ひいいいい!!!

記事の上げ方を忘れたマック、予約投稿時のままの物40分ほど上げてました!

おばかー!!!!!


も、ホントお見苦しくて申し訳ありませんー!!平謝下ーーー!!!



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お久し振りです、マックです。

アメンバー申請の記事ばっかり上げててすみません><

(実は5月後半、1度も話を上げていなかった…(((゜д゜;))))


完全に煮詰まってるので気軽なSSSでリハビリを。


※成立後・同棲前設定



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚





ガラス張りの綺麗な建物が建ち並び、赤茶と白の煉瓦で舗装された道。
芝の緑が映えて良い印象のミッドタウン内で、キキィィ!っと派手なブレーキ音をたてて止まる自転車があった。

学校指定であろう鞄を背負い、ピンクの可愛らしい大きな手提げを手首にぶら下げた、一般人にしては少々可愛らしい女子高生。
跨がっていた少女は空を見上げると、はぁ…とため息をついた。


「雨…降らないといいんだけど。」


明日も朝から学校行けるから、出来れば自転車で帰りたいのよねー…などと呑気に考えるのは、タレント『京子』だった。


ドラマやバラエティにもかなり出演して顔が売れてきているものの、いまだメイクをしなければ「素うどん」状態の彼女。
近年都内で自転車通勤がブームになっていることと、「まさか芸能人、しかも女の子が自転車で通学・出勤していることはないだろう」と言う世間の思い込みから、ファンに追いかけられることもなく堂々と自転車で移動しているのだ。

普段はそんな彼女を「迂闊だ」と怒る恋人も、2週間程留守をしていてこんな行動を把握できていない。
色々とシビアなキョーコは移動にかかる交通費と時間を短縮しようと、周りの人には内緒でこっそり自転車を活用しているのだった。


(ああ…向こうは雨なのかしら)



花壇の一角で密かに咲き始めた 青い紫陽花を眺めながら、キョーコはロケで出かけて行った蓮の事を思った。



蓮は今、阿蘇の雄大な自然を舞台にした映画のロケの為に東京を留守にしている。

今回はもうすぐ帰宅するが、あと2・3度は室内で撮れない画を撮る為に出掛けて行く。

雨も映画の中で重要な意味を持つ為、梅雨入りするかしないかのこの時期にロケが組まれたのだ。



(こっちはまだ梅雨入り宣言出てないのに…変なの)



同じ日本のはずなのに、蓮の向かった地域はすでに梅雨入りしている。

今朝見た天気予報を見てみたら、九州地方は梅雨前線がしっかりとかかっていた。


だけど、今日の東京の天気は晴れ。先程から急に雲が多くなってきたと言うところ。


同じ国内、同じ空の下にいるはずなのに、蓮と自分が見ている天気は違うのだ。

それが、キョーコを少し切ない気分にさせる。



(あいたい、なあ…)



空を見上げながらぽつりと小さく言葉を漏らすと、突然、スカートのポケットの中に入れていた携帯が震えだした。

慌てて取り出すと、そこには今まさに想っていた人物の名前。

その名前にどきりと心臓が大きく跳ね、ドキドキと早まっていく。



『もしもし?俺だけど…』



震える手で通話ボタンを押して耳に当てると、そこから聞こえてきたのは優しいテノール。

耳から心に沁みて、ほわりと全身が温かくなっていくような感覚をキョーコは感じていた。



「はい、私です。どうされたんですか?撮影の時間なんじゃ…」

『思った以上に雨が降っててね、天候回復待ちなんだ。』

「え、そんなにひどいんですか?」

『まあね。でも山の天気は変わりやすいから、もう1時間くらいで回復するんじゃないかって話なんだ。』

「そうなんですね…こちらは雲が出てきてますけど、まだ晴れてますよ。」



自転車を道の端に寄せて停めて、キョーコは再び空を仰ぐ。

視界に入るビルの頂上と、先程よりも更に増えた気がする薄灰色の雲。

だけど、ビル群に切り取られたそこには、まだまだ3割ほどの青空が見える。



彼の見ている風景は今どんなものなのだろうか。


土砂降りの雨に、阿蘇の山。そして広大な緑の平原…

昔ちらりと読んだことのある小説の挿絵の風景だ。

きっと、そんな感じの風景を見ているのだろうとキョーコは思った。



『そうなんだね…東京は今晴れてるんだ。』

「そうですね、でも数日後にはこちらも梅雨入りしそうです。」

『俺が帰る頃かな?』

「そうなりますね。」



蓮が帰ってくるのは3日後。

その日の仕事がキャンセルになったのを思い出したキョーコは、ふとその日の使い道について考えをめぐらせた。


翌日は土曜で学校はない。

仕事も午後からになっている。



(…うん、決めた。)


