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2017年01月06日(金)

日本の不思議

テーマ:徒然なる想い

 日本にはいくつも不思議なことがある。

 国家的レベルで個人的に不思議だと思うことに、以下がある。

 

 まず、軽自動車の黄色いナンバープレートと黒い文字。

 なぜ、これほどダサイ色を選んだのだろう。
 やはりセンスを疑ってしまう。

 軽自動車はわたしの家内も含めて、多くの女性が使うものだ。
 若い女性にも利用者が多い。
 もっともおしゃれであろうとする方々が日々使うもの。だからこそ、もう少しマシな色を使えなかったのだろうか。ありきたりな薄いグレーの色ですら、今より数段マシだとわたしでもわかる。

 

 次はローマ字表記の 「らりるれろ」 に R を使うことだ。
 カルフォルニアやブリティッシュ・コロンビアで英語を身につけたわたしは、いつも 「 R はないだろう」 と感じてしまう。なぜ L 表記にしなかったのだろうか。日本人の発音の悪い原因の一つは、ここにあるとすら思ってしまう。

 

 さて、ほんとうはここを書きたかったところに来た。

 

 

 それはスキー場における人々の滑り方である。

 日本ほど暴走スキーヤー(スノーボーダー)の多い国はない。断言してしまおう。

 以前リフト待ちのマナーについて書いたことがあるが、それとこれは大きく異なった問題である。

 年末年始や三連休といった混雑時、ほんとうに危ないと感じる場面に何度もなんども遭遇する。そして、これが問題なのだが、そんな危なさを演出しているスキーヤーやスノーボーダーにとても上級者が多いという事実である。

 なぜ、それほどスピードを出さねばならないのだろう。

 

 以前、酔った海外からのお客が暴走して危ないという話を、ブログに書いたことがある。
 そして、コントロールを失ったスキーヤーが危ないということも書いたことがある。

 しかしもっとも危ないのは、日本人の上級スキーヤーが初心者や初級者の間を縫って、かっ飛ばしていく場面に見られる。
 しかも、行く手を邪魔する初級者を怒鳴りつける場面すら見られる。

 なぜ怒ってまで、そして危険を冒してまで、それほどのスピードを出すのだろう。

 オリンピックを直前に控えた選手であるなら、多少は理解できるが、それとて許されることではないだろう。

 

 わたしも選手だった時代が長いし、現在も水泳では現役選手としてやっている。だからスキー場に着いたら、自分の望むトレーニングをしたい気持ちはよくわかる。しかし混雑時のスキー場で、80キロを超えるスピードで滑ることは決して練習になるとは思えない。

 これはレーサーたちのトレーニング現場にも見ることができる。

 レーサーたちはポールの張られた斜面まで、もしくはポールを滑り終えてリフトに行くまで、もの凄いスピードで滑っていく。

 かつて、海外でのアルペントレーニングシーンをよく見てきたこともあり、経験から 「あれでは練習にならないのでは」 と感じることも多い。

 

 少し自分の話になるが、わたしは毎シーズン、プルークのトレーニングからスキーシーズンを開始する。そして、そこがもっとも 「自分が上達できる時」 だとわかっている。

 シーズンに入り、滑りそのものに集中したなら、なかなか上達することは難しいとも感じている。だからシーズン初めにしっかりと、プルークでの自主練習に専念する。長年に渡り、わたしを見ているリフト係の方たちが、不思議に思うほど一生懸命やる。
 

 スキー場では毎年、スキーヤーやスノーボーダーの激突事故が絶えない。死亡事故も決して希ではない。
 だから混んでいる時、周りを蹴散らして滑ることは、どうか止めて欲しい。

 他にも上達への道筋は、たくさんあるし、混雑時はその方が効果的なのだから。
 日本ほど上級者が初・中級者を威圧して滑っている国はないのだから。

 

 こうした事実は、もしかしたらいわゆる 『基礎スキー』 と呼ばれるスキーと関係があるのかもしれない。

 

 まず、『基礎スキー』 という命名について考えてみたい。

 なぜ、これを今さら語るのかといえば、親友の遠山知秀氏による 「『基礎』 と 『基本』」 という素晴らしい文章を読んだからでもある。
 興味のある方は、ぜひ下記のリンクを読んでいただきたい。
 http://urx.mobi/AF2n
 

 基礎と基本の違いを遠山氏の解釈で知ると、ことさら 『基礎スキー』 の 『基礎』 という言葉がおかしなものに響いてくる。
 しかも、『基礎スキー』 と呼ばれる会場で見られるスキー技術は、まったく基礎でも基本でもない。それは非常に高次元のスピードと高度なテクニックに裏打ちされた滑りである。
 競技としておこなわれることも多いので、採点もされ、順位も付けられる。
 あえて競技内容から考察するなら 『ターン競技会』 とか、『ハイスピード・スキーターン競技会』 とかいう名称がふさわしい。

