耳元で「こっち向いて…?」と囁かれ、首を必死で振る。

「駄目ですっ、かおぐしゃぐしゃ…」
「気にすることないよ。キョーコはいつでも可愛いんだから。」

顔を覆う手を取られて、親指から順に口付けられる。

「っまたそういうことを!お願いですから触らないでください!!」
「やだ。」

酷い顔は絶対に見せたくなくて、頑張って顔をシーツに押し付けるけど。
肩を押されてころっと転がされ、簡単に仰向けにされた。

「嬉しいよ、キョーコ。俺と同じくらい、俺のこと好きになってくれるってことだろう?」
「うそうそ!敦賀さんは大人だからそんなことないんだもん!こんな醜態、晒してるトコ見たことないもんっ!」
「そんなことない。」

両手とも敦賀さんに取られて口付けられる。

「キョーコが振り向いてくれるまで、それはもうみっともないくらいに取り乱したり、カッコ悪いことやったり。社さんにも散々八つ当たりしてきたよ?」
「だって私は見てないもの!」
「そりゃそうだよ…キョーコには絶対見せないように努力はしてたからね。」

掌を唇でなぞっていた敦賀さんが、そっと顔を寄せてきた。

「…告白した時にも言ったよね?俺はキョーコが好きだよ。キョーコが好きすぎて、おかしくなりそうなくらいにね……
キョーコが見るもの・触れるもの全てに嫉妬しそうなくらいには、キョーコしか見えてないよ?」

「…っうそ…………」
「嘘じゃないよ。何なら社さんに聞く?あぁ、琴南さんなら嫌ってほど俺の醜態を語ってくれるだろうね。」

くすりと苦笑いをこぼす敦賀さんの言葉に、少しビックリしてしまう。

社さんは『聞いてよ~!蓮のヤツがさぁ~っ!?』ってよく言ってたけど…あれってホントなの?

「でも…せっかく『わたし』を作ったのにバカ女に成り下がったら、そしたら敦賀さんに嫌われちゃう……」

そうよ、バカ女に戻ったらいくら敦賀さんだって、ショータローみたいに私のこと捨てるかもしれない。
そしたら私、今度こそ立ち直れないよ……

「大丈夫、キョーコはキョーコだよ?変わることは何もないんだ。むしろ、俺のためにバカになってくれるのなら大歓迎だね。」

ちゅっと鼻先に、頬にキスを次々と落とされる。

ホント…?私、バカ女になってもいいの?
敦賀さん、離れていかないの?

信じられなくて、目を大きく見開いて敦賀さんを見る。

「本当ですか?わたしのこと、嫌いにならない……?」
「うん、本当だよ?キョーコはキョーコだから、俺はキョーコバカなんだよ。」
「キョーコバカって……」
「そ。どうしようもないくらいキョーコが好き。キョーコしか見えてない。

だから、ね?キョーコも俺みたいになって?」

優しく唇に掠めるだけのキスをくれて、にっこり微笑んだ敦賀さん。


……いいのかな?
私、今以上に敦賀さんのこと、好きになってもいいのかな……?


「はい……わたしも、つるがさんが好き…です。

だいすきなんです……」


ピンクの鎧を纏ってない今、本音をボロボロこぼしてぐしゃぐしゃの顔での再告白なんて、みっともないかもだけど。

初めて素直に『好き』と言う言葉が言えた気がした。



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あれ?
何かどこぞの島で、似た様に説得する蓮を書いた気がするwww
乗り移ったかしら?


でー。

とんでもなく鬼切りだけど、次が最終回。
ぶったぎるのー。
だってこの次の展開はどう考えても桃だものー。
(皆さん現在のキョーコの格好覚えていらっしゃいます?)

リク物長編で桃展開は、ラブレボで桃は懲りた☆←ピンクは中編だけどね!