ふと、蓮→きょこにつける背中のキスマークはどーなるか…を考えまして。
結果、さらっと書いてみましたw
さりげなく『あなたの背中に。』と話がリンクしております。


今月はキスマーク強化月間だー!←




゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ 残した証。゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




キョーコがここにいつ乗り込んでくるかと思うと、不謹慎にも心が浮かれてしまう。
手にした二つ折りの携帯を、無駄にぱくんと開いたり閉じたりして遊ばせる。

キョーコがこの後絶対に来ると伝えると、気の利くマネージャーはぐふぐふと気持ちの悪い笑みを浮かべて出ていった。
多分、社さんは休憩時間ギリギリまで楽屋へは帰ってこないだろうな。

社さんの性格をわかっていながら切り出したのは、確信犯。


キョーコは来る。絶対に。


湯気のたつコーヒーを口に運ぶと、遠くからドドドドっと走る音がして来た。

……うん、来たかな?


《バターンッ!!》

「敦賀さぁん!!何てことしてくれたんですかぁっ!」

普段の礼儀正しい彼女からは想像もつかない、乱暴なドアの開け方。
そして挨拶もなしに用件を切り出すキョーコ。

(うん、予想通りの反応だ)

あまりにも予想通りの展開で、思わずにやりと笑ってしまう。


「やぁ、最上さん。おはよう。撮影はうまく行った?」
「何きゅらきゅらと胡散臭い笑み浮かべてるんですかぁ!」

わざとキョーコが苦手とする笑顔で対応すると、ますます反応が大きくなって……

(これだからやめられない。)

本気で怒る姿も可愛いと思う俺は、もう末期だな。


「まあ、まず扉を閉めようか。通行人の人達がビックリしてるよ?」
「え、あ!失礼しましたっ!!」


慌てて扉をぱたりと締める。

これでやっと、二人きりの楽屋になった。
もう名前で呼んでもいいよね?


「キョーコ、お疲れ様。撮影は無事に終わった?」
「終わりましたけど、無事じゃないです!どうして背中にキスマーク残してたんですか!?あれほどダメって言ったのに…っ」


頬を染め、ぷりぷりと唇を尖らせながら怒るキョーコ。

ああ……やっぱり相手の男は見たんだな。
残しておいて良かったよ。


「だって…キョーコの初めてのラブシーンの相手役、俺がやりたかったのに……」
「それも言いましたよね?ラブシーンって言ってもキスは本当にはしないし、ちょーっと肌が触れあうくらいって」
「素肌が触れあうんだ、立派なラブシーンだよ…!」
「ひぃっ!…そうかもしれませんけど、でもだからって……」


設定を思い出し、相手役が他の男であることを思い出し。
思わず抑えていたはずの激しい嫉妬心が蘇る。

きつい口調と表情(自分でも自覚はしている)になってしまうと、キョーコは「うっ」と怯んだが、モゴモゴと納得いかなそうに俯いた。


そう。
相手の男へ牽制の意味を込めて、キョーコの背中にキスマークを残したのは昨日の夜。
散々乱れさせ、意識朦朧としたところで背中をきゅっと強く吸い上げた。

桜色に染まった肌に咲いた、紅色の所有印。
いくつもいくつも刻みたいのを我慢して、綺麗に咲いた所有印を撫でながら後ろから突き上げた。


それは、俺の独占欲を満足に満たす美しさだった。



最近、本当に美しくなったキョーコ。
俺との交際で愛を知り、蕾だった少女は一気に花開き、大人の女性へと変身した。

ただ道を歩くだけで男達がはっと振り返り、その背中を見つめる。
当たり前だ、だってキョーコはそれだけの魅力を持っているから。


しかし大輪を咲かせたのは自分だが、華にまとわりつく虫達の存在は気に入らない。
おまけにキョーコは自分の魅力にまるで気がついていない。


だったら、軽い虫除けくらい必要だろう?



誰もが見惚れるその背中に刻んだキスマーク。
本当は目に見える場所に付けたいけれど、それじゃ彼女の成長を妨げる恐れがあるから。

『この子に触れるな』

そっと仕込んだそれは、まさに俺の所有印(マーキング)
それひとつで済ましてあげるよ、仕方ないからね?



「この間、キョーコが可愛い事してくれたからね?その真似っこだよ。」
「うう…だってあれは、お仕事には支障ないって」
「支障はなかったね。」
「なら私にも支障のない時にしてくださいっ!」


ぷりぷり怒るキョーコの言葉に、しめたと悪い顔で笑う。


「支障のない時ならたくさんしていい?」
「え?」
「当分脱がなきゃいけないような仕事はないよね?」
「えっ!?いや、そのぉ…」
「なら今夜はうちに泊まって?あとワンシーン撮ったら終わりだから。」
「えっ、えっ?」
「待ってて、お願い。」


赤い顔のままわたわたと慌てるキョーコに向けて、首を傾げ眉をハの字に下げて『寂しいよ?』と目で訴えてみる。

付き合う前から気が付いていた、彼女が苦手とする表情のひとつであるこれは、彼女にお願い事をする時の常套手段。
大抵の事は「うぅ…」ともじもじしながら、俺のお願いを聞き入れてくれる。

今もそう。
まだ赤い頬に両手を当てて「もう…っ」と可愛らしくお返事を返してくれた。


やっぱり君の可愛さは無敵だよ。
自分の魅力に、もっとしっかり気が付いてくれればな…

……ああ。
でも例え気が付いたとしても、俺はきっと証を刻むだろうな。


白い肌に咲く、赤い美しい華を。



「仕方がない人ですね…いっぱい付けちゃイヤですよ?」

結局折れた形で連泊を決心してくれた彼女は、ソファーに座っていた俺の膝へとちょこんと乗り、胸へそろりと擦り寄ってきた。

……こんなに可愛くて、一体何を我慢しろと?


「大丈夫、服で隠れる場所にしかしないから。」
「か…っ!隠れる場所もたくさんはダメっ!」
「キョーコもまた付けていいんだよ?」
「恥ずかしいからもういいです~っ!」
「俺は付けてほしいけど…」
「~~っ、またその顔!ズルいですってばぁ!」


結局、そんな他愛もない会話をお互いに抱き締めあいながら、社さんが呼びに来るまで続けていた。



……今夜は我慢しないよ?

『きみは俺のもの』ってたくさん叫ぶからね?




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最近すっかりR進行気味な我が家……
皆さんが付いてこれるか心配です←今更。

ちなみに蓮さんがキスマーク付ける現場を書くとなると、確実に最中だろう…!と考えてしまうのは私だけかしら?