再び頂き物のご紹介です。
『想い』の後編です^^
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆ 『想い』 ゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
あの告白もどうしたらいいのかわからないし、黙って帰ってしまった事や、その後避けまくってしまった事で、会った時にどんな態度をとれば良いのかわからない。
そんな事を考えているうちに、1日に何回もあった敦賀さんからの着信が1ヶ月になる頃には全く無くなってしまった。
そんな中、なんとなくつけてあったラブミー部の部室のテレビが目にはいる。
映るのは今の今まで考えていた彼。
芸能界1イイ男にして、抱かれたい男NO.1の敦賀さん。
番組は前にも目にした事がある、関西弁なタレントさん2人組のトーク番組。
そのゲストとして出ているようだ。
久し振りに見る敦賀さん。
少し痩せた?
するとトークはお約束な恋愛の方向へ。
「敦賀さんは恋人はいてはるんですか?」
「いませんよ。」
「じゃあ、好きな人は?」
自嘲気味な笑顔をみせる。
「……いましたよ。でも、最近フラれちゃいました。」
「えーー!!いいんですか?全国ネットですよー?」
「敦賀さんでもフラれる事あるんですか?」
「ずっと片想いだったんですけどね…振り向いてもらえなかったです。」
「ますますビックリやなー!そんな奇跡があるんですか?!敦賀さんが片想いの上にフラれる事があるなんて!!」
え??
フラれた?
誰に?
……もしかして、私に?
待って!私まだ何も返事してないのに…?!
告白後に逃げて、その後避けていただけで…
ん?
普通、告白して逃げられたらフラれたと思うわよね。
その後電話も一切出ずに、避けられたら…
誰がどう考えてもフラれたと考えるのが妥当なところ。
その日の夜中。
直接お話したいと思った私は、敦賀さんのマンションの前で待っていた。
すると見覚えある車が私の前に停まる。
「最上さん?
こんな時間に、女の子が1人でいるなんて危ないよ?」
時計はもう日付が超える時間を刺している。
久し振りに会う敦賀さんに胸の中がザワつく。
「すみません。お話があって…。
少しお時間いいですか?」
「……ここだと夜中とはいえ人目につくから、部屋に行こう。」
促されるまま部屋へ上がり、リビングに通される。
「コーヒーでい
という敦賀さんの声を遮りる。
「今日、トーク番組見ました。」
「ああ。…うん。
で、引導を渡しに来てくれたんだ。」
「!!」
「悪かったよ。
何度もしつこく電話したり、食事の依頼しちゃって。
もう最上さんに迷惑はかけないから…安心して?」
「……好きな方がいるって、言ってたじゃないですか。」
「?誰が言ってたの?」
「敦賀さんが、ですよ!」
「俺が好きなのは、後にも先にも最上さんだけだよ?」
「そんなはずありません!!
ダークムーンの嘉月で悩んでた時、言ってたじゃないですか。」
その話をした覚えがあるのは鶏の彼だけだ。
「もしかして…鶏の彼との話、近くで聞いてた?」
キョーコはうなづく。
自分が鶏の時に聞いた事なのだと気が付いて、近くで聞いていた事にしてみる。
「だったら話は早い。
最上さん、俺の好きな子はどんな子?」
痛む胸をおさえて、思い出す。
「16歳の高校生…です。」
「そうだよ。2年前は16歳だったけど、12月25日の誕生日を2回迎えて今18歳の高校生。
今、目の前にいるよ。」
真っ直ぐキョーコを見る敦賀さんは神々しい笑顔だ。
こういうのを奇跡というのだろうか…。
私は夢をみているのかな…。
あまりに現実味が無い言葉に言葉が出ない。
目を白黒させてただただ固まっている私に、敦賀さんは少し困った顔して近付いて来る。
そして優しく包まれる感覚。
「君が好きだ。
出来れば…
Yesだと言って?」
あぁ……敦賀セラピー。
「私…敦賀さんが、好きです。」
敦賀さんのいい匂いに酔った様に、自然に気持ちが口に出ていた。
急にギュウっと力強く抱き締められる。
「く…苦しいです、敦賀さん。」
ゆっくり腕の力がゆるめられたので上を向くと、目の前に長いまつ毛が見え、唇に柔らかい感触。
「チュッ」という短い音の後、離された敦賀さんの顔は神々しい笑顔。
そこで初めて今、キスをしたのだと気付いた。
「つ…つ…敦賀さん!!」
多分私の顔は真っ赤になっているのだろう。
「最上さん、好きだよ。
愛してる。」
目の前の熱いまなざしと、胸を震わす声。
まるで麻薬のようなそれに、酔わされる。
再び近づいてくる美貌に、今度はゆっくり目をとじた。
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