フリースタイルスキーで生活して、はや30年。
その間、モーグルトレーニングという名のつくものなら、ありとあらゆるものに挑戦してきました。
日本で初めてスキーをはいてトランポリンを飛んだり、一輪車や綱渡りまでやりました。
「スキーにいい」、「モーグルにいい」というトレーニング器具があると聞けば、必ずトライしてみました。
そういえば青学の長谷川教授の開発したモーグルトランポリン(今はX-techにあるかな?)は、いろいろな意味でやってよかったです。
そんな数限りないトレーニングのなかで、もっとも難しく、かつ効果があったのは、間違いなく若杉大屋のモーグルウエーブです。これが難しい。しかも、失敗すると痛いのです。
4メートルピッチのただのウエーブなのですが、少しでも内倒すると、スキーがずるっと滑って、思い切り腰をウエーブに打ち付けます。
初めて大屋に行ったとき、さんざん周りの人に脅かされました。
曰く、「ワールドカップ○位の○○さんは、結局自分は滑らず、ゴールでビールを飲んでいましたよ」
曰く、「オリンピック○位の○○さんも、完走できませんでしたね」
そんなこともあり、レッスンの前日、練習することにしました。
まず最初、止まろうとした瞬間に転倒しました。
「イテッ!」
しばらく低速で滑っているうち、こう気が付いたのです。
「ブレーキをかけるから難しいんだ。直滑降するつもりで滑れば楽勝!」
そのとおりなのです。ブレーキをかけるから滑って転ぶのです。
だから、ブレーキをかけなければ、いたって安定します。
しばらくスピードを出して滑っているうち、こうも気が付きました。
クーパーの言うウェイトシフトこそ、ここで滑るための秘訣だ。
しっかり外向傾姿勢をとり、外足に乗ったなら、スピードコントロールは意外と難しくない。
こうして、ウエイブのトレーニングは、そのままウェイトシフトトレーニングへと変わりました。
今となれば、エッジさえしっかり研げば、かなり雪と同じような感覚で滑れるようになりました。
そんなモーグルの究極トレーニングとなるウエーブが、白馬五竜のエアフィールドにオープンします。
しかも、ピッチは大屋より短い3.5メートル。
写真は大屋のウエーブです。「まほろば連絡帳 」から、勝手に転載させていただきました。お許しを…。
どうでしょう?
今年はモーグルのターンとエアを、五竜と大屋でトレーニングしてみては?
わたしも今年は燃えていますよ。
めざせ、究極のウェイトシフト。
基礎スキーの世界にも、外向傾姿勢復活の兆しが見え始めていますから…。