桃話で盛り上がり、即席寸劇の深夜桃組……w
あまりにも素敵ネタだったので、たぎって思わず書いてしまいました(自更新は?)
えろんな寸劇に背景を相当肉付けしてますが、全部えろん展開のための布石になればいいな…←
ちなみにいいタイトルがさっぱり思い付きません。
夜はホステスな才女きょこたんと、同じく夜はホストの准教授蓮です。
完全パラレルです。
その手のバイトしたことないので完全妄想にて補っております。
多くは突っ込まないでください。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚仮面の二人゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
「ありがとうございました~」
「また来るね、なっちゃん。」
陽気に手を振る微酔いの客に、可愛らしく顔の横で手を小さく振る。
今の客は『年齢相応の可愛らしいナツ』が好みだから、それらしく振る舞って見せる。
本当の『自分』はこんなに計算高いのに、ちょっとした演技にすぐ騙されちゃって……バカな男。
でも、その演技も立派な自分の武器だと、『ナツ』……いや、最上キョーコは自負していた。
「ふう…今日はこれでおしまいかしら?」
うきうき足の客の背中が、完全に銀座の街中に溶けて見えなくなってから、うーん、とひと伸びする。
肩に羽織っていたショールが首元へと集まり、露になった二の腕は自然と鳥肌がたった。
(今夜はレポートもやっちゃいたいし、上がりが早い銀座の店はホント助かるわ。)
もうすぐ冬休み中の課題レポートの嵐がやってくる。
キョーコは3回生でゼミに入っている上に、教職課程にいるから必修科目が多く、落とせないレポートが山程出るのだ。
既に出ているものに関してはさっさと終らせてしまいたい…そう考えるのは当然の成り行きといえよう。
しかも、彼女は学年一の才女として有名。
下手な内容のレポートなど出せない。
では、何故学年一の才女がホステスをしているのか。
原因は実母との不仲にあった。
どんなに努力をしても、どんなに優秀になっても、キョーコに見向きもしない実母・冴菜。
幼い頃から努力を重ね、ついに有名な国立大学に首席で入学することになった時も、冴菜の返事は『ああ、そう』の一言だった。
学費や生活費、友達との交際費等はバイトせずとも困らない程に与えてくれるけれど………
キョーコが冴菜に求めているものは『お金』ではない。
自分が愛する人から誉められたい、自分の事を認めてほしい……
だけどその願いは叶うことなく。
キョーコの心は虚しさを常に抱えていた。
そんな中、たまたま買い物に出た時に困っていたママを助けたことがきっかけで、キョーコは今の店に働くことになった。
銀座のホステスとなると、やはり若さだけではやっていくことが出来ない。
場所柄、芸能人や大会社の社長なども訪れたりする。
日頃から新聞を読み、客のニーズにあった話をスムーズにこなせるだけの知性と品格が必要だ。
それまで努力をして身につけたものを、キョーコはフルに生かした。
お客はみんないい人ばかりだし、ママも優しい。
さすがに同い年の子はいなかったが、先輩にあたるお姉さん達も、ライバルになるはずのキョーコをみんな可愛がってくれた。
入店してたった数ヵ月だが、キョーコは源氏名『ナツ』で店のナンバーワンにまで上り詰めた。
多忙な学生の身では毎日出勤とはいかないけれど、出勤する度に自分はこの場に必要とされている人間なのだと実感できる。
必要とされるのが嬉しくて。
キョーコはホステスのアルバイトに精を出していた。
(でも………)
それでもやっぱり、キョーコの寂しさは埋まることはない。
むしろ、頑張れば頑張るほど虚しさはじわじわと広がっていた。
(ナンバーワンになれば変わるかと思ったのにな。)
首元に寄ってしまったショールを直すと、ビルに遮られ切り取られた真っ暗な空を見上げる。
街灯が明るすぎて星ひとつ見えない夜空は、まるで自分の心をそのまま写しているようだと思った。
「………最上、さん?」
ぼんやりと店の入ったビルの入り口で立っていると、背後からこの街では聞かない『本当の名前』を呼ばれ、思わずキョーコは振り返ってしまった。
そこに立っていたのは長身の金髪の男性……
一目見ただけでも簡単に上物であるとわかるストライプのスーツに黒のシャツ、そして靴。
右腕に掛けているコートもかなりいい物なのであろう、街灯と隣の店舗の光を浴びて艶やかに光っている。
身なりだけで簡単にわかる。
装飾品等は華美に着けてはいないものの、いい店のホストだ。
そして、街灯を浴びて艶やかに光る金髪と碧眼が。
あまりにも魅惑的に輝いていて、キョーコの視線を釘付けにしていた。
(え…?誰?こんな綺麗な人、私の知り合いにはいない……)
確かに「いいな」と密かに想っている人に、背格好は似ている。
しかし、彼はホストではないし、まず金髪碧眼ではない純日本人のはずだ。
