これを書くべきか否か・・・

もう、この街に住んで随分と長い。
長い中でずっと気になっていた店。
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今日はこの冬はじめて雪が降った。ネックウォーマーに手袋をしていても外気が冷たく感じる。大船の笠間口からセサミスポーツを抜けさらに、笠間十字路方面に歩く。大船の駅前の繁華街と違い、昔からの一戸建てとマンションが多くなる。
浜船は道沿いにはあるが目立たない地元住民御用達の店だ。
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「こんばんは」
店に入るとカウンターがあり、その向こうに女将ともう一人の女性がいる。
僕が本日カウンター初客みたいだ。
「はじめてですか?」
「はい、このあたりのマンションにいまして、先輩からこのお店のことをお聞きしていました」
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カウンターの奥側に部屋があり、ふすまで遮られているが、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。店内は静寂で会話も酒の肴となる。
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カウンターのGケースには煮物と魚介、焼き鳥の串が用意されている。
「ビールの生をお願いします。それと・・・」自分の目の前の煮物に目を遣ると、
「じゃあ、煮物を何点か盛り合わせにしちゃいましょう」と、女将さん。
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煮物は、
ふき、たけのこ、青菜、人参、おから、さといも。
なんか懐かしい味わい。おふくろ料理がベースかもしれないが、どれも美味しいので酒が進む。とくに、おからは少し甘めでまったり、さといもは特有の粘りと甘辛の味付けに柚子の香りが効いている。『あぁ~おいしい・・・』

その後何人かの客が入って来て、カウンターに席を取る。いずれもお馴染みさんで、女将さんは名前で呼んでいる。
客が増えてくると、宴会客からの追加注文も含めて一気に忙しくなる。
そんな光景が目の前にあるので、こちらも注文のコツを覚える。
「きんめを・・・」「僕もきんめをお願いします。ついでに熱燗一つ」
相乗り注文で仕事の流れをつくる。これで女将さんも客も手間や待ち時間を少なくする。
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きんめの兜煮は朝になると煮こごりになるらしい。これを暖かごはんで食ったら最高だろうな・・・。
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そうこうしていると、女将さんからも提案がある。
「イワシの梅肉揚げを作るけど、いかがですか?」と、カウンター客へ。
「僕もお願いします」
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もう一人、僕の隣りに客が入って来た。女将さんへ注文のことばのイントネーションに関西弁が入っている。
「関西ですか?」
「神戸です。一年前に越して来ました」
神戸の震災や街の話に、大船の街や魅力について話がすすむ。
女将さんとの会話だけでなく客どうしの会話も酒の肴となる。
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ついつい、飲みすぎる家族のような温かみを感じる店で美味しい酒の肴。
僕が、「また、来たい。今度は仲間を連れて来たい」と思った印象深い店。

心まで暖かくなった。



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浜船 (レストラン(その他) / 大船駅
夜総合点★★★★ 4.5