こんばんはー!マックです。
うっかり倒れた3連休。
なんとかUPは間に合った…かな?(実は数時間前まで書いてたと言うオチ)
こちら、「続き妄想」と言う分野でございます。
単行本になるまでチラリともネタバレしたくない方は、どうぞ避けてお通りくださいませ。
「Act.202でキョーコが幕を持ったまま、蓮との恋愛の舞台へ上がらずに映画がクランクアップ・ヒール兄妹解散」と言う if 設定となります。
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社長の付き人さんに応接室まで通されると、そこにはモー子さんや天宮さん、ミューズがマリアちゃんと仲良くお茶していて。
少し離れた場所で社長が電話をしていた。
「お姉様、蓮様!こんにちは!」
「やっと来たわね…」
「モーっ!待ちくたびれてクッキーについ手が伸びちゃったじゃないのよ!」
「お疲れ様、キョーコちゃん蓮ちゃん♪無事にくっついたみたいで何よりだわぁ!」
「………みんな、最初から全部わかってて協力したんですか………?」
呑気にティータイムを楽しむガールズトークな雰囲気のみんなに、自分が溜め込んできた不安や怒りがまたじわじわと沸き上がってくる。
再び怨キョが肩の辺りからシャバダバ喜びながらにょきにょき生えてくるのが、自分でもわかるわ。
不穏な空気にモー子さんは「ひぃ…っ」と後退り、負のオーラに耐性のある他の3人は「あらあら」と言った感じで顔を見合った。
「よぉ。上手くまとまったみたいでよかったじゃないか。」
その時、ちょうど電話が終わったのか、社長さんがティータイム中の応接セットまで戻ってきた。
マリアちゃんの隣にどっかりと腰を下ろすと、目の前のティーカップを手に取り口をつける。
「よくないですよ!!私には「何もしない」って言ったじゃないですか!」
そう。
『良質恋愛劇』の幕を掴んだまま悩んでいた私に、社長さんは「君がどうもしたくないのであれば何もしない。」と言ってくれていた。
もちろん、敦賀さんにこの想いを伝えることもしないと、誓ってくれていた。
だから、それまで通りに敦賀さんと顔を合わせることができていたのに―――
「ああ。最上くんには『何もしない』と言ったよ。」
「じゃあどうして!!」
「蓮が望んだんだ、最上くんとの恋愛を。君が舞台に上がって来るのを待っていた。」
「!」
「ちなみに俺は、最上くんの気持ちを蓮には伝えなかったぞ?蓮が正々堂々と最上くんを捕まえると言ったから、だから協力したんだ。」
「……っ!」
正々堂々…と言うには、随分と弄ばれた感が否めない。
本当に、本当に。
タイムスリップしたと思って、ずっと怖くて、不安だったのに。
それが全部仕組まれていたものだなんて―――
またぎゅっと強く拳を握り込んでいると、敦賀さんの手が重なる。
「本当に、不安にさせてごめんね…でも、最上さんには申し訳ないけど、俺は最上さんを手に入れる事が出来て嬉しいよ。君をもう、絶対に不安にさせないから…」
「……っ そんな言い方、ズルいです…私も、嬉しかったんですから………」
こんな私でも『好き』って言ってくれて、必要としてくれて。
嬉しくないはずがないじゃないの……
しかも、好きで好きで、想いが抑えることが出来なかったほど、大好きな敦賀さんに乞われて………
どんなに幸せだったか。
ポツポツと小さな声で呟いたはずなのに、その言葉はしっかり敦賀さんの耳に届いていたみたい。
ぎゅう…と静かにゆっくり。
だけど力強く抱き締められた。
「ありがとう………キョーコ。」
「…敦賀さん……」
苦しいくらいの抱擁が嬉しくて、恥ずかしくて。
敦賀さんの脇から背中へ、そろりそろりと腕を回した時…
視線を感じてふとそちらを見ると、にたーっとチシャ猫のような顔で笑う社長を筆頭に、キラキラ目を輝かせるミューズと天宮さん。
そっぽを向きながらもこちらをちらりと見るモー子さんと、付人さんに目を覆われてるマリアちゃんがいて、一気に顔に血が集まるのを感じた。
(はっっっ、恥ずかしいーー…っ!!)
「ちょっ、敦賀さん!離してください!」
「やだ。もう絶対離さないから…」
「みんなが見てるんです!恥ずかしいです!」
「気にしなければいいよ。」
「いえっ!ものすごく気になります!離して~~~っ!!」
「もう黙って…?」
「○×▲□※Σ#~~~~~っっっ!!!!!」
離れてもらおうと必死で服を引っ掴んで引きはがそうと試みるけど…
敦賀さんの力は強い。
しかもぐっと上を向かせられたと思ったら、いきなり唇をふさがれて。
息が出来なくてうっかり三途の川が見えた気がしたわ…
やっと離してもらえた時には身体に力が入らなくて、敦賀さんに支えてもらわなければ立っていられない状態だった。
酸欠でぼーっとしている私に、社長さんは恐ろしい事を話してくれた。
「そうそう最上くん。今回の式場はな?3年後に蓮と最上くんの結婚式を行う条件で、特別に協力してもらったんだよ。」
「…はい……!?」
「社長、それは俺も初耳ですが…」
「言うわけないだろう。言ったら俺にプロデュースさせないだろう?」
「当たり前です。何されるかわかったものではありませんしね。」
私を抱きしめたまま、敦賀さんも不満の声を上げる。
3年後には、私本当に結婚式を挙げるの!?
しかも相手は敦賀さん限定…!?
だって、それまでに別れちゃったりしたらどうするの!?
『明日』好きでいてもらえるかどうかだって保証はないのに…
困っていると社長さんは、にこりと笑って私に話してくれた。
「安心していいぞ、最上くん。そいつの愛は重量級でな?絶対に君を捨てたりはしないから。」
「そんなこと、誰にもわからないじゃないですか……」
「ああ、そうだな。わからないな。…でもだからこそ面白いと思わないか?」
「3年もあるんだ。蓮と最上くんなりの恋愛をして、ひとつひとつ蓮に教えてもらえばいい。喧嘩もたくさんして、思った事を蓮にぶつけたらいい。
そうだな……まずは今日の事から話し合ったらいい。君が感じた不安を、ひとつずつ蓮に解決してもらえ。」
「………はい…」
後ろから回された敦賀さんの腕に、ぎゅっと力が込められた。
それがまるで「大丈夫だよ」って言ってくれてるみたいで…
私は社長の言葉に素直に頷けた。
そう、よね。
敦賀さんは、とても優しい人。
きっと、演技の楽しさを教えてくれたみたいに、私に色んなことを教えてくれるわ。
「愛」について、一つずつ…
私は敦賀さんを信じて、すべてを預けて行こう。
大丈夫。きっと、敦賀さんは受け止めてくれるわ…
私と敦賀さんの『良質恋愛劇』の幕は、今上がったばかりなのだから―――
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倒れた時にはまだ書きあがってないこれが心配でしたが…
な、何とかなりまし…た?
ちょっと消化不良感はあるかもですけど><
本来これはAct200の続き妄想だったのですよー。
うっかり2か月も延びました…orz
ハルカさんごめんなさい><
あとはちらっと思いついた小ネタを拍手御礼で出せたらいいなー。
久し振りの毎日更新にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m
スキビ☆ランキング ←いつもありがとうございますm(__)m