シンガーラ教誡経のススメ(チェックリスト付き)

富永です。

ブッダの教え、つまり、仏教において、

在家(一般人)向けの成功法則があります。

シンガーラ教誡経。


日本だと一部僧侶あるいは仏教マニアが「六方礼経(ろっぽうらいきょう)」として

知っている程度というのが誠に残念なところ。


ブッダの(成功法則の)凄いところは

今世でも来世でも成功しなさい!!

という具合に、スケールが断然違うんです、

後発のアメリカ発の自己啓発とかとは。



陸上競技の100mでよい記録を出すには、

150m走るくらいの勢いで駆け抜けることになります。

人生においても、「死ぬまでに…○○したい」といった

天井だかゴールを設定せずに、

もっと先を見て駆け抜けることが大事なのではないでしょうか?

(目標設定に慣れていない方は、
具体的な低い目標からはじめるので結構かと思いますが、
それなりに場数をこなしてきた方の場合、目標達成後に燃え尽きてしまいがち。
燃え尽きないようにするには、さらに高い目標を持っていた方がよいかと)



ブッダって、生きとし生けるものに対してのメンターなんです。

お経というのは、ベストプラクティス大全というか、

ケーススタディ集なんです。もともとは。

が、日本だと宗教になっちゃいました。残念なことに。



今回はシガーラ教誡経のことが書かれているこの本から

目次＋αを抜き出してみました。


詳しいことは最後のほうに関連書籍を記しましたので、

興味のある方はそれらを参考にしてください。


この話のあらすじをちょっとだけ書いておきますと、

六方というのは、東西南北に上と下という6方向のことを意味します。

シンガーラという青年が父の遺言通りに

毎日毎日6方向に向かってお祈りしていたところに、

たまたまブッダが現れて

ただ意味も知らずに形だけお祈りしていたシンガーラに

本当にすべきことの解説をはじめたのです。

1. 六方お勤めの準備をする

汚れた行為4つから離れる
　　　　　・殺生　　・盗み　　・よこしまな行為　　・嘘

悪事にはまる心理状態4つに気を付ける
　　　　　・好み　　・怒り　　・無知　　・恐れ

財産が消える穴6つに落ちない
　　酒に耽る

1. 目に見えてお金がなくなる
2. 喧嘩ばかりする
3. 万病のもと
4. 名誉を損なう
5. 陰部を露出する
6. ばかになる

　　夜遊びに耽る

1. 自分を護れない
2. 妻子を護れない
3. 財産を護れない
4. 嫌疑をかけられる
5. あらぬ噂がとぶ
6. あらゆる苦しみに直面する

　　集まりごとに耽る

1. 踊り
2. 歌
3. 演奏会
4. 話芸・漫才
5. 手品
6. 打楽器演奏

　　賭けごとに耽る

1. 賭けに勝つと敵が増える
2. 賭けに負けるとお金がなくなる
3. 賭けごとに耽るだけで目の前からお金が消える
4. 賭博師の話は信用されない
5. 賭けごとに耽ると親族や友人に疎まれる
6. 賭けごとに耽ると結婚相手として望まれない

　　悪友に親しむ
　　　　　　　悪友6種

1. 賭けごとをする人
2. 遊び人、「通」(耽溺者)
3. 大酒飲み
4. 詐欺師。すごくきれいに、だます人
5. はっきりとだます人
6. 乱暴・凶暴な人

　　怠けが身に付く
　　　　　　　怠け6種

1. 「寒すぎる」と言って、仕事をしない
2. 「暑すぎる」と言って、仕事をしない
3. 「朝が早すぎる」と言って、仕事をしない
4. 「もう遅すぎますから」と言って、仕事をしない
5. 「お腹が減りすぎて死にそうだから」と言って、仕事をしない
6. 「もうお腹がパンパンで動けないから」と言って、仕事をしない

2. 親友と親友のニセモノを見分けよう

ニセの「親友」は4人

1. 持ち逃げ屋
2. 口先だけの友だち(おしゃべり屋)
3. おだて屋
4. 悪いことをするときだけの友だち(地獄への呼び込み屋)

