昨日は神戸スターボール大会でした。
応援していただいた皆様、ありがとうございました。


先月の岡山でひさびさに西部の試合(支局コンペ)での決勝をはずしてしまっていたので、今回は最低でも決勝入りの奪還を、そして昨年私たちは3位でしたが、昨年優勝の木下先生が今回は出られないので、それ以上の順位を目標に臨みました。


そして今回、会場でご覧になった方はビックリしたと思いますが、佳奈先生、髪をばっさり切ってショートにしました。


以前から「何か個性を出したい」と考えていたようなのですが、思いきって昔のロレインやヘイゼルのように短くしてみたところ、意外と似合うと好評だったようです。
皆と同じ横並びのスタイルではいつまでたってもポジションは同じまま。「攻めの姿勢」です。


ところがところが。
色々準備したにもかかわらず、金曜日に佳奈先生、風邪ひいて熱が出ちゃいまして。

当日ようやく治ってきたものの、まだ多少熱が下がらず、意識朦朧としたままの試合となりました。


さて試合の方は、いつも良い成績を獲られている先生が何組か早めに落ちてしまうという、波乱含みの展開となりました。
何せ一次予選からフルマークで上がる選手がいません。審査員の点、ばらばらです。
つまりは皆、僅差です。
何か隙を見せたら落とされるかもしれないが、良い方向にくつがえすことができるかもしれない、チャンスのある試合だと思って踊りました。


個人的には、夏の間に、このバランスを使って踊ればもっとよくなるんじゃないかな?コーチャーの先生に言われていたことってこういう意味じゃないかな?と気づいたことがありましたので、それを実戦で試すつもりで踊ってみたのですが、なかなかいい感じでハマります。

混雑しているところではアドリブも効くし、コントロールが良くなったのでまわりもよく見えます。

佳奈先生の体調もなんとかもっているようで、お、今日はいけるんちゃうか?と思いながら踊っていました。


さて準決勝が終わると、結果がいつまで待っても張り出されません。

どうしたものかと思っていると、どうやら、いきなり読み上げて発表し、一人ひとり、紹介のソロダンスを踊る形式にするということ。

タイムテーブルに載っていなかったので驚きましたが、面白い形式です。

こういう形、JBDF西部の試合では初めてではないでしょうか。

私自身は、学連の試合(西日本、全日本の決勝)や、2006年の名古屋インター決勝で経験がありましたが、自分のダンスをじっくりアピールできるので、それこそいつも通りの印象をひっくり返すことができるかもしれない形式と言えます。が。


いよいよ発表。
私たちは二番目に無事コールされ、タンゴのソロを踊りました。
しかし、私が踊り始めでちょっと音楽の構成に合ってないタイミングで踊り始めてしまって(私のタンゴのルーティンはぜんぶ、音楽の8小節区切りで作ってあるのです)、合わすために途中ちょっとアドリブを入れたら、佳奈先生、もう踊り終わりかと勘違いして、踊るのをやめちゃいました…

おいおいおい。

でも、どうやら本人、ここいらがちょっと限界だったみたいです…。


そして6組が踊り終わったあと、通常の5種目戦がスタート。

お客さんからの反応もよく、私たちも最後まで笑顔で踊れましたが…

でも通常なら、まわりが疲れてくる後半種目でスピード全開のチャージをするのが私たちの持ち味であるのですが、今回は正直、佳奈先生もうちょっと力が入らなくなってきている感じでした。

私もできるだけカバーしようとは思ったのですが、あー、ちょっとあかんな~という感じで、Qなどはフルスピードが出せず、いつになく慎重に踊って終わってしまいました。


それでもまあ望みは持っていたのですが…

結果は4位。

今回は香川大会のように1位を獲れた種目もなく、いつも通り工藤組・松本組のあとが定位置という感じでした。

そして大躍進、一気に優勝を獲ったのは、地元神戸の大声援を受けた濱田哲平・増田唯組。

哲平先生は私と同じ年にA級に上がったメンバーの一人ですが、今年からニューパートナーと再出発され、嬉しい初優勝です。

また、若手で新婚の本所組が、初めてファイナルに上がり第5位でした。


私たちは前回の岡山で逃したファイナルをちゃんと奪還できたという意味では、佳奈先生も体調が万全でない中、根性を出してがんばってくれたおかげで、目標のうち最低ラインはクリアできましたが、今回、私たちにとってもひょっとすると、いつもの順位をひっくり返せる可能性があったかもしれないのに、それをものにできるところまではできなかったという点では残念でした。