「やっぱり最上さん…どうしてこんな所に。」
だけど、次に彼が発した声で、残念な事にキョーコはそれが淡い恋心を抱いていた相手である事に気がついてしまった。
「つ…るがせんせ……?」
それは、彼女が通う大学の准教授……『敦賀蓮』だった。
その類稀なる美しい容姿と丁寧な授業により、学内で絶大な人気を誇る『先生』。
同じ教壇に立つ教授達からも一目置かれる存在の彼に、こんな所で会うとは思ってもいなかった。
意外すぎる場所での意外すぎる出で立ちで出会った偶然の悪戯に、思わず二人とも黙ってその場に固まってしまう。
沈黙を破ったのは第三者。
蓮の連れた女だった。
「ね~、『クオン』!ここのお店、来週再入荷してくれるんですって!だから今夜はもうお店に行きましょうよ~?」
「え?ああ…」
「あら?どなたかしら…?クオンのお客さん?」
あからさまに敵意を込めた眼差しを向けてくる女性は、蓮を『クオン』と呼び、スーツに包まれたその腕にしなだれかかった。
「別にどんな客でもいいけどね。今夜はやぁっと私が同伴の約束取り付けたんだし。今夜は一晩中私だけのクオンでいてくれるんでしょう?」
「ええ、勿論。お姫様の願いは何でも叶えましょう?」
「ふふっ。じゃあこのままお店にも行かないで、二人っきりで朝まで過ごしたいわ?」
「それは残念だけど無理かな?お店で朝まで愛を語る事なら出来るんだけどね?」
「やーん、愛語ってくれるのならそれでもいいわ!」
「あれ?ナツ、そろそろ閉店だから上がっていいってママが探してたわよ…?」
目の前で繰り広げられる会話に、色々とショックなキョーコはただ呆然と見守ることしか出来ない。
すると、別の客を見送る為にエレベーターで降りてきた先輩に声をかけられた。
「あ…はい、今戻ります……」
働かない頭のまま、キョーコは女に巻き付かれたままの蓮から視線を外し、エレベーターへと向かう。
白いタイトなドレスの裾を踏みそうになるが、今はとにかくあの場から逃げ出したかった。
まさか、こんな所であの人に会うなんて………!!
密かに憧れていた『先生』の、思わぬ一面を垣間見てしまった事にキョーコは言葉を失い、そして本人も気づかない内に傷付いた恋心に、うっすら涙を浮かべた。
************
中編で終わると信じたいので(しかしマックの中編は20話以下orz)
そしてあの素敵なえろん掛け合いを伝えたいのに、風呂敷広げすぎました。
途中くじけて挫折しないように祈っててください。←
あまりにも素敵ネタだったので、たぎって思わず書いてしまいました(自更新は?)
えろんな寸劇に背景を相当肉付けしてますが、全部えろん展開のための布石になればいいな…←
ちなみにいいタイトルがさっぱり思い付きません。
夜はホステスな才女きょこたんと、同じく夜はホストの准教授蓮です。
完全パラレルです。
その手のバイトしたことないので完全妄想にて補っております。
多くは突っ込まないでください。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚仮面の二人゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
「ありがとうございました~」
「また来るね、なっちゃん。」
陽気に手を振る微酔いの客に、可愛らしく顔の横で手を小さく振る。
今の客は『年齢相応の可愛らしいナツ』が好みだから、それらしく振る舞って見せる。
本当の『自分』はこんなに計算高いのに、ちょっとした演技にすぐ騙されちゃって……バカな男。
でも、その演技も立派な自分の武器だと、『ナツ』……いや、最上キョーコは自負していた。
「ふう…今日はこれでおしまいかしら?」
うきうき足の客の背中が、完全に銀座の街中に溶けて見えなくなってから、うーん、とひと伸びする。
肩に羽織っていたショールが首元へと集まり、露になった二の腕は自然と鳥肌がたった。
(今夜はレポートもやっちゃいたいし、上がりが早い銀座の店はホント助かるわ。)
もうすぐ冬休み中の課題レポートの嵐がやってくる。
キョーコは3回生でゼミに入っている上に、教職課程にいるから必修科目が多く、落とせないレポートが山程出るのだ。
既に出ているものに関してはさっさと終らせてしまいたい…そう考えるのは当然の成り行きといえよう。
しかも、彼女は学年一の才女として有名。
下手な内容のレポートなど出せない。
では、何故学年一の才女がホステスをしているのか。
原因は実母との不仲にあった。
どんなに努力をしても、どんなに優秀になっても、キョーコに見向きもしない実母・冴菜。
幼い頃から努力を重ね、ついに有名な国立大学に首席で入学することになった時も、冴菜の返事は『ああ、そう』の一言だった。
学費や生活費、友達との交際費等はバイトせずとも困らない程に与えてくれるけれど………
キョーコが冴菜に求めているものは『お金』ではない。
