こんばんはー!マックです。
今年も残り3か月を切ったとな…?
歳を重ねるごとに時間の過ぎるのが早くて恐ろしいです(((( ;°Д°))))
しかし子供達連日高熱の為、安定の寝落ちマックです←
うしうし、何とか終わらせたい仮面さんが今月中に終わる見込みが出来て嬉しいです。
しかし切り所が分からなくて、今回長いです。普通に2話分あるよね、詰め込んじゃったよねorz
※この話は、夜はホステスな才女きょこたんと、同じく夜はホストの准教授蓮の組み合わせです。
完全パラレルです。
現在キョーコが歩み寄りの姿勢を見せていますが、基本は両片想いのすれ違いです。
それでも大丈夫な方向けのお話しです。
(よって読むからにはノークレームでお願いします…)
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無事に税関もクリアーし到着ロビーの階へと降り立った蓮は、たった一つだけ持ち戻って来たビジネスバッグのファスナーを閉めると、ふうと一息吐いた。
クリスマス当日の夜なのだから、みんな家族や恋人と過ごしていて利用客はそこまで多くないと思っていたのだが…
大きな土産を抱えた利用客が多かった為に、税関を通過するのに時間がかかってしまった。
(もう夜になるのか…)
本当は日が暮れる前に都内に入って、キョーコの様子を見に行きたかった。
最後に見たのは涙の跡を頬に残し、眉を少し顰めたままの寝顔。
自分の腕の中で苦しげに丸まる細身の体は、独占欲の痕をたくさん残していた。
本当はそんな顔をさせたいわけではないのに…
あの日見た太陽のような明るい笑顔を、自分がさせたいのに…
最終的に、想いとは真逆の行為しかできない自分が情けない。
(今回は…無理だな)
無理やり時間を作っての帰国なので、日本に滞在できる時間はほんのわずか。
バイトをやめさせてしまった為、孤独を強く感じる今夜はきっとキョーコも家から出る事はないだろう。
キョーコの誕生日に合わせて帰国したのだが…
でも、それでもいいと思った。
どんな顔で会いに行けばいいのか、今の蓮にはわからない。
あんな紙切れだけの謝罪で、許してもらえるはずはないのだから―――
とりあえずドアノブにプレゼントを掛けるくらいは許されるだろうと思い、手配をお願いしていたテンと連絡を取る為に携帯に電源を入れた所で即電話が掛かってきた。
相手は大学で唯一蓮の事情を少しだけ話した事のある社…
「もしもし。」
『ああー!やっと繋がったよ!』
「すみません、入国に思った以上に時間がかかりまして…」
『そうか、大変だったな。でもこっちも大変なんだよ!キョーコちゃんが留学の話を蹴っちゃってさあ!』
「…え?それは本当ですか?」
『うんうん!文句なしにいい条件だったから、断られるなんて誰も思ってなくてさ…しかも転科願いまで出されちゃって!』
「転科願い!?」
『本当は退学願いだったのを学長が思い留まらせて、転科願いに変えさせたんだけどさ…もう教授陣までパニックになっちゃってるんだよ!』
学内一の才女と名高いキョーコがいきなり転科願いなど出せば、それは確かにパニックにもなるだろう。
受け入れ先の学部は大喜びだろうが、移られてしまう教育学部は大ダメージだ。
いずれは自分の会社に…研究機関に…と狙っていた企業も、慌てているはずだ。
何故キョーコちゃんはそんな事を…
立ち止まってしまった蓮の背にぶつかった人が、電話中の蓮に小さく頭を下げて通り過ぎて行く。
小さく謝罪の言葉を口にしてその人の行く先を見た蓮は、そのまま固まってしまった。
『キョーコちゃんとやっと話をする間柄になったみたいな事を言ってたからさ?蓮は何か聞いてないかと思ってさ…』
「いえ…聞いてはいませんが、これから聞きます。」
『え?これからって…』
「今、目の前にいますよ。情報ありがとうございました。」
『え、ちょっと…』と受話器の向こうで戸惑う社の声が漏れ聞こえるが、構わずにブツリと終話ボタンを押す。
蓮の視線の先には、小さなポシェットを一つだけ肩に掛けて人波の中からじっと自分を見つめるキョーコがいた。
***
「釣りは結構です。お仕事お疲れ様でした。」
タクシーの運転手に余分に金を渡し、先に降りたキョーコを追って自分も白いシートから腰を浮かす。
「どこか行きたいところはないか」と聞いたものの「ない」としか答えないキョーコに困り果てて、結局自宅マンションを行先に指定してしまった。