同時に、こういう、ひっくり返るということが起こりうるんだという点では、個人の想いではなく大局的に見れば価値のある試合だったと思います。


ダンスの試合というのは、正直そうそう逆転というのは起こりえません。審査員の顔ぶれが違っても、試合のたびに順位が変わるということはなかなか起こりません。

ひょっとしたら審査員の先生がまっさらな心で審査されていても、心のどこかに「誰が過去チャンピオンになったことがあるか」という情報を知っていれば、絶対にその先入観が影響しないとは言えないのではないでしょうか??

また、チャンピオンになったことがある選手は、「自分はチャンピオンである」ということが自信となり、チャンピオンのオーラを発して、堂々と踊ります。それがほかの選手に対するアドバンテージになると思います。


技術の上手下手という点では、はっきりいって下手な選手というのはいないと思います。みんな上手いです。でも技術的なレベルが均衡しているときに勝負を分けるのは、その程度の心理的なわずかな差だと思います。


ロンドンのリチャード先生にも繰り返し言われました。ダンスはメンタルだと。

そのときはその重要性がさっぱりわからず、そんなことよりももっと技術を教えてほしいのにと内心思っていたのですが、今となっては意味がよくわかります。


そんなわけで、波に乗って勝つ人は勝ち続け、それによってさらに自信を深め、明るく、踊りが堂々とし、さらに周りに認められていくという循環に乗っていく。チャンスをものにする人というのはそういう流れがあるように思います。

だから波乱というのはなかなか起きにくい…。


かといってまったく波乱が起きないと、お客様にとってはつまらないものになるでしょう。

判を押したように同じ結果だと、またかと思って、盛り上がらない可能性があります。

ブラックプールでも今回こそミルコが1位に返り咲くと信じる人々が、2位で呼ばれたときにブーイングを発するようなものです。

チャンピオンになったらなったで、今度は観客に飽きられないように進化し続けなくてはならないという宿命もあると思います。日本人は判官びいきが大好きですが、これは世界共通なのかもしれません。もし、進化が止まり、飽きられてフレッシュなチャレンジャーに喰われたら挽回するのは大変でしょう。

ただのチャンピオンではなく、「グレートチャンピオン」と称される人は、そうやってチャンピオンになってからも絶え間なく努力されたのではないかと思うのです。

どちらにしろ、ダンサーとは、かくも終わりのなきものです。


さてそんな中、今回はA級戦においてたくさんの波乱が起きた試合でした。

最期まで誰が決勝に上がれるか、選手もお客様もわからなかったでしょう。

また、ソロ決勝もあって一組一組をじっくり見比べることもでき、お客様は誰が優勝するのだろうかとドキドキしながら観戦されていたと思います。

こういうのがいいなと思います。

野球の試合と同じで、誰が勝つかわからないからこそ、応援って本気になれるじゃないですか。わざわざ見に来る価値が高まっていくほど、お客様だって増えるかもしれません。


ソロ決勝もどんどんやってほしいです。今回は紹介のみでしたが、審査対象になるソロ決勝もあっていいし、日本インターみたいに規定フィガーがあっても勉強になっていいと思います。

日本インターはNHKの放送がなくなってしまいましたから、絶対に需要があると思います。


一選手として自分の成績を考えるだけだと、ハードルが上がって大変です。私だって早くチャンピオンになって連戦連勝できるほうがいいに決まっています。

だけど業界全体の盛り上がりを考えるなら、今回みたいに、誰が勝つかわからない、波乱の起きそうな面白い試合というのも必要だろうと思うのです。

今の西部のトップファイナリストはもはやタイトル戦以外はあまり出場されない先生も多いです。しかし、トップクラスがいない試合はつまらない、と思われたくないです。

その次を狙う選手が、ぎりぎりの戦いをしていますよ。

あなたの応援ひとつで順位が入れ替わるかもしれませんよ。

そうお客様にはお伝えしたい。

そういう状況なのだと改めて思いました。


今回は反省点山積みですが、私も早く優勝して「次」を狙うための名乗りを挙げたいのです。

哲平先生みたいに地元の応援という意味では、山口県は九州総局になってしまうので試合に出るのは無理なんですが、せめて岩国に近い広島の試合では、岩国の皆様ご声援よろしくお願い申し上げますm(_ _)m




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