こんばんはー!マックです。


※この話は蓮キョ結婚後設定です。

熱中症によるキョーコ記憶喪失のお話し。

途中は色々と辛いですが、ラストはハピエン確定。




皆様、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしくださいませ。



今回、再びオリキャラが登場です。

しかも蓮にめっちゃ絡んでます。

オリキャラが苦手な方はご注意くださいませ。

(でもね、妹分が大変な目に遭ったら姉は黙ってないんす・・・)






゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚







蓮が社長の応接室のあるフロアーから一般階へと降りてくると、真っ青な顔をした社の前でどーんと仁王立ちをする棚瀬がいた。


「敦賀くん、ちょっといいかしら。」


他の社員の目もある為か、普段大きな棚瀬の声量は抑えられているが、その声音は確実に怒気を孕んでいる。

背後の社は情けない声で「あ、愛ちゃんお手柔らかに・・・」とオロオロするばかりだ。


何故棚瀬が自分を待っていたのかは、上で社長と話してきているのだから蓮もわかっている。

「わかりました」と素直に答え、同じフロアー内にある会議室まで連れて行かれた。


この部屋は重要な会議も行う部屋であるから防音も完備されている。

ぱたむと扉を閉め鍵も閉めた所で、棚瀬はキッときつく蓮を睨んだ。


「敦賀くん・・・私、キョーコちゃんを本当にすごく大事に想っている貴方だから、退院後の身を寄せる場所に社長の家が上がっても、貴方の手伝いをすると言ったのよ?

それがどうしてこうなるのよ!」

「本当にすみませんでした。」

「すみませんでしたじゃないわ!キョーコちゃん、本当に怯えていたのよ!?」

「・・・本当に、それは俺が悪かったんです。キョーコに申し訳ない事をしてしまって・・・」

「いくら夫婦だって言ってもね、それは段階をきちんと踏んでちゃんと同意を得てからの行為でしょう!?申し訳ないじゃ済まないのよ!!」

「あっ、愛ちゃん本当に落ち着いて・・・」

「キョーコちゃんは傷付いてんねんで!?落ち付いてられへんわ!社さんは黙っとって!!」

「ハイ・・・っ!」


蓮を待っている間に怒り狂う棚瀬から粗方の事情を聴いた社は、今にも蓮を殴り出しそうな勢いの棚瀬を何とか止めようと話に割って入ろうとするが、棚瀬の怒りは止まらない。

蛇のようにギンッと睨まれ、震えあがってすごすごと引き下がってしまった。


社に矛先が一瞬向いた事で更に増長された怒りの為に、いつもは隠している地の関西弁がぼろぼろと零れてくる。

更に棚瀬は畳み掛ける様に次々と蓮を非難していく。


「おまけになんなん!?一般人にネットで不倫疑惑流されるって。報道関係者がキョーコちゃんの件で落ち着いてくれてるからっていい気になってるんちゃうん!?」

「あれは本当に俺の落ち度で・・・今後は気を付けます。」

「愛ちゃん、あれは俺も側にいたし、他にも共演者が何人もいたんだよ・・・」

「そういう事で怒ってるんちゃう!何でキョーコちゃんに笑ってあげへんのに、あんな子に笑いかけんのかて聞いてるんや!!」


再びそっとフォローに入る社にまたキイィっと睨みを利かせて震え上がらせた棚瀬は、はぁと溜息を一つ吐いた。


「―――別にね?共演者とご飯食べに行くのが悪いって言ってるわけじゃないの。

共演者やスタッフとの関係づくりだって大事だもの、それくらい、マネージャー歴が浅い私だってわかってる。

・・・でも、キョーコちゃんがあの画像を見つけた時の気持ちも考えて欲しかった。

家ではどこか余所余所しくてぎこちない笑顔ばかりになってきた人が、外では蕩けんばかりの笑顔を自分よりも若い子に送ってるって―――「自分は飽きられた」ってキョーコちゃんが思うのは当たり前よ。」


