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2016年06月08日(水)

大先輩たちの本と人生

テーマ:スキーの話

 先週は不思議な病に中断されましたが、まだまだスキー関連の単行本を読み続けています。

 下の写真がここ十日くらいに読んだものたちです。
 どれもほんとうにおもしろかったです。

 よく自分が思うことに、「真剣にスキーに対峙したことのある方の言うことには必ず重要なことが含まれている」 というものがあります。それを再確認するように、今回読んだ本に書かれたことは、どれもほんとうに素晴らしく、たくさんの発見や心打つ内容がありました。

 

 

 著者のお一人、三浦敬三先生にはドルフィン時代、何度かお会いすることができ、スキーのチューンアップについて教えていただくチャンスもありました。あの優しい眼差しが、今もわたしの心にしっかりと残っています。
 また平沢文雄先生には全日本スキー教程 (フリースタイル) を作る際、たくさんのご助言をいただきました。ほぼ毎年スキー場でばったりお逢いして、ご挨拶させていただいています。一昨年はレッスンされていらっしゃるところを、しっかり観察させてもいただきました。

 渡部三郎さんとは、スキーテストや雑誌の取材などで何度かご一緒に滑らせていただくチャンスがあり、その滑りは今もわたしの脳裡に刻まれています。
 黒岩先生は驚くことに、わたしの高校の先輩にあたります。きっと高崎高校出身でプロスキーヤーになったのは先生とわたしだけでしょう。
 初めて深雪の魅力に取り憑かれた時、黒岩先生の本がわたしの教科書でした。

 舘内さんとはお逢いしたことはありませんが、その文章に散りばめられた底抜けのユーモアと、しばしば訪れる深い洞察がわたしの親友を思い浮かばせるため、どうも他人の気がしません。

 

 そんな近くで直接感じられるみなさまとは異なった意味で、ほんとうに近くに感じられた方がいらっしゃいます。魂の距離が近いとでも呼んだら、失礼にあたるかもしれませんが。
 それはあの猪谷千春さんのお父さま、猪谷六合雄(くにお)さんです。

 大きなジャンプを飛ぶ前に、必ずというほどベートーヴェンの交響曲を聴いたという六合雄さん。
 家族揃って放浪を続け、悲しいことがあればシューベルトをかけ、その音楽に悲しみを流したという六合雄さん。
 自分の人生を、『冬の旅』 に重ねられた六合雄さん。

 もし、現在も生きていらっしゃったなら、わたしがもっとも逢いたいスキーヤーです。
 そして、彼の育てられた千春さんのあの人生。。。。 

 

 

 

 昨夜たまたま、親しいプロスキーヤーであり、白馬に来てからの人生を並んで歩いているかのような近藤隊長ファミリーがわたしの家を訪ねてくれました。
 選手として急成長している心音(ここね)ちゃんやカノンちゃんに、親友平先生の書かれた本をぜひ読むように貸しました。「必ず得るものがあるから」 と。
 しかし、隊長にはこう言ったのです。
 「隊長、この猪谷さんの本だけは日本でスキーをするものとして、必ず持っていた方がいい。だから、ぜひ買ってください」
 こんなことをわたしが言うことはめったにありません。
 どんな本も、読んで三回。ふつうなら一回しか読まないから、貸し借りが便利とすら思っているわたしですから。
 しかし、この 『わが人生のシュプール』 だけはスキーを生活の糧とする人には必ず読んでもらい、所有してもらいたい書籍だと信じられるのです。
 だから、「ちょっと高い本だけれど、買った方がいい」 と伝えました。

 

 それにしても、猪谷さんたちお二人の人生を、なんと呼べば良いのでしょうか。
 六合雄さんの歩みを知ればしるほど、自分に重なるところが多く、他人ごととは感じられなくなってしまいました。
 猪谷さんのような偉人を自分に比べるのは失礼ですが ・・・・。

 しかし、ベートーヴェンから勇気を得て、シューベルトに涙した彼なら、きっと喜んでわたしを迎えてくれるように信じられてなりません。


 さっそく 『雪に生きる』 も 『雪に生きた八十年』 も注文させていただきました。

 いつか彼岸で、六合雄さんとベートーヴェンやシューベルトについて、そしてスキーについて心ゆくまで語り合いたい!


