「自由学園明日館」を観る!
先日、用事があって久しぶりに池袋へ行きました。思いの外、用事が早く終わったので、また行ったことのない「自由学園明日館」へ行ってみようと、突然思い立ちました。場所は、池袋西口のメトロポリタンホテルの通りをまたいだ南側、細い道路を入った西池袋2丁目です。、以前から行ってみようと思っていたので、だいたいの見当は付いていました。が、しかし、なんの下調べもなく行ったので、その日はちょうど「見学不可」の日に当たっていました。まあ、しかたがない、内部の見学は後日ということで、その日はデジカメで外観のみを写してきました。
新緑がまぶしいのどかな日差しの中、薔薇の手入れをしている学校関係者の方や、外側から明日館をスケッチする人がいました。思っていた以上に低く、横への広がりがある建物で、外部の色彩はもっと白い建物を想像していましたが、やや黄色みを帯びたアイボリーといった色合いでした。周辺の建物が次第に高層化する中で、自由学園明日館の周辺だけは、突然現れた「ホッとする場所」といった印象を抱きました。この明日館、一時は荒れ果てて解体されるかもしれないとの噂が流れました。日本建築学会や保存運動の人たちの力添えによって、保存修復が行われたことは、素晴らしいことだと思います。道路際に掲示してあった「自由学園明日館」の解説文を、下記に載せておきます。
重要文化財 自由学園明日館
羽仁もと子、吉一夫妻創立の自由学園校舎として、大正10年(1921)から昭和2年(1927)にかけて建設されました。設計は、アメリカの巨匠フランク・ロイド・ライト氏および遠藤新氏です。平成9年(1997)国の重要文化財に指定され、約3年の歳月を費やし、保存修理が行われました。中央棟、東西教室棟、および、道路南側の講堂からなっており、ウィスコンシンの大平原を舞台としてライトが発想した草原住宅のたたずまいが特徴となっています。
学校法人 自由学園
フランク・ロイド・ライトは、アメリカ合衆国が生んだ20世紀を代表する建築家の一人です。日本では、旧帝国ホテルの設計者として名を知られていますが、90年以上の人生の中で、800以上の計画案を遺し、そのうち400棟ほどを実現させている多作家としても有名です。1867年にウィスコンシン州で生まれたライトは、1893年、住宅作家として独立、終生一貫してより豊かな人間性の保証に寄与する建築、つまり「有機的建築」の理想を追求し続けました。作品のほとんどがアメリカ合衆国の各地に残っており、代表作としてはカウフマン邸(落水荘)、グッゲンハイム美術館などがあります。
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