【向島文豪散歩道】 | 【かほり放送局】

【幸田露伴】

小説家・随筆家。東京生。名は成行、号は蝸牛庵。電信修技学校卒業後電信技手として北海道へ赴任するが、文学への思いやまず帰京。『露団々』『風流仏』などの作品によって理想派の作家として文名を確立、写実派の尾崎紅葉と人気を二分した。代表作に『五重塔』『一口剣』等。芸術院会員。文化勲章受章。昭和22年(1947)歿、80才。  


【文学碑】

 世おのづから數といふもの有りや。
有りといへば有るが如く、
無しと為せば無きにも似たり。
洪水天に滔るも、禹の功これを治め、
大旱地を焦せども、湯の徳これを濟へば、
數有るが如くにして、而も數無きが如し。
   「運命」より