「敦賀さん、お帰りの際は梅雨前線も連れてきちゃダメですよ?」

『え?』

「だって、洗濯物が湿気ちゃいますから。やっぱり持って帰ってこられるお洗濯物はたくさんですし、乾燥機にかけられない物も多いですから…」

『それは…泊まってくれるって事?』

「へ…?」



一拍置いて蓮の言葉が一気に艶を帯びた気がして、キョーコの思考回路は再び活発に活動する。

そして、蓮の声が艶めいた意味に辿り着くと、ぼふんと顔を真っ赤にした。



「あ!いえ、そういうわけではなくてですね!?」

『そうか、キョーコの方から言ってくれるようになるなんて嬉しいなあ。』

「やだ、違います!どうしていつも敦賀さんは何でもえっちな事に結び付けようとするんですか!破廉恥です!」

『そりゃだって、キョーコが可愛い声で啼いてくれるから…』

「きゃーっ!!それ以上言わなくていいですぅーー!!」



携帯を持ちながら、片手は真っ赤な頬を隠すように覆う。

きっとこれが携帯を持たずに直接会っていたら、キョーコは両手で顔全体をしっかりと隠してしまっていたろう。

のんびりとガーデン内を歩く人達が、不思議そうにキョーコを眺めながら通り過ぎて行く。


蓮のクスクスと笑う声が、小さな携帯の受話口から鼓膜を揺らす。

ただそれだけなのに、キョーコの体は蓮の温もりを思い出してきゅんと胸が苦しくなった。



『ゴメンゴメン、だってキョーコに会いたいんだ。会って、早く抱きしめて、キスしたい。…キョーコが足りない。淋しいんだ。』



苦しく感じた胸に手を当てて落ち着けと念を唱えていると、ふいに蓮がぽつりとこぼした言葉。


普段からキョーコに対して、ストレートに愛情表現をしてくれる蓮。

だけど、恥ずかしくていつも何も反応が出来なくて、気が付けばキスされていたり、気が付けば押し倒されていたり…

キョーコのタイミングは、いつも蓮に奪われていた。


今ならいいかな、とキョーコも自然と自分の言葉を口にした。



「あの…っ!わ、わたしも淋しい、です。会いたい…です。」


『…っ、本当?』

「嘘言ってどうするんですか!」

『ごめん、だってキョーコに会いたいって言ってもらえると思わなくて…』

「もうっ、知りませんよーだ!」



「貴方が勝手にタイミングをつぶしてきたんでしょう!?」と思い、通話を終了させようと耳から少し離すと、遠くから蓮の聞き捨てならない発言が飛び込んできた。



『そうか、来てもらえないのなら帰宅した日は晩御飯何を食べようかな…カロリーゼリーを食べようかな…』

「ちょっと!つっ!…敦賀さん、それは駄目ですよ!?お疲れなのですからしっかりお食事召し上がられないと!」

『でもキョーコ、この間ロケでいなくなるからって保存食全部使ったよね?』

「あ…」

『だから冷蔵庫に今何にも入っていないんだ。』



出掛ける前に蓮から「今回ロケで何度も家を空けるから、保存食を使ってくれる?」と言われていたことを思い出した。

確かに蓮の家の巨大な冷蔵庫には、水や長期間保存のきくものしか入っていない。



「もうもうっ、わかりましたから!行きますから!」

『本当?肉じゃがリクエストしてもいい?』

「勿論いいですよ!たくさん作って食べさせますからね?」

『適度な量をお願いしたいかな。』

「知りません!もう…っ」



その時、受話口の奥から小さく「れーん!」と呼ぶ声がした。

恐らく呼び方からして社なのだろう。



『残念…呼び出されちゃった。』

「仕方がないですよ、待機の時間なのでしょう?」

『うん、また夜に電話してもいい?』

「今夜は少し遅いかもしれませんが、大丈夫ですよ。」

『わかった。』

「あのっ…」



短く答えた事で、そろそろ本当に通話を切らなくてはならないのだろうと分かってはいるものの、キョーコはどうしても一言伝えたくて、珍しく蓮を呼び止めた。



『どうしたの?』

「えっと…待ってますから…」

『……それは、電話?それとも帰りを?』

「りょうほう、です。」

『そっか……そうか。なら、俺、頑張らないとね。』



きっと今、彼は無表情なんだわと電話口でキョーコは思った。


付き合ってやっとわかってきた、蓮の照れた時のタイミング。

無表情になって、妙に会話に間が空いて…

そして、そっぽを向いてしまう時もあるけれど、最後にはふわりと神々スマイルを落としてくれる。


この受話口からの小さな間だけで彼の行動を想像できてしまう自分に、どこまでも蓮の事が好きすぎてハマってしまっているなあと感じると急に恥ずかしくなって、キョーコの頬まで赤くなってきた。


受話口の向こうから、先程よりもさらに大きくなった社の声が漏れ聞こえてくる。



『あー…ごめん、タイムアップ。また夜にね。』

「はい、またです…」



からかわれていたのか、最後はぷつっといきなり切られた電話。

通話終了音を聞きながら、キョーコは携帯電話をじっと見つめた。



「私も、頑張りますからね…」



「待つ」だけじゃいや。

蓮と同じ場所に立つ為には、蓮と同じくらい、それ以上の努力が必要。

こんな些細な時でも自分がただ待つだけの人間でいたくないと、キョーコは携帯をぐっと握りしめ、これから蓮の帰宅する3日後までの予定を頭に並べて行く。

最終日に作り置きする料理の材料調達なども、どこに買い物に寄るかをシミュレートする。

そして、やはり気になったのは帰宅当日と翌日の天気だった。


土曜日には関東も梅雨入りと言っていた、人気のお天気おねえさんの言葉が気になる。

それでは蓮の小物類が外に干せない。


キョーコは、蓮がいる西の空に向かって、ぽつんと一つお願い事をした。




「お帰りは、一人でお願いしますね?」




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とある方とメッセージでやり取りをしていた時にふっと思いついたSS。

梅雨と聞いて、「髪のセットが決まらない」よりも「洗濯物乾かない」が先に浮かぶようになった私は、女子力をどこに置いてきてしまったのか…orz

売ってるのならぜひ買いたいです!





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