久しぶりにFM放送を聴いた
ずいぶん音が変わっていた

ジャズ友のNOさんに使わなくなったFMチューナーをあげる約束をしていたので、しまってあったFMチューナーを取り出して動作確認をした。あれ~、昔のFM放送の音の質感とかなり違うぞ!!オイラの好きなHi-Fiな音じゃないぜ(笑)。

$Tommy's Jazz Caf'e ジャズブログ
TRIO KT-80/FM専用アナログチューナー(1980年)

昔懐かしいFMの音が聴けると思ってドキドキしていたのだが、全然懐かしい音じゃないんだよね。かなりスッキリ、ツル~ッとした音質に変わっていたのだ(音が暖かくないのだ)。
ん~、こんな音を夢中になってエアチェックしていたとは思えないなぁ~(泣)。
「tommyさん、それは放送局の機材が全てデジタルに変わったせいですよ」と教えてくれたのは、ミュージックバードのディレクターのOさん。Oさんは、油井正一先生のFM番組「アスペクト・イン・ジャズ」の現場にも関わっていた方なのだ。
Oさんが言うには、「放送局の機材が、ほとんどデジタル機材に変わって、再生周波数帯域を厳密に守るようになったから」と教えてくれた(管理チェックも厳しくなったらしい)。
「昔はテープ録音、編集だったのでオーバーレベルの録音があっても、それを修正している時間がなくて、波形がかなりデコボコしていた。今は規定内にすっきり納められています」
「それ以前に、CDに替わってレコード会社自体が、CD製造時の再生周波数帯域を厳密に管理しているので、音源によるデコボコ感がなくなったんですよ。それ以上に変わったのが、音声データの圧縮技術です」ということらしい。
整理すると、FMの再生帯域30Hz~16kHz(だったと思うけど)の中に、きっちりお行儀良く納まっているのが現在のFMの音。さらに音声圧縮をかけるので、さらにツルッとしてしまう。
ん~、レコードとCDの音の違いのイメージだな(笑)。
さらにOさんが云うには「昔はレコードだったので、針圧とかの調整に現場独特の技があって、オーバーレベルになっても、音がいいからOK!って感じだった。放送後、リスナーから"自分が持っているレコードよりも音がいい、どこで売っているんだ"との問い合せもあったらしい」とのこと。
なるほどね!人力こそが、FMのHi-Fiの秘密だったんだよね。
最後に「ジャズはまだいい方で、クラシック好きな方は泣いています。クラシックってFMでしか放送されないライブ・コンサートが、今でも根強く残っていますから」だそうです。
なるほど!クラシックのオーケストラのダイナミックレンジの広さは、ジャズの比じゃないからね。こりゃ泣きますよね(笑)。

久しぶりに聴いたFM放送でも、これだけのことが分かるのだから「音の世界」の今は面白い!!
これからも、Oさんにいろいろ聞いて「放送の音、今昔物語」のレポートしま~す。

●いっきさんからのコメント
■音質が変わったんですか。
FM放送の音質が変わったんですか。
なるほど~。
デジタルの影響がこんなところにも出ているんですね。


◎音質的には、かなり変わったようですよ。きっと、時間をかけて徐々に入れ替わってきたので、問題にする人は少なかったのだと思いますが、すでに昔の作法で録音、編集できるエンジニアも少なくなっているはずです(今はディレクターA嬢が自ら編集する時代ですからね)。
オイラは30年ぶりに聴いたので「アレ~ッ?」って思ったのですが、毎日聴いている人は気がつかないと思います。いや~、悲しいけど仕方がないですね。
おそらく当時よりも、人間の耳には聴きやすくはなっていると思います。問題は圧縮技術の進歩で、かなり圧縮されているとのこと・・・レベルとしては、MP3の音質と変わらないのではないでしょうか?今度、Oさんの感想を聞いてお知らせします。