こんばんはー…マックです。
今夜のSSは、某様とのトークの中で「シーツがテント貼ってたらそりゃきょこたん真っ赤になって逃げちゃうよねえ←」などと言う、深夜テンションバンザイな会話をしていたことから発生したSSなわけですよ。
ふほほ、R進行中な通常公開です。ご注意くださいましね!
(しかし我が家ではすっかり定番な感じですけどね!←)
※成立後設定
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「…う、んん…」
もう朝なのかな、閉じたままの瞳にもはっきりとわかるほど、光が寝室へと差し込んで来てる。
眩しい…もう起きなきゃダメなのかな。
明るい光に「もう起きて」って言われてるみたい…
待って、もう少しだけこのまま…
ここはとっても温かくて気持ちよくて、幸せな気持ちになれるの―――
「そう…ならもっとぎゅっとしてあげようか?」
うん…
夢の中の敦賀さんは、優しくってだいす…き………って!?
ふわふわと夢の世界を漂っていた私の意識は、艶を帯びた敦賀さんの声でぐっと一気に現実へと引き戻された。
ばちっと目を開くと、そこは一面の肌色。
顔を上げれば、朝日にも負けないきゅらきゅらとした光を放つ、敦賀さんの胡散臭い笑顔があった。
(そうだ!昨日私、敦賀さんの家に泊まって…!!)
お付き合いをして数か月。
勿論、これまでそう言うコトがなかったわけではない。
現に昨晩も、ご飯を食べ終わった後「今夜は一緒にいられる…?」と急に甘えた声で問われて。
きゅーんと鼻を鳴らす音が聞こえそうな、そんな捨てられた子犬のような目で見られて。
その後に待ちうけるものが『お付き合いの中で起こる恥ずかしいコト』だとわかっているのに、恥ずかしくて仕方がないのに、甘く乞われて思わず「ハイ…」と答えてしまっていた。
「良かった。」とにっこり笑った敦賀さんが可愛くて、でもその次の瞬間には夜の帝王が降臨していたわ。
きゅんと胸が苦しくなったかと思ったら、帝王降臨で一気に心臓が止まりそうになって。
ベッドの上では恥ずかしくて死んでしまいそうになって。
私、昨晩も何度も心臓が止まった気がするの…
昨晩の出来事を思い出しながら似非紳士笑顔に固まった私を見て、敦賀さんは「おはよう」とキスをチュッと軽く落として、ぎゅっと抱きしめてくれた。
敦賀さんの「ぎゅう」は好き。
温かくて、いい匂いがして。敦賀セラピーのおかげで本当に「幸せだなあ」って思えるから。
だけど………
お腹に当たるコレは何ぃ~~~~!!!!!!???
思い浮かぶモノが一つしかなくて、思いっきり敦賀さんを突き飛ばして広いベッドの上をズザザザザ!と後ろ手に逃げる。
そしてふと自分の身体を見て…何も身にまとってない事に気が付いて、更に「ひぃやあぁぁぁ~~~!!!」と変な声を出しながらベッドの下へと転がり落ちた。
お尻から落ちて痛かったけど、すぐそばに敦賀さんのシャツが落ちていたからそれで身体の前面を隠して、ベッドサイドに置いてあるテーブルの陰に隠れる。
敦賀さんは溜息を吐きながら二人の身体に掛けてあったシーツを腰に巻くと、のそりとベッドから立ち上がった。
「酷いなあ、キョーコがぎゅっとして?って言ったんだよ?」
「だ、だって夢だと思ってて…!」
「しかもその後が聞き捨てならないよね…『夢の中の敦賀さんは優しい』って、普段の俺は優しくないみたいじゃないか。」
「それはだって…いえ、その笑顔が怖いんですうぅ~~!!!」
まだキュラキュラと光る棘を私に突き刺しながら、真っ赤になりながら空気がプスプス・ぷしゅう~と抜けて行く私を楽しそうに見てる…
ほら、やっぱり天然いじめっ子じゃないですか!
しかも、しゃがむ私の目の前には、敦賀さんの…
いえ!肝心な所はシーツで隠れてるんだけどね!?
隠れてるんだけどねっ!?
どうして朝からそんなに存在がはっきりしてるんでしょうかっ!?
必死で顔を手で覆って見えないようにしてるけど、気になってチラチラと指の間から見てしまう…
わ、私ったら破廉恥だわ~~~!!!
