「冬のベネツィア紀行」 | とんとん・にっき

「冬のベネツィア紀行」


「サンマルコ広場」は、鍵型の広場で、一方が海に面しています。かつては海運都市の表玄関でした。周囲にはサンマルコ寺院、総督邸、図書館、行政館が建ち、広場の中心の位置に高さ96.8mの大鐘楼がそびえ、広場と建築の組み合わせは劇的な効果を創りだしています。1958年に出来たカルロ・スカルパの名作「オリベッティのショールーム」も、この広場の一角にあります。




「サンマルコ寺院」は、9世紀、聖マルコの遺体を祭るために創建されました。現建物は11世紀に再建されたもので、ビザンチン様式の代表的な建築です。ギリシャ十字形の平面中央と軸洗浄に5個のドームが配されています。天窓からの光によって金色の内部は荘厳に輝いています。


「パラッツオ・ドゥカーレ(総督邸)」は、サンマルコ寺院の南側に隣接しています。外観はゴシック様式による3層構成で、1層はアーチ型柱廊、2層は柱間の小さいアーチとその間に円窓のあるギャラリー、3層は白とピンクの大理石によるモザイク模様の軽快な壁面です。



「サンマルコ図書館」は、サンソヴィーノの代表作。サンマルコ広場の景観を整える重要な建物で、ファサードは2層構成、下層がドリス式、上層がイオニア式です。半円柱とアーチに囲まれた部分の彫りの深い陰影が、壮麗な彫塑性をもたらしています。映画「旅情」の中で、広場でキャサリン・ヘップバーンがお茶を飲んでいるところの後ろの建物です。



遠く運河の向こうに見えるのは「サンタ・マリア・デルラ・サルーテ聖堂」です。ベネツィア・バロックを代表する建築で、ロンゲーナの初期の傑作です。8角形の平面で、直径20mの中央部は8本のコリント式円柱で囲われています。周囲の周歩廊が半円アーチで繋いだピアによってつくられ、その外側に玄関、6個の祭室および内陣が配されています。




「リアルト橋」は、サンタルチア駅とサンマルコ広場のちょうど中間の「CANAL GRANDE(大運河)」に架かり、ヴェネツィアで最も美しく、そして有名な橋です。アーチの上の左右のそれぞれ6つのベイからなるアーケードが乗り、小さなアーチが斜めに連続しています。水路の大きなアーチと斜めの線が力の自然な流れを示しています。

参考図書:「ヨーロッパ建築600選」