 腰が雪に触れそうになりながら高速でカーヴィングするスキーヤーから、基礎とか基本とかいう言葉は浮かばない。

 『技術選手権』 と呼ぶのはいい。しかし、これらを基礎スキーという名称で括るのは、どうだろう。

 

 基礎スキーという名称や競技会は他の国に見つけることはできない。現在日本でおこなわれているような形の競技会も存在しない。

 スキーにはアルペン競技やノルディック競技、ジャンプ競技、フリースタイルと種々様々なものがあるが、日本でおこなわれている 『技術選手権』 という競技会を見つけることはできない。もしあっても、インタースキー代表を決めるためのごくごく内輪の大会であろう。

 

 あえて 『基礎スキー』 と命名されたスキーが、能力の限りの速いスピードを求めている姿は、異常だとも思ってしまう。

 モーグルですら、スピード点を落としていく傾向にあり、よりターンの質を求めている時代なのだ。

 もし 『基礎スキー』 という名前を使うのなら、もっともっと基本に振るべきであろう。

 

 少し脱線するかも知れないが、かつての教程に見られた内倒・内傾のスキーを、わたしは否定してなどいない。ただ、そんなスキーは、基礎でも基本でもないとは信じている。
 基本でも基礎でもない滑りを、『基礎スキー』 として広めようとしたことは、間違いであったと信じている。

 

 日本のスキーがもう一つおもしろくならないのは、こんな基礎スキーの在り方にも要因があるのかもしれない。

 また  『技術選手権』 がアルペンやフリースタイルスキーの全日本選手権を超え、日本最大のスキー競技界となってしまった・・・・・・してしまった・・・・・・ことにも問題があるように思う。

 

2016年12月05日(月)

第11回 信越マスターズ スイミング フェスティバル

テーマ:水泳の話

 昨日の第11回 信越マスターズ スイミング フェスティバルで、今年の水泳大会をすべて終了しました。
 数日の休みを置き、いよいよスキーシーズンがスタートします。

 今年もいろいろなことがありました。

 まず忘れられない出来事に、六月頭の 『発作性頭位めまい症』 があります。
 これまで経験した病気や怪我のなかで、いちばん驚いたものです。強烈なめまいに襲われた時は 「死を覚悟した」 ほどの驚きがありました。その瞬間、「脳に問題が起こった」 と感じたのです。
 結局、ごくふつうの病気(機能異常)であることがわかり、たいしたこともなかったのですが、あの驚きは忘れられません。

 それから夏に酷くウルシにかぶれました。一ヶ月ほど全身に湿疹が出て、人にお会いするのが失礼にあたるほど見苦しい姿となりました。

 ただ昨年、一昨年の二年間というもの夏の終わりに必ず体調を崩していたのですが、それは回避することができました。回避できた理由は、一つに 「体重増加を気にせずよく食べたこと」、次にトレーニング時に 「アミノ酸類」 を摂取したことにあります。
 昨年の夏からくらべると、三キロ以上重くなりましたが、体調はすこぶる良かったです。

 

 口には出しませんでしたが、今年は一つの目標がありました。
 それは50mバタフライで29秒台か、もしくは50m自由形で27秒台を出すこと。もし出たら、「骨化症のことは忘れて再スタートしよう」 というものです。
 後述する理由から、バタフライの方が近いように感じていました。
 しかし、残念ながら今年のバタフライのベストは30.59。
 半ば諦めかけましたが、昨日の自由形で27.98を記録することができました。かろうじての27秒台ですが、手術後初めての27秒台です。

 そこで、手術時に友人からいただいた達磨に、ようやく目を入れさせていただきました。


 

 長い間、見守ってくれてありがとう(^O^)/
 ようやく目が開きました。

 今回の大会ではもう一つ、びっくりしたことがありました。
 それは100m個人メドレーが、申告タイムとまったく同じだったことです。
 そのため生まれて初めての 『ぴったり賞』 をいただきました。

 


 

 2016年は7つの試合に参加、計14種目に出場。
 1位が12回、2位が2回、大会新記録が7回と成績としてはとても恵まれた年となりました。

 もう一つ、練習の50m板キックで自己ベストが出たことも書いておきます。キックはまだまだ遅いのですが、やはり嬉しいことでした。


 しかし、とても困ったこともありました。バタフライが曲がり出したのです。
 バタフライに力を入れたのは首の手術直後、少し右肩に麻痺が残っていたからです。現在は麻痺というほど酷くなく、違和感がある程度になりましたが、しばらくは自由形(クロール)がいびつなリズムになっていました。一生懸命泳げば泳ぐほど、泳ぎが乱れるように感じたのです。
 自由形にくらべると、バタフライは勢いだけで泳げるところがあり、左右差も感じません。
 ところが今年のジャパン前から曲がり出し、ジャパンでは気をつけたにもかかわらず、左のコースロープに二回もぶつかりました。レインボーではあえて右方向に泳ぐ作戦にでましたが、それでもロープを一回こすりました。
 ジャパンスプリントの映像を見ても、大きく左方向に進んでいるのがわかります。

