あまりにもやる気にムラがある今日この頃…

蓮誕らしいネタはすでに某企画に捧げたので、小ネタな感じで参りますw

(後程ご紹介できたら…って、うちごときがご紹介するまでもないのですが)


爽やか(?)に成立前。突貫工事のようなSSですが、蓮はぴばー!←



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「敦賀くん、お誕生日おめでとう~!」

「ありがとうございます。」



今日は年に一度、俺の周りが賑やかになる日だ。

女の子にとって特別な行事であるバレンタインも近い事から、日本に来てからこの日は更に賑やかになった気がする。


今もやっとの思い出事務所まで辿りついた。

次の仕事まで少し休ませてもらうために、空いている応接室を一部屋借りて、そこへ逃げ込む。

本来ならば昼過ぎには到着できたはずだが、色々な所で声をかけられ少々押してしまったのだ。



「これくらいのロスなら大丈夫。今日はみんなに捕まることくらい分かりきってたからね~!」

「社さん…ありがとうございます。」

「別にお前がお礼言う事でもないだろう?ほら、今のうちにちょっと休んでおけよ。…キョーコちゃん、現場入りする前に事務所寄るといいけど…」

「今日は無理だって言ってましたよ。」

「でもさぁ、希望は少しだけ持ってもいいんじゃないか?キョーコちゃん律儀だし…って、電話!ごめん、ついでに書類確認も行ってくるから!ちゃんと休んでろよ!?」


社さんは言いたいことを言うだけ言って、さっさと部屋を出て行ってしまった。


俺は黒い革張りのソファーへと腰を下ろし、脚を投げ出す。

そうして見えたのは、目の前にある大きな窓に切り取られたかのような青い空。

短い冬の日は、すでにオレンジ色に変わっている。


そんな青とオレンジに、俺はぽつりと呼びかけた。



「…今、どこにいるの?」



君に会いたい。ただ、会いたいんだ。


何をしていても心を占めるのは君のこと。

こんなにいとおしいのに、君にこの気持ちはうまく伝わらなくて。

もどかしくて、苦しくて。

だけど、その笑顔に会えた時には。

その可愛らしい声を聴けて、言葉を交わせた時には。

それを凌駕するほどの喜びに出会えるんだ。


(君は今、何をしてるの…?)


『明日はバラエティの収録があるので、学校からそのまま向かう予定なんです』


昨夜の電話でそう言っていたから、今日中に会う事は不可能だろう。

俺の仕事も終わりは26時の予定だ。

残念だけど、仕方がない。


(せめて、夢の中でくらいは…)


どうしても君に会いたくて、そっと目を閉じる。

社さんがゆとりを持ってスケジュールを組んでくれたから、移動は30分後。

これくらいあれば、うつらと夢を見るくらいはできるだろう。



ゆらゆらと意識が揺れ出した頃、突然携帯が震えだした。

「もう移動か…?」と薄目で確認して……慌てて着信を受ける。

発信者通知欄には『最上キョーコ』の名前。


『おはようございます!最上です。今移動中でしたか?』

「いや、今事務所に来たところだよ。」


嬉しくて、浮かれた声になりそうな自分を叱咤する。

4つも年上としては、余裕ある男として見てもらいたい。


きっと、誰にでもあると思うんだ。

好きな相手には自分をよく見せていたいという願望は。



「最上さんはもう学校終わったの?」

『はい!それで…敦賀さん、今事務所のどちらにいらっしゃいますか?』

「え、空いてた応接室借りて休んでるんだけど…」

『あ!お休み中でしたか…えと、ならいいんです…』

「ちょっと待って!今どこ…?」


急にしょんぼりしてしまった彼女の声に、俺の期待はむくむくと膨らんでいく。

「少しくらい期待しても…」社さんの言葉が耳奥でこだまする。


『私ですか?事務所に自転車置こうと思って…今そちらですが。』


自転車置き場は半地下だが、入り口はこの応接室から見える。

もしやと思い、慌てて窓へと駆け寄ると、そこには携帯を片手に自転車を押す君の姿があった。


『あのですね?やっぱりいつもお世話になりっぱなしの大先輩の誕生日に、何にもしない不義理な後輩ではいけないと思いまして。本当に皆様が差し上げられるプレゼントと比べられると恥ずかしくて死んでしまいそうなのですが、今年もささやかにプレゼントを…』


一気に色々電話口で話し出す君が、どんな表情をしているか…

容易に想像はつくけれど、でも見たい。


俺は少ししか開かない仕様の窓を限界まで開け、最上さんに声をかけた。


「最上さん、上見て?」

『え?はい…?……あ!』


手を隙間から出してひらひらと振って見せると、それを見つけた君の顔はぱあっと明るくなった。


『敦賀さん…っ!!』


花がほころぶような愛らしい笑顔。

動く口元とは少し時間差で俺の耳に届く、癒しの中にも凛とした強さを秘めた声。



ああ、やっぱり―――



『…ですので、本当につまらない物ですが、受け取っていただけますか?』


階下の君は恐縮そうに肩を竦めながら俺を見上げる。


「いや…最上さんからもらう物は何でも嬉しいよ。」

『また…っ、そうやってすぐ人をからかうんですから!でも、受け取っていただけるのなら嬉しいです。今そちらに向かいますね~!』


俺の言葉をいまだにからかいだと言い張る君は、最後には元気に手を振り、全速力で半地下の駐輪場へと消えて行った。



「…違うよ。」


本当に、君のその笑顔が、声が。

俺にとって何よりのプレゼントなんだ。



ぱくんと閉じた電話を握りしめ、わずかな時間でも会う事が出来る今日の幸せをじんわりと噛み締めた。




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旦那に「仕事中ですか?」と聞かれ、思いっきり「はい!」と答えてみました。←

それなのにこのクオリティ…orz

スキビ界の端っこで、そっとそっと蓮誕を祝えればそれでオッケー!