第47話 光る子の 伝 承 | 《 ヤ ー の 森 》 アドファン絵本的小説

《 ヤ ー の 森 》 アドファン絵本的小説

この物語は、八ヶ岳に住む森の妖精ヤマネのヒーロー(光る子)
が超能力に目覚め、宿敵ブラックエアーとの戦いに挑みます。
それを 森のレンジャーMr.F が、優しく成長や 活躍を見守り
その数々の伝説を語っていきます。




この日が来るのは、800年前から決まっていた。

ヤー兄弟達が、三石大明神へ行くことである。

誰が決めたかは、分からないが ・ ・ ・ 。

何故?しいて言えば、現世の要求であろう。

この世を、再び <末法の世>にしてはならない。

色々な力が混ざり合って、この世は成り立っている。

ブラックエアーの力が増大してる事に、関わりがあるみたいだ。



今まで来た道を戻っていた、距離は約30kmある。


上空を飛びながらヤッ吉は、富士山へ来てからの出来事を反芻していた。
ここに来るまで、様々な人々と出逢い、協力を得てきた。
本栖湖で ドラじいに出逢い、一つ目の勾玉を手に入れたこと。
富岳風穴や富士風穴へ行き、謎を解いてきたこと。
西湖 蝙蝠穴では ウサリンに出逢い、西湖で 二つ目の勾玉を手に入れたこと。
忍野村で ゴン太やサクヤ姫に出逢い、三つ目の勾玉を手に入れることが出来た。


思い浮かべると、楽ではなかったが なんとかやってきた。
そして 自身、この旅をとおして成長してきた事が嬉しかった。


 河口湖・西湖・精進湖・本栖湖を右手に見ながら、青木ヶ原上空を通り

 朝霧高原に入り 今は田貫湖上空、長者ヶ岳 まもなく三石山となる。

 山頂にある三石大明神が 見えてきた。

三石大明神-再び

 鳥居と神殿の間に、降りた。

 ヤッ吉は、誰かに呼ばれている気がした。

 「 みんな、こっちへ 行ってみよう!」
 導かれるままに動いた。
 ヤッ吉は、三石のうち 中央にある巨石の前に立ち止まった。


 すると、その石面に
文字が浮かび始め
 それは、みるみるうちに表記され  全文が読み取れた。

三石に現れた文字 
 
「 ヤッ吉はん、これは。」
源さんが驚きながら言った。

「 これは、光る子の御先祖様が、書き記したものよ!!」
ヤッチは 目をつぶって、この巨石と対話していた。

「 この勾玉の星マークは、なんだろう?」
ヤー坊は、不思議に思った。

ヤッ吉は、石文を解釈しようとした。
再び黒き雲現われし頃 これは、現在の状況を差している。
  この石に再び力が湧き宿るであろう ここが理解できない。
  ともかく、星マークとは 何か関係がありそうだ。」

「 御先祖様は、<勾玉を星マークに押し当てよ>と 言ってるわ。」


「 そういうことか。みんな、やってみよう!!」

 三人は持っている勾玉を、石面にある星マークに押し当てた。
岩の星マークに勾玉をあてる
 すると、トコ・トコ・トコと、音が鳴り始めた。
 それは脈を打ち、手に振動を伝えた。

 三十秒くらい経ったその時、三つの星が一斉に光った。
 一瞬ではあるが、目がくらむほどであった。

正のエネルギーが注入されたようだ。
まばゆいほど勾玉が光っている。

早速 首にかけてみると、心が温かくなった。
御先祖様が、体内に入ってきた気がした。
そして、このようなものを 残してくれた事に感謝した。

「 御先祖様は、こう言ってるわ。」
< お前たちは、これで本物の光る子となったのだ >

これが、光る子のDNAが伝承 された時であった。

「 やった~ これで僕らは、光る子になったんだ。」
三人は喜んだ。これで、ヤーじいにも いい報告が出来る。




さて、あと残された課題は
八ヶ岳へ どうやって帰るか?だが。
ヤンマおじさんの御先祖様と 同じルートで行くには
また、忍野村に戻り 山中湖に行かねばならない。


三人は、手をつないだ。

そして 心を一つにしてみた。

思考能力も含め、体には不思議な力が宿っている。

勾玉の大きな力も加わり、すべてが解決すると思われた。


風が見えた すべての風が、富士山に吹く風がハッキリと見える。

日本最高峰 富士山 剣ヶ峰、3776m地点に風が通っている。

その風は、八ヶ岳まで一本に伸びた< 帰途の風 >である。


ヤー兄弟達は、源さんの背中に乗って、一気に剣が峰を目指した。

そして、その富士山の上昇気流を捉えた。





ついに、光る子になったか。
これから、本当の戦いが始まる ・ ・ ・ 。
( 森のレンジャー Mr.” F ” )
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 第三章 平和の使者へ つづく