 ・・・・ もう少しスキーの本を読み続けてみます。

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2016年06月04日(土)

心臓が凍り付きました!

テーマ:びっくり

 昨日、心臓が凍り付く経験をしました。

 朝いつもどおり五時に目をさまし、ベッドから起きたその直後です。

 ぐらっ、と世界が大きく回転しました。

 渦に巻き込まれたかのようにあたりが回転し、ベッドにもう一度倒れ込んでしまったのです。

 「あっ、これはもしかして脳梗塞だろうか?」

 そんな恐怖に襲われました。

 昨年母が脳梗塞で倒れたり、一昨年親友が脳梗塞から苦しんで回復したのを経験してきただけに衝撃を受けました。

 数日前、「長野県マスターズに出場しよう」 と決心したばかりですが、こうなると水泳どころか自分の一生が左右されます。

 

 じつは一昨日、すでに徴候がありました。

 朝起きるとき、やはりめまいがしたのです。

 その後、あまり酷いことはなかったので、水泳の練習もこなし、水泳後はとても調子が良かったので、気楽に考えていたのす。

 ところが昨日の朝は座っていられないどころか、自分がどこにいるのかもわからないほど酷いめまいでした。

 このまま死んでしまうのだろうか・・・?

 そんな恐怖も感じました。

 そして、「もしこれが二回宙返りをしている最中に来たら、いったいどうなるだろう」 とか 「この状態では立つことも歩くこともできない。ましてやスキーなど」 という恐ろしい考えにも襲われました。

 スキーができないなら、それはわたしにとって死活問題ですから。

 

 めまいがおさまってから、ゆっくり起き上がりました。

 気分は悪く、どこか浮ついているような状態でしたが、すぐにインターネットで該当する可能性のある症状を調べてみました。

 

 当てはまるものが、大きく二つ見つかりました。

 一つは脳関係の疾患。もうひとつは耳関係の疾患です。

 どちらにしても、「すぐにしっかりした診断を仰がねば」 と思いました。
 友人のドクターたちはみな遠くにいるので、脳神経外科と耳鼻科のどちらもある近くの病院を探し、家内に頼んで松本市の相澤病院に連れていってもらいました。

 

 長時間の診察を受け、そのままCTスキャンに。
 機器に横たわり、スキャンが始まると、ふたたび巨大な渦に巻き込まれたようなめまいに襲われました。

 

 「これでわたしのスキー人生も終わってしまうのだろうか」 

 

 いろいろな不安や恐怖に襲われましたが、診断は 『良性発作性頭位めまい症』。
 ふつうなら二、三週間で治癒すると言われました。
 エプリー法と呼ばれる体操を教えられ、その場でも何度かやりました。
 しかし、やるたびに大きなめまいに襲われ、少々具合が悪くなってしまうほど。

 

 じつは発作性のめまいというのは、よくあるのだそうです。

 三半規管の中にある小さな石が、なにかの原因によって動いたりはがれたりすることによって起こるとのこと。大きさ 0.3ミリ くらいの石が動いたり、はがれたりするだけで、これほどの動揺を与えるとは驚きです。

 

 三週間経っても良くならないようなら、また来るように言われ、「運動しても問題ない」 と言っていただきました。
 対応してくださったお医者様はとても真剣に話しを聴いてくださり、しっかりと詳しく答えてくださり、わたしたちも心から安心することができました。

 

 余談ですが、わたしの脳は年齢に比して、とても健康なのだそうです。

 思わず、「機能ではなく、根本的にどこかおかしいところがありませんか?」 と尋ねたくなりましたが、いちおう止めておきました。

 

