「こち亀」の「両さん」に会いに行く! | とんとん・にっき

「こち亀」の「両さん」に会いに行く!


葛飾柴又の帝釈天で産湯を使った「寅さん」が出てきたら、同じ葛飾区、すぐ近くの亀有を飛ばすわけにはいきません。JR亀有駅前に銅像が立ったというので、帝釈天の帰り道、「こち亀」の「両さん」に会いに行ってきました。「こち亀」とは、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」という漫画作品のことで、「両さん」とはその主人公「両津勘吉」巡査のことです。そう言えば、ほぼ1年前、知人のお宅へおじゃまする前に、水元公園を散歩したときに、亀有駅の北口を歩きました。


そう言えば、家に「こち亀」が確か20~30巻はあったと思うのですが、どこへ行っちゃったのか?その分は僕が買って読んでいたと思うのですが、息子に聞いてみたら、149巻全部自分で買ったと言い張ります。そうは言っても30年も前の話、それは「釣りバカ日誌」のことでしょう、と言われてしまいました。そう言われてみれば、そうかもしれませんが、いずれにしても腑に落ちません。まあ、それはそれとして、また読み直したいので、一度に149巻は読めないにしても、20~30冊、貸してくれと頼み、第1巻から読み始めています。



柴又から亀有へ車で向かう途中、強大なショッピングセンターに出くわしました。帰ってから調べてみると「アリオ亀有」というもので、「日本板紙」という工場の跡地にできたものだそうです。イトーヨーカドー、シネマコンプレックス、ユニクロやタワーレコードなど100店以上のテナントが入る巨大商業施設です。今、亀有は、「両さん」の銅像の完成と、巨大なショッピングセンター「アリオ亀有」のオープンで、町中が盛り上がっているようです。亀有の「両さん」は、今や、柴又の「寅さん」と共に、葛飾区の郷土の大スターだそうです。


「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、「こち亀」は1976年の連載開始から以後30年間、一度も休載せずに、週刊少年ジャンプ(集英社)に連載されている漫画作品で、今なお最高連載記録を継続中で、ギネスブックに申請するとか?主人公の両津勘吉の破天荒な行動が巻き起こす大騒動の面白さと同時に、昭和30年代の下町の街の風景と、人情味溢れる人と人との交流も見逃せません。この作品には、主人公の両津をはじめとして、ユニークな人物たちが次々に登場します。彼らが引き起こす、人の迷惑を顧みない破天荒なドタバタ・ギャグ・アクションの連続。しかし、どの人物もなぜか憎めない愛すべき人たちばかりなのです。



亀有公園前派出所は実在しないとか、派出所という名称は今はないとか、差別表現があるとか、「こち亀」にはいろいろとたたけばほこりが立つ個所もあります。しかし、細かいことは問題ではありません。作者の下町の人々に注ぐ視線の優しさ、下町への愛情が登場人物たちの素朴で温かい感情となって、作品の中に発露しているのです。それが「こち亀」の最大の魅力なのです。懐かしい「おばけ煙突が消えた日」や「勝鬨橋開け」もありました。昭和33年の東京に地上333mの電波塔、東京タワーが建ったという「ぼくたちの東京タワー」も出てきました。隅田川の橋も何度も出てきました。幼なじみがやくざになっていて、両さんが捕まえたりもしました。両さんは「太田裕美」や「アグネス・ラム」の熱烈なファンですが、今の子供は分からないでしょう。


1996年6月16日から2004年12月19日まで8年半にわたり、フジテレビ系列で放映され、日曜の夜、家族揃って楽しめる好視聴率アニメとして定着していました。1999年夏には、東京・大阪で舞台公演を成功させ、2000年東宝お正月映画として、映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE」が全国公開されました。「こち亀」1億3千万冊突破記念として、浅草神社に石碑が建立されました。葛飾伊勢屋亀有本店では、「両さんどらやき」「両さんサブレ」を販売しています。「こち亀」は、葛飾区だけでなく、もう国民的なヒーローなのです。




「両さんと歩く下町」「こち亀」の扉絵で綴る東京情景
集英社新書 著者:秋本治 発行:2004年11月
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の扉を飾った、普段着の下町風景。葛飾区亀有で生まれ育ち、昭和30年代からの下町の変遷を見つづけてきた作者が、「こち亀」の舞台となった街を再訪し、その地への思いと取っておきの話を綴っていく。作者自選のペン画集にして極私的下町ガイド、そしてメイキング・オブ「こち亀」の三つの顔を持った画期的新書。

こち亀.com(こちら葛飾区亀有公園前派出所・公式サイト)
こち亀.net(亀有北口商店街・公式サイト)
葛飾伊勢屋亀有本店・公式サイト


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