鹿児島の黒豚は、肉の繊維質が細かいため、歯切れがよくてやわらかいのが特長です。
他にも、水分を多く含み肉がよく締まっている、旨み成分であるアミノ酸の含有率が多いので
「黒いダイヤモンド」、「鹿児島の至宝」と呼ばれるほど重宝され、おいしいと評判が高い逸品です。
脂肪のとける温度が高いためべとつかずさっぱり、臭みがないから脂身さえうまい!
かごしま黒豚は一度食べるとそのおいしさに虜となること間違いなしです。
なんでも飼育後期にサツマイモを与えることがミソだとか・・・

そんなかごしま黒豚の始まりは、江戸時代。
薩摩藩主であった島津家久により、琉球から移入した豚に端を発するといわれています。
幕末の水戸藩主・徳川斉昭公にも絶賛され、あの西郷隆盛もこよなく愛したそうですよ。
肉食の珍しい時代に希少な豚肉を食べていた薩摩の人たち。
精がつき、背が高くがっしりしていた薩摩人はひょろっとした色白の本州の人たちとはまったく体格が違ったというので、食文化は民族文化だなぁとまさに感じることができます。
私の今回の鹿児島ツアーのテーマに、「鹿児島の"黒"を味わう」が根底にあって、もちろん鹿児島グルメの代表でもある"かごしま黒豚"は欠かせません。
黒豚を使ったおいしいランチがいただけるレストランに連れてきていただきました。
「レストラン森小休(しんこきゅう)」です

ゆったりと木漏れ日が射し込む、あたたかい雰囲気の店内。
フレンチらしいクラシカルな品のよさと、ほっとする木の温かさが同居しています。

予約の取れないおいしいランチの名店として有名だそうで、パン、スープ、前菜、デザート、ドリンクつきのカフェランチはセットで1000円。
間に合えばラッキーとしか言いようのない、10食限定の本日のランチにいたっては800円です。
ちなみにこの日の本日のランチは"遊牧豚厚切りローストハム・季節の野菜とベーコン添え"でした。
前日までの完全予約制で、着席してからうかがったら12時から2時までしか空いていないそうで、それもありなかなか予約が取れないのだとか。
メイン料理は、








三ツ星ホテルのシェフの監修で本格派なのに800円~1000円?!
こ、これは採算度外視で予約が取れないはずだわ!
テーブルセッティングを見ても、お洒落なのが伝わるかな?
森小休がリーズナブルなお値段でおいしい黒豚メニューを出せるには理由があり、実は「えこふぁーむ」という農業生産法人である遊牧豚の養豚場がやっているレストランだから。
母体が環境サービスの運営で関連会社で成り立っているということで、この価格帯で提供できているのだそうです。
行政のバックアップもあり、野菜や畜産で地産地消を勧めていくことはもちろんのこと、雇用の面でも地域を活性化させることを念頭に置いた活動をオーナーさんは頑張っていらっしゃいます。
まろやかで野菜の滋味が口の中に広がるクリーミースープ。
ジューシーでしっとりとした生ハムは、今までにいただいたことがないようなレアさ。
パンさえもふわふわ。小麦の香ばしさが前面に出ていてとってもおいしい。
手作りソーセージがどん!と中央にのって出てきてまず驚きます。
肝属豚を使った生タイプの粗びきソーセージ。
160℃のオーブンで焼いたあと表面にフライパンで焦げ目をつけたもので、カリリと香ばしく焼き上げられた皮と対照的に、中からはジューシーでほとばしる肉汁。
科学的添加物を一切使用しないソーセージのぷるんぷるんの噛み応え。
出来立てあつあつを、フォークとナイフで切るのではなく、できれば肉汁をこぼすことなく大胆にガブリ!といきたいほどの弾けそうなソーセージです。
もも肉の厚切りをハム仕立てで。
絶妙な塩味と旨み、甘みさえ感じられる風味豊かなハムステーキは、極上のやわらかさ。
弾力が凄いです。
-遊牧豚柔らかバラ煮込み・赤ワインソース-
脂身さえおいしいといわれるかごしま黒豚の魅力を十二分に引き出したメニュー。
赤ワインで煮詰められることにより角煮のような濃厚さがありつつ、凝縮された脂の旨みが活きています。
素揚げの玉葱もアクセントに。
-遊牧豚こんがりバラロースト・シェリー酒焼き-
シェリー酒を使うことにより、さっぱりとした後味で、この目の詰まった黒豚の繊維が弾力を生むのだなぁとよくわかる一品でした。
ランチとは思えないコースの充実っぷりと木立の中の景色に、時間を忘れて滞在してしまいます。
メインの豚肉の味付けや仕上がり、付け合せたお野菜、テーブルのオリーブオイル、お塩など随所にこだわりが表現されていて、そして何よりこのコスパ!
ワインもそりゃあ進んじゃうでしょうよ(+_+)!
うーん・・・・
素晴らしすぎる・・・・・・・
レストランの前には、放牧場がありました。
お野菜や食材はまずは自家製のもの。もしくはこの町内のもの。
なければ鹿児島市内、それでも見つからなければ九州地域のものと、地域を応援する熱意からなにより地産地消に努めていらっしゃいます。
レジを挟んで向かい側の敷地にはオーベルジュホテル、近くには小売直売所や食堂なども併設し、地域の人を雇い雇用促進もしていらっしゃるのだとか。

<つづく>
レストランホテル 森小休(しんこきゅう)
鹿児島県肝属郡肝付町後田3584-1
0994-65-0206
農業生産法人(有)えこふぁーむ
鹿児島県肝属郡肝付町後田3584-1
0994-31-5758
森小休 (フレンチ / 鹿屋市その他)
昼総合点★★★★☆ 4.0
鹿児島県「かごしまの魅力」
鹿児島県観光サイト「本物。の旅かごしま」