有川 浩
レインツリーの国

この本、長女が買ってきて読んだのを貸してもらった。

子供の本を「貸してー」って言うの初めてで嬉しかった音譜

「図書館」シリーズを私が長女に勧めて

みごとにハマってくれたのよ。


「図書館内乱」の表紙にも描かれているこの本は

小牧から毬江ちゃんに送られた大事な本、と言う設定。

このお話も1冊の大事な本「フェアリーゲーム」をきっかけに

伸とひとみがネットで知り合うという内容で。


メールだと普段言えない事も書けてしまうってのはあるよね。

思い入れの深い本の感想を送り合ううちに

ひとみに恋心を抱く伸。

実体のない空間で始まった思いが現実になった時に

ひとみの聴覚障害が分かり、気持ちがすれ違ってしまう。


でもさ、伸がいいやつでよかったよね。

「善い人」でなく「いいやつ」。

最初から自分の気持ちを真っ直ぐに伝えて来たから

どんな負の気持ちでも正直に伝えられて、

伸の言葉にひとみも応えて真っ直ぐになる。

ハンデも心の嫌な部分も全部ひっくるめて「自分」で

「全部良い」人も「全部悪い」人もないんだよね。


ひとみが髪を切りに行こうと決心する辺りから

伸との気持ちがうまく寄り添ってきて

未来の二人を応援しながら最後まで読んだよ。

短期間でそんなにうまくいくとは限らないよね。

だけどきっと大丈夫だと思う。

だって心の深いところでちゃんと繋がってるって

信じられるから。


「図書館」シリーズもこの作品も

本を愛する気持ちがいっぱい詰まっている。

待ち合わせ場所が本屋さんで

それも「フェアリーゲーム」の棚の前で、ってのがいいよね!

あ~~~独身時代、こんなの真似したかったなぁ・・・。


あとがきの次、参考文献に笹本祐一さんの「妖精作戦」という

本が載っているのだけど

これが「フェアリーゲーム」の元なのかしら。

有川さんがハマったとしたら、読んでみようかなぁ。




読後満足度   ★★★