電子書籍のメインは作家と読者
利権だけ主張する出版社にウンザリ

先日ユーストリームで「電子書籍を考えるフォーラム」というトークショーを観ていたのだが、出版関係者の電子書籍論なんて、会社ありきの発想で、まだ出版社が電子書籍の世界でも中心にいるような発言でガッカリした。出版社は、なくなる前提で云わないと話にならない。

雑誌編集者も紙の雑誌の形態を電子化して、それに動画や通販のリンクなどを付加して行く発想なのだ。後は「雑誌広告のクライアントがどう反応するか」などということに終始していた。
この人たち、出版社という大きな会社の発想ではなく、編集部という小さな会社の発想はできないのだろうか?それと、ネットでの課金システムなどの集金方法などは、みんな疎い。編集者がそこまでのワークフローで考えないと雑誌の電子化はありえないよ(笑)。それがツボでしょう!
企画制作と課金徴収のシステムを単体のグループで可能にしてこそ、電子雑誌だということを分かっていないんだよね。その分、間接経費を縮小するということなんだよね。
ただ、紙の雑誌の形態である必要があるかというと、オイラは疑問があるけどね。ネットと同じ横組み、もっとハッキリ言うと、WEBデザインと同じでいいんじゃない?ツーことなのだ。奇麗なWEBデザインの雑誌(マガジン)が出ればいいだけのことでは?

出版関係者の話は、現在の会社ありきの話だから、電子書籍に対してのリアリティーに欠ける。もっと個人レベルでの発想をしないと、ものごとの全貌を把握するのは無理だろう。
確かに予定より早くアマゾン、アップル、グーグルの電子書籍の"黒船"が、市場開放のスケジュールを急かしているのはわかるが、今まで何もしてこなかったのだから無理な話なんだよね。
今さら統一規格を話し合うなんて、すでに終わっていないと可笑しいでしょう?アマゾン、アップルの規格に準ずるしか手がないのに。そうそう、独自規格で電子書籍ビュワーを出すなんてリリースしていた家電メーカーの参入もありますが、そんなの誰が買うツーの?ハードやソフトを売るための規格じゃなくて、出版物を未来に遺すための規格統一で考えて貰いたいものだ。多数の規格が混在し、手持ちの電子書籍ビュワーでは読めない本が出てくるのだけは止めてほしい。

物事は単純なんだよ。電子書籍がポピュラーになれば、どの会社がいらなくなるかということ!今騒いでいる「電子書籍論」をぶっている出版関係者の人たちって結局、そういう会社の利権担当広報マンだということなのさ。ホントに考えているところは、すでに人員を小人数にして企業改革を進めているところだけだよ。
考えてごらんよ「やはり紙の本は残ると思う」なんて言っているけど、その昔「やはりアナログレコードは残る」と言っていた大手レコード会社が、一番早くアナログレコードから撤退したんだよ。今でもアナログ盤を作っているのは、小さなインディーズレーベルだけなんだよ(笑)。日本の企業ってそんなもんなんだよね。コストが合わないと作らなくなるのさ。ん~、最近の輸入盤CDが1,000円というのは、本来の適正価格なのかもね?音楽配信が露呈させてしまったのかも知れない(笑)。
そのうち残った書店には小さな出版社の本しか並ばなくなるよ。今と逆転するんだよ。紙の本が残る未来像はアナログ盤の現状と同じくらいだと思った方がいい。書店の数もアナログ盤を扱っている専門店と同じ数くらいになるんだよ(なくなってはいないからね/笑)。

答えは簡単さ!何がどうなれば、
もっと本が読みたくなるか、読もうと思うか?
内容が良ければ、紙も電子書籍も関係ないよ
それを適切な方法でリリースすればいいだけ
それが編集者の仕事なんだよ

リリース方法が増えただけ、作家や編集者は喜ぶべきことだと思うよ。全国で10冊くらいしか売れないと思えるマニアな本だって作れるわけだから。当然その場合は、価格は高くてもいいんだよ(笑)。「この本は10冊しか売れないつもりで価格設定がされています。それ以上売れたら、差益は返却いたします」ってね(笑)。