心の友は4人

1. 兄のような友だち
2. 双子のような友だち
3. 先輩のような友だち
4. 姉のような友だち

3. 六方にお勤めをする

東は両親

　　両親に5つのお勤め

1. 両親に育てられたのだから、私は両親の面倒をみます。
2. 両親の仕事・義務などを私が継ぎます。
3. 両親の家柄を守ります。
4. 両親の財産をきちんと管理します。
5. それから両親が亡くなったら、亡き人びとのために供養・廻向してあげます。

　　両親が5つのお勤め

1. 悪いことをやめさせる。
2. 善いことをさせる。
3. 学ぶべきことを教えてあげる。学問をさせる。教育する。
4. 適した相手を探して結婚させる。
5. よい時期になると、家の財産も全部ゆずる。

南は先生

　　先生に5つのお勤め

1. 先生が来られると立ちます。
2. お世話をする。
3. よく言うことを聞く。
4. お供をする。
5. しっかり勉強する。
   

　　先生が5つのお勤め

1. 道徳をちゃんと教えます。
2. ちゃんと勉強して理解したかどうか、とことん試す。
3. 学問をきちんと、明確にたたきこむ。
4. 先生の友だち・仲間に弟子を紹介する。
5. いろいろな方面で護ってあげる。
   

西は家族

　　奥さんに5つのお勤め

1. 誉める。尊敬する。
2. けっして貶してはいけません。
3. 不倫してはいけません。
4. 奥さんに家の財産を一切任せてください。
5. 装飾品をプレゼントしなさい。
   

　　奥さんが5つのお勤め

1. 家の仕事をきちんと整理してちゃんとやる。
2. 家のほかの人びとのことも自分がきちんと面倒みる。
3. 不倫はしません。
4. 財産を守る。
5. どんな仕事でも上手に、すぐ、文句を言わないでこなす。
   

北は友人

　　友人に5つのお勤め

1. お布施する。協力すること。
2. やさしいことばで語る。
3. 役に立つことをしてあげる。
4. 平等でいる。
5. 裏切らない。
   

　　友人が5つのお勤め

1. 自分がどうしようもないとき助けてくれる。
2. 自分がどうしようもないとき財産を護ってくれる。
3. 問題が起きて困ったら助けてくれる。
4. 不幸になっても離れません。
5. 友達の後ろの人びとまで尊敬する。
   

下は雇い人

　　雇い人に5つのお勤め

1. 自分が雇っている人びとの能力に合わせて仕事を頼む。
2. ちゃんと生活できるくらいの給料をあげる。
3. 病気になったら面倒みてあげる。
4. 自分に珍しいものが手に入ったら、雇っている人びとにも配ってあげる。
5. 時期をみて休みをあげる。
   

　　雇い人が5つのお勤め

1. 早く起きます。
2. 後で寝ます。
3. 与えられた給料だけもらう。
4. 仕事は上手にこなす。
5. 自分の主人を誉める。
   

上は出家者

　　出家者に5つのお勤め

1. 慈しみにもとづいた身体の行為をします。
2. 慈しみにもとづいたことばで話します。
3. 慈しみにもとづいた考え方をします。
4. 出家者に家の扉を開けておきます。
5. 食物をお布施します。
   

　　出家者が6つのお勤め

1. 悪いことをやめさせる。
2. 善いことをさせる。
3. 善い心で心配してあげる。
4. 聞いたことのない真理を教えてあげる。
5. 真理を知っているか、覚えているか、調べてあげる。
6. 天国への道を教えてあげる。

というわけで、

遺言だからと意味もわからず祈っていたシンガーラに、

具体的な人間関係の極意のチェックリストをブッダが伝授したわけです。


「奥さんに装飾品をプレゼントしなさい」とか

本当に具体的すぎますよね。


家族とかビジネスパートナーとか、

選んだりする際の基準として、

常日頃から見直すべきこととして、

このチェックリストを活用してみるのもよいのではないでしょうか。



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