高級住宅地にある管理の行き届いたマンションなだけあって、エントランスには綺麗に飾られたクリスマスツリーが出迎えてくれる。
それを見つめるキョーコの後ろ姿を見つめ、蓮は彼女が何故空港まで来たのかを考えていた。
(許して…くれたわけじゃないよな。)
手紙は書いていたが、自分が反対の立場なら許せるのかと問われると、答えは「NO」だ。
一生恨みながら生きていくだろう。
(いや、待てよ。…それもアリか。)
愛憎は表裏一体とも言う。
少しでも情がなければ、憎んですらもらえない。
愛してもらえないと言うのなら、いっそ憎まれるのもアリかもしれない。
一生憎んでもらえれば…キョーコの心には「敦賀蓮」が生き続ける。
それがたとえ、「愛して欲しい」と願った形とは違ったとしても…
「先生…?どうかしましたか?」
思考の深みにはまっていた蓮は、キョーコが自分を見ていた事に気が付いていなかった。
はっと気が付くと、まるっとした大きな目がこちらを見ている…
「いや…。本当にどこにも行かなくて良かったの?今日はクリスマスだよ?」
「クリスマスじゃどこも混雑してるじゃないですか…落ち着いて話が出来ないですもの。」
「話って…留学辞退の事?それとも転科届の事…?」
「うーん、どちらも…かな。」
そう言って、キョーコは静かに目を伏せた。
サイドの髪がさらりと落ち、キョーコの表情を蓮から隠してしまう。
「…その辺、少し歩こうか。」
自室に戻ってしまえばまた暴走してしまうような、そんな気がして。
蓮は街中へとつま先を向け、キョーコを誘った。
マンションから地下鉄の駅へと続く緩やかな坂道の途中には、飲食店やセレクトショップが周りに立ち並ぶ広場がある。
温かな明かりが漏れる店内はどこも幸せそうな笑顔が並ぶ。
色んな場所で思い思いの過ごし方をしてきた恋人達が少し遅めのディナーを楽しむ明るい店内をぼんやりと眺めながら、蓮は数歩先を歩くキョーコが話を切り出すのを待った。
「…転科願いを、出したんです。」
「うん、知ってる。」
「本当はもう一度大学入りなおそうかと思ってたんですけど…」
「それは…どうして?」
「見つけたんです。やりたいこと。」
そう言って振り返ったキョーコは凛とした表情で蓮を見据えた。
「私、専攻を心理学科に変えて、一から勉強し直します。」
「…え、心理学…?」
「はい。先生と同じです。」
転科先を聞いてなかった蓮は、ただただ驚きの声を上げるしかなかった。
何故ここにきて心理学なのか…
確かにキョーコは他の教授の心理学の授業も履修していたし、必須でない物はたまに聴講していたのは知っている。
自分の前期の授業も履修科目にないのに聴講に来ていたから知っているのだが、しかし彼女の専攻が教育学だから、だから勉強熱心な彼女はいずれ役に立つだろうくらいの気持ちで出ているのだと思っていた。
思ってもいなかった転科先に、蓮は戸惑いを隠せない。
「それは、また…どうして?」
「私、研究したいことが出来たんです。」
「研究したい事…?」
「ええ…私、ずっと誰からも愛されることなんてないんだと思ってました。唯一の肉親である母からも愛されず、幼馴染への恋も実らなかった。友達なんてせいぜい「宿題見せてくれる都合のいい女」までしかなれなくて、友情って何なのかすらわからなかった…」
「うん…うん。」
「でも、この間それは間違いだったんじゃないのかなって思ったんです。…退店を惜しんでくれたお客さん達がいて、優しく声をかけてくれたママや先輩達がいて。私…思ってたより一人じゃなかったんじゃないのかなって。」
「うん…そうだね。」
目を伏せながら、ゆっくり一つずつ言葉を選ぶキョーコに合わせて、蓮も小さくゆっくりと相槌を返す。
そこに自分の名前が出てこない事を少し残念に思う気持ちもあったが、それも自分の日ごろの行いのせいなのだから仕方がない…
「それに…14年もずっと私を見守り続けてくれた、不器用な人もいるって気が付きましたから。」
「………え?」
そう、自業自得だと諦めた所で自分の事が出て来て、蓮は思わず反応が遅れた。
「許したわけじゃないですよ!?今までのこと…私、全部初めてだったんですから!」
「いや、それは…」
「女の子は誰だって、そう言うのは夢見てるものなんです!あれは酷いです!」
「それは、ごめん…」