 

 という訳で、ここまで読んで下さったみなさま、たいへんお騒がせしました。
 もうすぐ、元気になる予定ですし、明日も大会に出場させていただきます。
 ちょっと飛び込みとターンに不安ありですが・・・・・・。

 

 みなさま、どうかよろしくお願い致します。

 よく見ると、右目の後ろ (実は左眼) にトナカイさんが住んでいます。

 

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2016年05月09日(月)

「ゆうちょマネー」はどこへ消えたか

テーマ:本の話

 政治に特別、わたしは関心を持っていません。若い頃なら、総理大臣の名前すら知らない時期があったほどです。

 しかし、そんなわたしでも 「政治と無関係ではありえない」 と感じた出来事が起こりました。

 それが 9.11 です。

 9.11 以降、少しですが政治的 「出来事の裏側」 を考えるようになりました。昔を振り返って、個人的に田中角栄さんのロッキード事件などを調べてみたりしたこともあります。

 9.11以降、いちばん大きな違和感を感じた事件はたぶん 「郵政選挙」 でしょう。

 「郵政選挙」 で何かとてもおかしいものを感じたからです。

 まるで劇場のようでした。

 マスコミの報道も異常なら、国民の反応も異常でした。

 

 この選挙では刺客という言葉も流行りました。

 元郵政大臣で民営化に反対した野田聖子さんを自民党は公認せず、佐藤ゆかりさんを対抗馬として送り込み、彼女を公認しました。それを、マスコミはまるで世紀の一大エンターテインメントのように放送しました。

 また郵政民営化に反対して国民新党を立ち上げた亀井静香氏には、あのホリエモンを対抗させました。飛行場に到着したホリエモンに向かって、たくさんの女子高校生たちが 「ホリエモン! ホリエモン!」 と叫ぶ画面が何度もなんども映し出され、どこか非現実的な作り物であるかのように感じました。

 城内実氏に対しては、片山さつきさん。

 小林興起氏に対しては、小池百合子さん。
 それぞれが、まるでショーのようにおもしろおかしく伝えられました。しかも、構造改革 (郵政民営化) は完全な善で、民営化反対はまったくの悪であるかのようなニュアンスを込められて。

 日本が変わったのか、その変化に自分がついて行けていないのか、不思議な感覚にとらえられたことを覚えています。


 自民党が圧勝した後に、さまざまな暴露話を発見することができました。
 なかでも驚いたのが、電通が仕掛けたいわゆる B層 をターゲットにした宣伝方法です。
 これは知能指数別に国民を三つの層に分けて、「IQが低く、構造改革に賛成する層」 をB層と名付け、これを徹底的に取り込むことに徹する戦略だとのこと。
 この戦略を実行するにあたって、電通に数千億円が支払われたという文章も読みました。しかも、支払ったのは自民党や小泉首相ではなく、アメリカの大手広告代理店だというのです。

 郵政民営化から時がすぎてみると、あれが日本の低迷を半永久化する決定打だったことがわかります。本来、国内に循環するはずだった350兆円というお金のほとんどが、海外に流れてしまったからです。350兆を得るのに、数千億の投資は安すぎるくらいだとも考えました。

 

 こうした 「郵政民営化」 の過程を見事に描き、わたしの疑問にも答えてくれたのが、『「ゆうちょマネー」 はどこへ消えたか」 です。

 

 

 近頃、読んでいる馬渕睦夫さんと同じ、反グローバリズムの視点から書かれたもので、今の日本を理解する上でも非常によくまとめられ、検証もできた本だと感じます。

 

 このところ体調を崩して熱もあり、あまり元気がないのですが、読み始めたらおもしろくて、ついつい最後まで読んでしまいました。
 「郵貯民営化」 「ゆうちょマネー」 だけでなく、新自由主義(グローバリズム)を理解する上でも、有効な書籍だと思います。

 ぜひ、ご一読を。

 

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