「あ、キョーコちゃん!」
「おはようございます、敦賀さん社さん!」

社さんの用事で事務所へ寄ると、エレベーター前で最上さんと会うことができた。
今日の服装は、白いマキシ丈のコットンワンピースにピンクのチェック柄のシャツをあわせている。
シャツとお揃いのバンダナが栗色の髪にもマッチしていて可愛らしい。
いつもミニスカートやジーンズを履いている事が多い最上さんにしては、珍しい組み合わせだなと思った。

「最上さんが長いスカートって珍しいよね?」
「え?そうですか?最近モー子さんとお買い物に行って買ったんですが、何度か着てますよ?」
「そうだよねー。この間はライトブルーのサマーニットとあわせてて、また可愛かったよー!」
「やだ社さんたら!お世辞が本当に上手ですよねぇ!」
「いやいや、本当の事だからさ。な、蓮?」
「え…あ、うん。可愛いよ………」

ちょっと待て。
俺は彼女のロングスカート姿を見るのは、初めてのような気がしたのだが……
社さんが知ってるってことは、俺も見たことがあるのかな?
しかし、ライトブルーのサマーニット…?
記憶にないなぁ……
最上さんのことなら何でも知ってるし、絶対に忘れない自信があったんだけど。
ちょっとショックだな……

「…敦賀さん?どうかされましたか?何か悩み事でも?」
「あ、いや。何でもないよ?(キュラリ☆)」
「そっ!そうですか……あぁ、それで社さん!他にはどんな組み合わせがいいと思いますか?」

「そうだねー、去年着てた白いワンピース覚えてる?あれのボレロとかは?」
「ああ、なるほどー!あれもお気に入りなんですよ。社さんって本当によく見てますね!マメな男性って素敵です!」
「いやぁ~、それほどでも~………って、ひぃ!!?」
「つっ、敦賀さん!?何かワタクシしでかしましたでしょうか!!?」

おっと、いけないいけない。
最上さんと社さんが仲良く話してるのを見て、うっかりヤキモチ妬いたのが顔に出たらしい←顔だけじゃなくオーラもですよ蓮さん!
慌てていつもの『敦賀蓮』用の笑顔を貼り付ける。

「いや?何でもないよ?(キュラリラっ☆)」
((いやいや、絶対に何かある顔ですからーっ!!))
「あ、やっとエレベーターが来たね。はい、乗って?」

まだ顔をひきつらせ、青ざめる二人に優しい声音で呼びかける。

「は、はいぃ……(今回は何がイラツボだったのかしら?)」
「あ、ありがとな?蓮……(どう考えてもヤキモチ妬いたんだよな?そうだよな?!)」

恐る恐る乗り込んでいく二人の後について、自分も乗り込む。
二人の会話は終了してしまったが、俺は最上さんの服のコーディネートをしっかり覚えていた社さんの記憶力を、羨ましく思った。
覚えていたら、あんな風に色々会話が弾むのに…
彼女と話す内容と言えば、いつも演技の事や食事の事だ。
もちろんどんな話でも、最上さんと話せるのなら嬉しいけど………

(そうだ、日記を書こう!)

その日あった事や最上さんと会って何を話したか、どう過ごしたかとか事細かに書いておけば、いつか話のネタになるのでは…?

(善は急げだ、今夜から早速つけよう…)

まずは、日記帳を社さんに買ってきてもらわないとな。
……ああ、最上さんの今日の服装もしっかり記憶しておいて、今夜書き留めておかないと。


俺は上昇する箱の中で静かに、この最上さん対策が成功するようにと祈った。




************

書けない時期とか言っておきながら、今夜の研究所で爆発したネタの序章を書き留めてみました。
ここから始まる「敦賀蓮のストーカー日記」!
一緒に爆発されてた方、どうですかー?
ちなみにですね。
蓮はキョーコのロングスカート姿を見るのは、本当に初めてだったと言う設定です☆
やっしーが見たことあるのは、たまたまキョーコとすれ違ったからw
しかし二人とも「あの時蓮も一緒にいた」と、そう思い込んじゃってます。
やっしーと蓮はほぼ一心同体ですからねww

しかし………めろきゅんお題もの全く書けないで苦しんでるのに、何でギャグは書けちゃうんだろう…orz