 そんな中、ほんとうに久しぶりの短水路50m自由形に出場しました。
 タイムはギリギリの27秒台でしたが、感触はとても良かったです。リズムもよく、左右差も感じず、泳ぎもまっすぐでした。


 ・・・・ということで、後縦靱帯骨化症からようやく抜け出せたのが、今年のように思います。
 来年から本格的に再スタートします。
 なんとか、もう一度自己ベストをねらってみます。

 そのためにもスキーシーズン中、体調を崩さず、最低週一回は泳ぎ続けたいものです。

 

 今年もたくさんの方に応援をいただきました。
 『スイミングの科学』 でもたくさんの方のお力をいただきました。
 ほんとうにありがとうございます。

 *余談ですが、松田仁美さんのサイン入り 『スイミングの科学』 が手元に少しあります。もしご希望の方はわたしまでご連絡ください。
 

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2016年12月02日(金)

『青春をスキーに』 by 黒岩達介

テーマ:本の話

 先シーズンが終わってから、かなり真剣にスキー関係の本を読んできました。
 日本のスキー史を築かれたみなさまの本や現代の有名スキーヤーの書いたもの、それらに技術書の類を含めると40冊くらいは読んだのでは・・・。
 それらのなかで、深く心の琴線に触れ、感動や感歎を感じる本が何冊かありました。

 この 『青春をスキーに』 もその一冊です。

 


 著者の黒岩さんとは、残念ながら一度もお逢いしたことがありません。
 しかし、彼が高崎高校の先輩であり、非常に高名なスキーヤーであることは、高校時代から知っていました。
 高校時代のわたしは、まさかスキーを生業にするなど、想像もしていませんでした。ただ、中学を卒業して間もない頃、街中でばったり逢った中学の恩師とこんな会話をしたのです。

 

 それは晴れて青い空の美しい春の朝でした。
 当時、家族で住んでいた高崎市の問屋町から高崎駅方面に歩いていると、「角皆君!」と声を掛けられたのです。
 明るくて澄んだ呼び声でした。
 振り向くと、音楽の高田先生が微笑んでいました。
 クラシック音楽が大好きだったわたしは中学時代、教職に就いて間もない彼女と好きな曲についてしばしば真剣に語り合いました。そんな思い出もあって、とても親しく感じている先生だったのです。
 挨拶が終わるなり、彼女はこう尋ねてきました。
「素晴らしい高校に受かってよかったわね。でも、角皆君のような人に、あの高校はどうなのかしら。だいいち角皆君はどんな人になりたいの? どんな職業に就きたいの?」
 わたしは自分の心を覗き込んでみましたが、そこに答えなどありませんでした。

「先生、弁護士なんてどうかな?」
 意味などありませんでした。たまたま弁護士という職業が魅力的に思えただけの答えでした。
 彼女はそれを聴くと、美しい横顔を曇らせてこう答えたのです。
「・・・まったく似合わないわね・・・」
 しばらく沈黙して、こう続けました。
「そうね、角皆君にはプロスキーヤーみたいな職業が似合っていると思う。スキーを滑って世界中を旅するのよ。そして、たくさん恋をするの・・・・・・」
 彼女の瞳に、夢見るような光が宿っていたのを覚えています。

 その後、さまざまな偶然が重なって、わたしの人生はまさに彼女の言葉が予言となったかのような道を辿りました。だから高校に入る時には、すでにプロスキーヤーという言葉に敏感だったのです。

 

 間もなく、高校の先輩に有名なスキーヤーがいることを知りました。それが黒岩達介さんでした。
 時々、わたしの通学路にあるスポーツショップの前に 『万座スキースクール』 というロゴの入った車が止まっていることがあり、そのたびに 「黒岩さんが来ているのかな?」 と中を覗いていました。
 

 この本に記されている彼の半生は、日本人としてスキーという新世界を開拓した数少ない方の見事な生き様です。
 この本を読むと、わたしがフリースタイルスキーで経験したことに、とても近いようにも思えます。
 そんな共通点があるからでしょうか、読みながら何度も涙しました。

 猪谷六合雄さんといい千春さんといい、三浦敬三先生、杉山進さん、丸山庄司さん、片桐匡さん、そして黒岩達介さんと、わたしたちには素晴らしい先達がいらっしゃいます。
 彼らの軌跡を知るだけでなく、彼らの掲げたスキーの炎を、なんとかわたしも微力なりに継承したいと感じています。

 いよいよスキーシーズンが始まりますね。

 

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