店までの15分間は、最近の音楽について色々話ながら歩いた。
基礎ゼミが同じ琴南さんと知り合って、それから色んな曲を聴くようになったらしい。
琴南さんは演劇サークルに所属しているらしく(実質は仕事があるから幽霊部員らしいが…)。
効果音から流行りの曲まで幅広く聴く彼女の影響で、最上さんも色々聴くようになったと言う事だった。

「そう言えば、リック先輩と幼馴染みだったのね!知らなかったわぁ。」
「最上さんこそ、まさかリックと知り合いだったなんて…ビックリしました。」
「先輩は演劇サークルのコンパで声をかけられたの。『あの人は素敵な人ね』って、モー子さんも認めてるもの!幼馴染みがあんな素敵な人って、羨ましいなぁ……」

『素敵な人』と言うフレーズで、先日社が言っていた『最上さんの好きな人』がリックで間違いない。
そんな気がしてきた。
もうすぐ夏休みも終わる…万が一振られたとしても、そう簡単に会わなくなるから、いっそしっかり真相を明らかにしておいてもいいかなぁ?

「……最上さんは、リックの事どう思ってるんですか?」
「ん?どうって?」
「好きなんで…」
「おお!いたいた、れーん!!!」

まさに聞き出そうかてしているところで、いきなり松島店長の叫ぶ声が聞こえてきた。
何事かと思って店の方を見やると、ド派手なオープンカーと黒塗りの高級車が数台止まっている。
どう考えてもおじ…いや、今は社長と呼ぶべき人物の車御一行だ。

(……嫌な予感しかしないんだけど)

また何か余計なことを企んで、企画として持ってきたに違いない。
近寄ってくる店長の焦り具合からも、そうとしか思えなかった。

「蓮!また思い付き企画持ってこられて準備が大変なんだよ!早く手伝ってくれ!最上さんはMiss.jelly woodsがお待ちかねだ、早くバックヤードへ行ってくれ!」
「ミューズですか?わかりました…じゃあ、また後でね?」

結局聞きたかった話は聞けずに、最上さんは駆け足で店の方へと走っていってしまった。
俺も松島店長に引きずられて、店の表側から入る。
店内にはすでに、家が地元だと言うスタッフたちが集められていて(いや、正確には社長の手下に拉致られたらしいのだが)、店内の飾り付けに勤しんでいた。

「よぉー!!蓮、遅かったなぁ!今年はこの店のナンバーワンを決めるぞぉー!」

早番の俺よりも早くに店へ来て、そして現在進行形で店を引っ掻き回してる社長は、今日は漆黒の馬に乗ってやってきた。



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この先の展開を考えると、どこでどう話を切るのが最善なのか悩みます。
今回はとりあえずローリィ出陣で締めてみたw

今、久しぶりにめろきゅんお題もの書きたくて色々やってるけど…
なんか文章にならない。
もしかしてこれが「書けない時期」ってヤツですか?
書けば書くほど自信がなくなる………←いやいつもないけど。



※7月25日22時訂正入れ。

話がややこしくなるので、ローリィは馬に乗ってもらいました^^;