「デザートはスイカを用意しました!」

そう言って持ってこられたのは、大玉を八分の一にカットしただけの赤く熟れたスイカ。
グレープフルーツスプーンが一つ添えられているが…

「えっと…キョーコちゃん?これは一人分なの?」
「え、ダメですか?スイカは水分多いから、いっぱいいけると思ったんですが……」

確かに今夜のご飯は、キョーコがよそってくれたにしては量がいつも以上に少なかった気がする。

「あのですね。だるまやのお得意様から頂いた物で、本当に良い物なんだそうです。
だからどうしても、敦賀さんにも召し上がっていただきたくて…」

俺の胃袋の許容範囲を、俺以上に知り尽くしているキョーコならではの心遣い。
最近よく聞く『胃袋婚』ってやつは、こう言う些細なことも入るのだろうか。

『結婚してください。』

いつ言おうか?
本当は、今すぐにでも伝えてしまいたいけど。

まだ付き合って数ヵ月しか経ってないから、今すぐはちょっと引かれるかな…

シチュエーションは、キョーコ好みにロマンティックにして……
ああ、でもキョーコはまだ高校生だし………
婚約期間が長くなるのは良くないのかな……………

「敦賀さーん?もしもーし?敦賀さんってばぁ…」

キンキンに冷えたスイカを眺めながら、どうしたら君が喜ぶプロポーズができるのか。
真剣に悩んでることを白状したら、君はどんな反応をする?


それは、未来を提案する魔法。


そう遠くない未来に、現実にしたいと思うんだ。



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食べ物はスイカなのですが…
昨日のかき氷と言い、二人とも食べる前にあれこれ妄想モード入ってますね(^_^;)

スイカでプロポーズまで辿り着く蓮さんの妄想も、キョーコに負けず劣らずなかなか逞しいと思うのですw

でも、乙女な男子はみんな狙ってる。
最高のプロポーズシチュエーションw
乙女な蓮も、きっときっと狙うはず☆