口を尖らせて怒る姿も可愛いな…など一瞬頭をよぎったのだが、それを口にするとますます怒らせてしまいそうで…蓮はぐっと堪えて謝罪の言葉だけで済ませた。
「『愛があれば何してもいい』ってわけじゃないんですよ!?わかってます!?」
「はい…その通りです。」
「だから、私は『愛』について研究をしたいと思ったんです。」
「…愛?」
「ええ。先生の行為がどちらかと言うとストーカーの心理に近いので、犯罪心理学の範疇に入っちゃうのか怪しいですけど。」
「スト…」
「あら、何か言いたい事あります?」
「いえ。ないです…」
普通に相手を好きなだけなら、わざわざ興信所を使って幼いキョーコの身辺を徹底的に調べないだろう。
わざわざ探偵を使って、定期的にキョーコの行動を調べたりしないだろう。
確かに、蓮が今まで行ってきた事はストーカーと言われても仕方のない事だった。
可愛らしくも怒りをあらわにするキョーコに、蓮の語尾はつい「ですます調」になってしまう。
「他にも、母の行動についても少し考えてみたいので、最終的にどの分野に身を置くかはわかりませんが…生涯の研究テーマは先生で決まりですね。」
「…え?俺…?」
「ええ。」
キョーコの言った言葉の意味が飲み込めず、気まずくて逸らしていた目線をキョーコに戻す。
すると、キョーコは凛とした表情で蓮を見つめていた。
「ずっと、遠くから見てるだけで満足だった。板書してるその後ろ姿を見るだけで、心がほんの少し暖かくなった。それだけで十分だったのに―――欲張りになったんです。私、もっと先生のことが知りたい。先生が見守ってくれていた14年間のことも、それ以前のことも。これからのことも…」
強い眼差しの中に、周囲の温かな光と共に自分が写り込む。
その姿は少し情けない気もするが…彼女の言葉が信じられなくて。
蓮の口はカラカラに乾いて言葉をうまく発する事が出来ない。
口と同じくうまく回らない頭を必死に動かし、キョーコの言葉の意味の裏を考える。
「それって…」
「テンさんが「先生の愛は重いよ」って仰ってたんですけど…多分、私の方がずっと重いと思いますよ?先生のこれからをもらっちゃいますから。…研究テーマとして。」
そこまで言うと、キョーコは恥ずかしそうに頬を染めて視線を蓮から外してしまった。
「一生涯の研究テーマ」…それは、つまり自分に想いを返してくれると言う事だろうか。
それも彼女の勉学にまで自分が深く浸透する事が出来ると言う、最高の形で…
少しずつうるさくなっていた鼓動が、耳の奥でドクンドクンと聞こえるんじゃないかと言う程大きく鳴った。
嬉しさのあまり、暴走してしまうかも…と危惧していた事を忘れ、震える手でキョーコの華奢な身体をぎゅうっと強く抱きしめる。
「それは…光栄な事だよね。寝ても覚めても、君の中には俺がいる事になるから…」
「重たくって途中で嫌になっても、もう逃がして上げないんですからね…?」
「望むところだよ。」
幸せな声が漏れる店の明かりやイルミネーションが降り注ぐ中、蓮は腕の力を緩め、キョーコの顔を覗きこんだ。
そこには瞳を潤ませ頬を赤く染める、恋する少女の顔があり…
ずっと焦がれていたその表情を誰よりも側で見る事が出来て嬉しくて、そっと触れるだけのキスを贈った。
「やっと…やっと、手に入れた。俺の大事なお姫様―――」
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今回切り所が分からなくて、思いっきり2話分詰め込みました。ひゃっはー!←
ガラケーの方、途中で切れてないといいな(ちなみに自分のは多分切れてないのでわからない)
ハッキリ「好き」と言葉にしたわけじゃないので分かりにくいですが…
きょこたんなりの「好き」の返し方です。
それも一生涯の研究テーマかよ!重いね!とか思ったけど、書いたの自分だよ!←
えーっと、確かに心理学科は卒業してるのですが、いかんせん不真面目大学生だったので(ほぼサークルに行ってたようなものだった)詳しく突っ込まれると痛いです(ノДT)
もっと真面目に勉強しとけばよかったよー!
なお、今回より諸事情あってコメ欄は削除しました。
(作品以外のコメ欄についてはまだ考え中)
コメ欄は日記ではございませんので…わかってくださいお願いしますm(__)m
*スキビ☆ランキング * ←いつもありがとうございます^^