日本の政治が激変する19日、20日と、ジャパンマスターズ2009に参加してきました。
世界的不況と金融危機に脅かされていますが、平和と繁栄がいつまでも続いて欲しいと願いながら参加した大会です。
ジャパンマスターズは、南は沖縄から北は北海道まで、全国から参加者の集まる日本最大の水泳大会です。もしかしたら世界最大かもしれません。今年は1243チームが集まり、総勢6538名の人々が泳ぎました。
マスターズ水泳が盛んなアメリカは国が大きすぎるため、全国大会にこれほどたくさんの人々が参加できるとは考えられません。ですから、まさにギネス級の大会と言えるでしょう。
ジャパンや大きなマスターズ大会に出ると、いつも感じることがあります。
それは、「日本は大丈夫だ」という安心感です。
なぜなら、コツコツと努力を積み重ねるしかない水泳という競技を、これほどたくさんの方がやられ、それぞれ大きな努力を重ねられているからです。
マイケル・フェルプスが「水泳のどんなところが好きか?」とたずねられたときの答えが、それをうまく表しています。
「水泳は才能だけでぜったい成功できない。どんなに才能のある人間でも、努力なしに水泳は伸びないんだ」
ジャパンに参加されるほとんどの方が週に数回、一回1000メートル以上のトレーニングを重ねられ、中には毎日のように5000メートル以上を泳ぐ方までいらっしゃいます。
今年も97才の長岡三重子さんが2種目で世界新記録を出されました。
感動しました。大きなエネルギーとパワーをいただきました。
日本人は厳しい環境のなかで、コツコツと努力を積み重ねられる。だから不況を生き延びられる。そんな感動もありました。
今回たまたま座った席の前が、札幌のチームのみなさんでした。長い間札幌雪祭りでエアリアルをやっていたので、なつかしくもあり、楽しい会話をさせていただきました。
わたしにとって今年は50才から54才のクラス最後の年になります。
ちょうど50才から水泳を再開したので、一区切りがつくところ。ジャパンへの参加は3年連続になります。
これまでは辰巳会場だったのですが、今年は横浜国際です。
神奈川県のマスターズ大会で過去2回ほど泳いでいますが、わたしにとってはとても相性が悪く、記録が出ないプールです。
参加したのは50メートル自由形とバタフライの2種目。
どちらも強豪がひしめいています。
水泳だけでなくスキーでも、わたしはできるだけ相手を気にしないように務めます。
どんな大会も、強い人が出てくれば順位は下がりますし、弱い人ばかりなら順位は上がります。だから、できることは自分のベストを尽くすことだけ。そう考えて大会に参加します。
今回、自由形で考えたのはタッチまで諦めないこと。
それには理由がありました。
わたしより上のクラスで参加された現日本チャンピオンの滋野さんが、試合前ここうおっしゃっていたのです。
「一掻き余分にかいてしまった。かかずに待ってタッチすべきだった」
試合は大激戦でした。1秒に12名が入るもの。
わたしは2コース隣を泳ぐ北島さんに抜かれたように感じました。
しかし、結果は1位。百分の四秒差でした。
ラッキーとしか言えません。
ビジネスではなかなか成功できないわたしですが、スポーツの世界ではつくづく運に恵まれていると感じます。
スキーと違い、実力的には勝てるはずがないのですから。
バタフライも激戦のなか、4位入賞することができました。
しかも、記録は長水路のバタフライ生涯ベストです。
バタフライで考えたことは「最後10メートルで勝負する」ということ。しかし、最後7メートルで自分がつぶれました。体力が持たず、一回呼吸になってしまい、ラスト7メートルで5回も呼吸してしまいました。
40才代のチャンピオン三浦弘さん(8月22日のクリニックメイン講師)は、50メートルを無呼吸で泳がれます。
400メートルの日本記録保持者荒木さんが、50メートルを1回呼吸で泳がれる場面に出会ったこともあります。
今回のわたしは自由形が5回呼吸。バタフライでは10回も呼吸したのです。
まだまだわたしには伸びる要素が残っていると感じました。
しかし、10回呼吸はダメですね。73才の松本弘さんが4回くらいの呼吸なので、まだまだトレーニング不足です。
冬場に満足な練習ができないこと。
スキーの古傷のヒザに問題があること。
そんな中、ほんとうにラッキーなジャパンマスターズでした。
直接応援くださった皆さまだけでなく、エネルギーをくださったたくさんのスイマーのみなさん、ほんとうにありがとうございました。
日本の不況を吹き飛ばしてくれるようなジャパンの熱気でした。
わたしの次の大会はレインボーカップです。
これから、可能な限りよい練習を積み重ねて臨みたいと願っています。