仕事が絡む話になると、急に標準語に戻った棚瀬。

彼女が社内で移動の時に貴重品を入れて回る手持ちのバッグをゴソゴソ漁ると、がさりと一枚紙を出してきた。

そんなに大きくないバッグに入る様に折られたそれは、キョーコがあの日蓮に投げつけたのと同じ写真。

共演者と笑い合う蓮の姿だった。


「本当に、全部反省はしているんです。」


蓮の言葉は本当だ。


記憶が戻らなくて一番不安なのはキョーコ本人なのに、彼女を案じているように見せかけて自分の欲や希望を知らず押しつけてしまっていた。

キョーコの感情が噴出する切欠がなければ、優しい彼女は蓮に何を告げる事もなく、自分を殺してしまっていたかもしれない。


緩やかに、じわじわと閉塞していた二人の世界。


そういう意味ではどんなものでも切欠になってくれて良かったとは思っている。

勿論、ダメな切欠である事は蓮とて重々承知だが。


「キョーコの事になると、どうしても感情のコントロールがいまだにうまく効かせられなくて。

キョーコの一挙手一動に一喜一憂して、キョーコの話をされれば嬉しくてつられて他人にも笑いかけてしまう・・・演技の経験はいくら積めても、素の俺はいつまでも未熟者です。」

「蓮・・・」

「完璧な人間なんかおらへんもん、そんなのはあたしかてわかってる。
別に敦賀くんに完璧を求めてるわけとちゃうよ?ただ、キョーコちゃんを愛してるから言うてそれを免罪符にされたら、同じオンナとして赦されへんねや。」

「そんな事しません、あれは本当に俺が悪かったんです。もう二度と、自分に飲まれるような事はしません。誤解を招くような事はしません。」

「そう、なら良かった。でも、きちんとキョーコちゃんに謝りや?例え夫婦間でも絶対にしたらあかん事やからな?」


蓮にとってもキョーコにとっても頼れる姉貴分は、蓮が素直に「はい」と答えるのを聞くと、もう一度蓮に問いかけた。


「ねぇ、敦賀くん。もし、キョーコちゃんの記憶がこのままずっと戻らなくて離婚を切り出されたら、貴方はどうするの?」

「別れません。俺が愛しているのは、この先もずっとキョーコ一人です。例え記憶が戻らなくても、キョーコは「キョーコ」なんです。

彼女の気持ちが落ち着くまでは、・・・皆さんにご迷惑をおかけしますけど、別居と言う形をとってもいいと思いますし、キョーコが望む事は全て叶えてあげたい。

・・・別れると言う選択肢以外は。」


静かに、だけど瞳に決意を秘めながら答える蓮の様子に、棚瀬は一つ溜息を吐くと社の方を向いた。


「・・・社さん。確かクリスマスは軽井沢でしたよね?」

「え?う、うん・・・今回のドラマはラストがそこだから・・・」

「じゃあ、私と一緒に過ごしてくださいね?一度あそこのアウトレットに行ってみたかったんですよ~!」

「え?ちょっと、どういう事・・・?」

「愛さん・・・?」

「敦賀くんは一晩くらい車の運転大丈夫でしょう?疲れてるだろうけど、まだ若いもんね!」


突然クリスマスの予定を確保しだした棚瀬の意図が全くわからない蓮と社は、何を言い出したのかと怪訝な顔で棚瀬を見る。

ニッコリと笑った棚瀬は、キョーコの願いを彼らに告げたのだった。



「もう結構ギリギリだから、スケジュール調整は社長が一緒にやってくれるそうよ。

―――貴方に行ってほしい所があるの。」











作品用拍手アイコン ←やっと終わりが見えてきた気がする!←気かよ!


スキビ☆ランキング

************


辛い回が多い希う朝ですが、やっと残り数話になりました!

ああ、梅雨明けまでには終わらせる!と思ってたのに・・・

無理だった。関東今日梅雨明け宣言orz


オリキャラでばる話はアンチの方も多いとは思いますが、まず原作でマネージャーが出て来てくれないんですもの。

出て来てくれてたら是非その方を使いたいですし、ちょっと前に「イケマネつけよっかな~」って社長も言ってたんですけど・・・

今回は、オンナノコな話もきょこたんが心を許して話せる歳上のマネが必要→きょこたんが懐く姉御肌な人!→・・・女性になりますよね?と言う三段方式でこのオリキャラ決定しました。

愛ちゃんのキャラを作り上げるにあたって、助けてくれた某様に感謝・・・!!

(さらっと呼んでてすみません^^;)

原作でマネが付くのはいつの日か・・・