ファウンテン 永遠につづく愛(2006米)-TIFF招待作品 | CINEPHILIA~映画愛好症~

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気づいたら11月。もうすぐ1年終わっちゃいますねー。今月はフィルメックス見に行かれたらと思ってます。

ファウンテン1 ファウンテン2


(昨年の東京国際映画祭の際の感想ですが、間もなく?公開なのでもってきました)
米国でもまだ公開されていない作品(11月22日公開予定)。今回、TIFFで人気のため追加上映が夜に組まれました。その半数近くはFOXのご招待(懸賞)だった様子。私もキャストのよさでチェックしていた作品だったので、友人に誘ってもらい、行ってきました。

上映前にダーレン・アロノフスキー監督ニック・ウェクスラー氏(プロデューサー)の舞台挨拶がありました。ニューヨークから到着早々、舞台挨拶に駆けつけたとか。この監督さん、レイチェル・ワイズの(今のところ)婚約者で、既に6月頃男子が産まれています。なんとも楽しそうな人でした。司会の襟川クロさんが作品について「日本人には理解しやすい作品だと思いますが…」と言っていたのが、鑑賞後に引っかかりました。本当にそうですか??


男は自分が愛した女性を守るために、1000年の間戦い続けてきた。16世紀の征服者、現代の科学者、そして26世紀の宇宙飛行士と姿を変えて、彼は永遠の命の秘密を探し続ける。(シネマトゥディ)


なんじゃこりゃ、というのが最初の感想でした。3つの時代のトムが、シンクロするように少しずつ映されています。段々詳細が分かっていくようなつくりになっているのですが、エンドロールが流れる頃にも、結局なんだったのか…死と生の本質についてたどり着かなかったように思いました。何だか言葉で説明していても、

それぞれのエピソードが断片的で、言葉が表面的で、何も伝わってこないのです

ただ分かったのは、トムはイズーがとても好きなのねドキドキ、ということくらい。君の必死な気持ちは分かるけれど、余命数週間の彼女を救うのに、サルの腫瘍実験程度ではとても間に合わないのよ。サルだけでも何ヶ月とかかる仕事なんだから…残念。(結局、スペインの女王イザベルと、現在のイズーは別人?あの「The Fountain」のお話は、彼女の潜在記憶だった?)

とにかく不思議なんです。私はちょっと「THE MYTH」を思い出しました。夢の中で過去の話に戻るような感覚が。そして過去は「ナショナル・トレジャー」だか「インディ・ジョーンズ」みたいな宝探し系になっているし、伝説の樹液をつけたらまるでホラー映画。現在は現在で、レイチェル・ワイズはとても「ナイロビの蜂」のイメージを引きずっていました。あの長い髪をなびかせて笑うリフレイン映像は、「ナイロビ」のお下がりフィルムかと思うほど。ラスト近くはほとんどセリフや解説がなく、「とにかく心の目で味わって」という映像が続きました。少しの時間、気を失っていたかも…。

監督さんは「6年じっくりと寝ずに映画作りに励みました」とコメントしていましたが、実はキャストともめて一時中断していただけなのよね。(当初、高いギャラでブラッド・ピットxケイト・ブランシェットを押さえていたらしい)ブラピだったら、違った映画になっていたかしら。9月のベネツィア映画祭では酷評されたとか。しかしIMdbでは高評価。人それぞれという点では注目の映画なのかも。


7月14日(土)より銀座テアトルシネマ他にて公開予定
満足度:★★★☆☆☆☆☆☆☆