「と、とにかく服をちゃんと着てください!」
「どうして?まだ起きる時間には少し早いよ?」
「どうしてもです!」
「だってキョーコが俺のシャツ持ってるじゃないか…」
「やっ、やだ!これは後にして、とにかくズボン履いちゃってください!目のやり場に困りますぅ!」
「?……ああ、なるほど…」
「ズボン」で、私が何を恥ずかしがっているのかに気が付いたらしい敦賀さんは、ニヤリと笑うと何を思ったのかシーツを腰から落としてしまった。
目の前でふわりと落ちるシーツについに指の間からちら見する事も出来なくなって、「ひょわあああーー!!」と奇声を発しながらその場にまるまる事しか出来ない。
敦賀さんはクスクスと笑いながらしゃがみこんで、まるまった私の背中をぽんぽんと優しく叩いた。
「敦賀さん破廉恥です!!服着てください今すぐーっ!」
「御嬢さん?もう何度も見てるでしょう?」
「見てません見てません見てませんー!」
そう、実際アレの時はすでに意識が朦朧としてる事が多いし、暗いし。
ハッキリ見た事なんてないの…
敦賀蓮人形を本当の意味で完成させるためには必要かも!と思って頑張った事はあったけど…
やっぱり破廉恥すぎて、敦賀さんがやたらとあちこち触って来て意識が飛んじゃって……無理だったわ。
「でもそこまで拒絶されると悲しいなあ…俺ってそんなに汚らわしい?」
「そんなっ!敦賀さんは神の寵児です!…ってひゃあああ!!」
淋しそうな声が頭上から聞こえて来たから、慌てて上半身を起こして力いっぱい否定するものの…
敦賀さんのそれがしっかり目に入り、そして私の貧相な身体もばっちり敦賀さんの視界に入ってる事を確認して、再びまるまった。
(もおぉ~~~!恥ずかしすぎてお嫁に行けない…!)
「敦賀さんのお嫁さんになる」と言う考えは今の所さらっさら思いつかない私は、とにかく今感じてる羞恥心が消えてなくなれー!とひたすら祈り続ける。
すると、突然身体がふわっと浮いて、自分の影で暗くなってる絨毯が見えていたはずの私の視界は、朝日で白く反射する天井と敦賀さんの優しい顔を捉えていた。
「ほら、これなら気になる部分は見えないでしょう?」
シャツは私の身体に申し訳程度に引っかかっていて、何とか隠したい部分を覆ってくれている。
お姫様抱っこの状態だから、敦賀さんの気になるあの部分は見えない…
(…もうっ、こんな……)
すっごく意地悪な時もあるけど、その後は必ずこんな風に優しく気遣ってくれるんだから…
私ばっかり翻弄されてるみたいで、ずるいわ………
(私ばっかり、どんどん好きになっていっちゃう…)
ぽすんとベッドに優しく下ろされて、離れて行くその温もりに寂しさで胸がぎゅっと締め付けられる。
もう少しだけ離れたくなくて、傍にいてほしくて。
離れて行く手を追いかけてきゅっと掴むと、優しい笑顔の敦賀さんは「何?」と聞いてくれる。
えっと…恥ずかしくて、まだ言葉にはできないの。
でも気が付いて?
私、もう少しだけ一緒にいたいの―――
それが無事に伝わったのか…
ううん、きっと湾曲して伝わったんだわ。
にっこり笑った敦賀さんは、昨晩同様一瞬にして夜の帝王を憑けてしまい、いきなりベッドにぽすっと押し倒されてしまった。
「えええっ!?」
「キョーコの方から誘ってくれるなんて、嬉しいなあ…」
「誘ってなんか…!」
「今の顔は誘ってるって言うんだよ?」
一体自分がどんな顔をしていたのかはわからないけど、もうこうなった敦賀さんは止められそうにない。
瞳の奥に妖しい光を宿しながらにっこりと微笑む敦賀さんに、私の今朝の運命は決まってしまった。
「大丈夫。近々きっと見慣れるから。」
ちっとも大丈夫じゃない、私の心臓。
見慣れるようになるだなんて、きっと一生無理だから―――
←嬉々としてベッドに押し倒したら…そりゃ止められなかろう。
*************
あは、タイトルに誤りアリな感じですね!
でもお付き合いの最初の頃とかって、きっと爽やかな朝から色々あると思うのですよ。
うん、それでこそ蓮キョw
それでこそ蓮キョ的「穏やかな朝」だ!←