自分が愛する人から誉められたい、自分の事を認めてほしい……
だけどその願いは叶うことなく。
キョーコの心は虚しさを常に抱えていた。
そんな中、たまたま買い物に出た時に困っていたママを助けたことがきっかけで、キョーコは今の店に働くことになった。
銀座のホステスとなると、やはり若さだけではやっていくことが出来ない。
場所柄、芸能人や大会社の社長なども訪れたりする。
日頃から新聞を読み、客のニーズにあった話をスムーズにこなせるだけの知性と品格が必要だ。
それまで努力をして身につけたものを、キョーコはフルに生かした。
お客はみんないい人ばかりだし、ママも優しい。
さすがに同い年の子はいなかったが、先輩にあたるお姉さん達も、ライバルになるはずのキョーコをみんな可愛がってくれた。
入店してたった数ヵ月だが、キョーコは源氏名『ナツ』で店のナンバーワンにまで上り詰めた。
多忙な学生の身では毎日出勤とはいかないけれど、出勤する度に自分はこの場に必要とされている人間なのだと実感できる。
必要とされるのが嬉しくて。
キョーコはホステスのアルバイトに精を出していた。
(でも………)
それでもやっぱり、キョーコの寂しさは埋まることはない。
むしろ、頑張れば頑張るほど虚しさはじわじわと広がっていた。
(ナンバーワンになれば変わるかと思ったのにな。)
首元に寄ってしまったショールを直すと、ビルに遮られ切り取られた真っ暗な空を見上げる。
街灯が明るすぎて星ひとつ見えない夜空は、まるで自分の心をそのまま写しているようだと思った。
「………最上、さん?」
ぼんやりと店の入ったビルの入り口で立っていると、背後からこの街では聞かない『本当の名前』を呼ばれ、思わずキョーコは振り返ってしまった。
そこに立っていたのは長身の金髪の男性……
一目見ただけでも簡単に上物であるとわかるストライプのスーツに黒のシャツ、そして靴。
右腕に掛けているコートもかなりいい物なのであろう、街灯と隣の店舗の光を浴びて艶やかに光っている。
身なりだけで簡単にわかる。
装飾品等は華美に着けてはいないものの、いい店のホストだ。
そして、街灯を浴びて艶やかに光る金髪と碧眼が。
あまりにも魅惑的に輝いていて、キョーコの視線を釘付けにしていた。
(え…?誰?こんな綺麗な人、私の知り合いにはいない……)
確かに「いいな」と密かに想っている人に、背格好は似ている。
しかし、彼はホストではないし、まず金髪碧眼ではない純日本人のはずだ。
「やっぱり最上さん…どうしてこんな所に。」
だけど、次に彼が発した声で、残念な事にキョーコはそれが淡い恋心を抱いていた相手である事に気がついてしまった。
「つ…るがせんせ……?」
それは、彼女が通う大学の准教授……『敦賀蓮』だった。
その類稀なる美しい容姿と丁寧な授業により、学内で絶大な人気を誇る『先生』。
同じ教壇に立つ教授達からも一目置かれる存在の彼に、こんな所で会うとは思ってもいなかった。
意外すぎる場所での意外すぎる出で立ちで出会った偶然の悪戯に、思わず二人とも黙ってその場に固まってしまう。
沈黙を破ったのは第三者。
蓮の連れた女だった。
「ね~、『クオン』!ここのお店、来週再入荷してくれるんですって!だから今夜はもうお店に行きましょうよ~?」
「え?ああ…」
「あら?どなたかしら…?クオンのお客さん?」
あからさまに敵意を込めた眼差しを向けてくる女性は、蓮を『クオン』と呼び、スーツに包まれたその腕にしなだれかかった。
「別にどんな客でもいいけどね。今夜はやぁっと私が同伴の約束取り付けたんだし。今夜は一晩中私だけのクオンでいてくれるんでしょう?」
「ええ、勿論。お姫様の願いは何でも叶えましょう?」
「ふふっ。じゃあこのままお店にも行かないで、二人っきりで朝まで過ごしたいわ?」
「それは残念だけど無理かな?お店で朝まで愛を語る事なら出来るんだけどね?」
「やーん、愛語ってくれるのならそれでもいいわ!」
「あれ?ナツ、そろそろ閉店だから上がっていいってママが探してたわよ…?」
目の前で繰り広げられる会話に、色々とショックなキョーコはただ呆然と見守ることしか出来ない。
すると、別の客を見送る為にエレベーターで降りてきた先輩に声をかけられた。
「あ…はい、今戻ります……」
働かない頭のまま、キョーコは女に巻き付かれたままの蓮から視線を外し、エレベーターへと向かう。
白いタイトなドレスの裾を踏みそうになるが、今はとにかくあの場から逃げ出したかった。
まさか、こんな所であの人に会うなんて………!!
密かに憧れていた『先生』の、思わぬ一面を垣間見てしまった事にキョーコは言葉を失い、そして本人も気づかない内に傷付いた恋心に、うっすら涙を浮かべた。
************
中編で終わると信じたいので(しかしマックの中編は20話以下orz)
そしてあの素敵なえろん掛け合いを伝えたいのに、風呂敷広げすぎました。
途中くじけて挫折しないように祈っててください。←