています。最近の調査では、楽家の先祖が中国大陸から来たことが有力になったという。今回の特別展は、歴代の楽家、初代長次郎から15代楽吉左衛門までの代表的な作品を展示してありました。


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中央の展示室には、織田有楽斎(織田信長の実弟、1547~1621)が京都・建仁寺境内に1618年頃に建てた茶室、国宝「如庵」を再現したものがあります。如庵」では、季節に合わせて茶道具を取り合わせて展示してあります。


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見終わったらちょうどお昼だったので、「ミュージアム・カフェ」で「季節のおこわ膳」、汁ものおひたし付きの栗おこわを食べました。その後、千疋屋総本店の2階にあるフルーツパーラーで、アイスクリーム3種類の上に栗ののった「マロン・パフェ」を食べました。期せずしてというか、季節というか、栗つながりでした。


三井記念美術館

日本橋三井タワー


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