いろんな企画に参加中のマックですが、こちらもその一つ。
風月さん・月華さんとトリオでGo!なパラレルリレー『CROSSING』の2話めです。
サブタイトルは毎回変わるんですよ~☆
前回の風月さんは蓮目線。
今回はきょこ目線のサブタイつけさせてもらいましたー。
なので毎回サブタイトルもチェックしてみてくださいね!
苦手だった3人称も、なかなか慣れてきましたよ。
今回は意外と執筆に時間かからなかった!やったねー!
得意分野ってのもありますが☆
(いや3人で打ち合わせしてる時に、マックの得意分野ってことになったから、そういう事にしちゃうのだ。)
では2話目をどうぞなのです!!
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ CROSSING 2 ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
その夜、珍しく蓮の部屋のドアをノックする奏江の姿があった。
「アニキ、英英辞典貸して?やっぱりアニキが持ってるやつが一番親切だわ。」「ん?ああ、いいよ。ちょっと待ってて。」
奏江を部屋の入り口に待たせ、蓮は本棚に数冊ある辞書類の中から一冊を選び出す。
「はい。これで良かったろう?」
「うん、ありがとう…………」
「何?どうかした……?」
いつもは自分の事をうざがって、すぐに自室へ戻ってしまう奏江が何か言いたげにしているのに気がついて、蓮はいつものように優しく尋ねた。
「あのさ、アニキって………ううん、やっぱ何でもないわ。」
「ん?どうした?何かあるんだろう?」
「いや…一応、見る目はあったんだなーって思っただけよ。気にしないで?お休みなさい。」
「…?お休み……。」
頭にクエスチョンマークを飛ばしている兄を放置し、奏江はさっさと自室の部屋の扉を閉める。
「何あれ…?…もしかして無自覚?」
全く厄介な兄だと、奏江はため息をついた。
今日、初めて会ったキョーコに蓮が一目惚れした事は一目瞭然だった。
歴代の彼女達と一緒にいるところは、今まで何度も見てきている。
確かに兄はその彼女達にも優しかったし、ちゃんと笑顔を見せていた。
しかし、今日のキョーコに対する態度は、今までとまるで違う。
いつもの余裕綽々で完璧な兄はそこにおらず、頬を染め、キョーコの一挙一動に溶けるような笑みを送る姿など、奏江は初めて見た。
「まぁあの子はいい子だから、別にいいけどね…」
キョーコは蓮の歴代の彼女達のように、自分に取り繕うような性格ではない。
それは、短い付き合いの中でも十二分にわかっている。
(………だけどなんか複雑な気分だわ。)
少しもやっとした気分を振り払うかのように、奏江はふるふると頭を振ると、机に向かって辞書を開いた。
*
一方。
蓮は全てのレポートを終わらせて、既にベッドの上に横になっていた。
「最上、キョーコさんか……可愛かったな。」
白い天井を眺めながら、今日会った妹の友達の事を思い出す。
奏江は別段友達と言うものに拘っていなかったが、兄としてはやはり妹の交遊関係が心配だった。
美人でツンデレ。
兄としてはそんな妹も可愛くて仕方ないのだが、同級生からは冷たい印象を持たれて、なかなか友達が出来ないことを心配していた。
ましてや自分に近づきたいが為に、妹にすりよっていく女の子も多く…
だから、初めて家まで連れてきた友達に興味があった。
どんな子なのか、確かに興味はあった………
しかし、一目見た瞬間にその興味は「奏江の友達」と言う枠から大きく逸脱してしまった。
今まで付き合ってきた女の子達にだって、感じた事のない感情。
その笑顔に、その声に、その動作に。
胸が高なり、同時に安らぐ。
(この気持ちは何なんだろう……)
こうしてキョーコの事を思い出すだけで高なる胸に、そっと右手を添える。
ドキドキドキと、いつもより速く、強く打つ心拍。
その心拍すらも心地よく感じるこの感情を、蓮が抱くのは初めてで。
そっと目を閉じ、瞼の裏に焼き付いたキョーコの笑顔を思い出しながら、蓮はふわふわとした夢の中へとゆっくり落ちていった。
*
同じ頃、キョーコは自室で翌日の学校の準備をしていた。
ミニテーブルの上に授業で使うノートや教科書、ハンカチやポーチを並べて、鞄の中に次々と仕舞っていく。
「よし、これで忘れ物はないわね!」
入れてある量はかなりのものだが、収納上手なキョーコの鞄は他の女の子の物よりも小さかった。
「今日はクッキーの量が多くて怒られちゃったもんね…明日のおやつはない方がいいかな?」
今日の奏江の家での事を思い出す。
「そう言えば、モー子さんもお兄さんがいたのね…そんな事一言も聞いてなかったなぁ……」
ツンデレ属性の奏江の性格はもちろんキョーコもわかっているので、兄の存在を知らされなかった理由は容易に想像できる。
居間で3人で喋った雰囲気からも、妹が可愛い蓮とそれを素直に受けられない奏江の関係は、一目で見抜けた。
「そりゃ『お兄ちゃん』としては、あれだけ美人な妹を持つと可愛がりたいわよねー!」
自分がその立場でもきっと同じだと、キョーコはポンと手を打つ。
そして、初めて出会った蓮の美しさを思い出し、ぽわんと頬を染めた。
(さすがモー子さんのお兄さん、凄くキレイでかっこよかった……)
奏江に初めて会った時もその美しさに驚いたが、今日の衝撃はそれ以上だった。
男の人なのに、女の子よりも綺麗な肌。
整った目鼻立ち、伏せれば影が落ちるほど長いまつげ、形のよい唇から紡がれるのは心地よく響くテノールの声。
加えて、モデルのように高い身長は190もあるらしい。
細すぎず太すぎず、鍛え上げられた体はシャツの上からでもわかるほどで、どこをとっても完璧だった。
「あれはもはや神の寵児よ!あんな綺麗な人がこの世に存在するなんて…」
ふと、斜め前に置いていた鏡が、頬を赤くした自分を写し出していることにキョーコは気がついた。
「なっ、何で私ったら赤くなってるの!?やだもう…っ」
それに、さっきから胸のドキドキが止まらない。
今まで経験したことのない感情に、キョーコはどうしたらいいのかわからなくて軽くパニックを起こしていた。
「何でなの?こんな気持ち初めて…わからないよ……。
そうだ、今度会った時ゆきちゃんに聞いてみよう…っ!きっと教えてくれるわ!」
キョーコは名案を思い付いたとばかりに、ぱっと表情を明るくすると、さっさと布団に潜り込んだ。
「よーし、今度いつ会えるか聞いておこう。それで今夜は早く寝ちゃおうっと………でも寝れるかしら?」
布団の中で携帯を握りしめ、蓮の事を何て言葉で相談したらいいのか。
キョーコはぐるぐると悩むのだった。
―――だって、こんな気持ちは初めてなの。
誰かお願い。この気持ちの名前を教えて………?
〈第三話は月華さんです!〉
************
ふい~。
モー子さんの心情とか初だわー!
ツンデレ最高w
無自覚一目惚れ×2も書いてて楽しかったー!
*補足情報*
おといあわせがあったので、こちらで補足☆
「英英辞典」は日本の国語辞典とかに当てはまるものです。
英単語の意味や定義を、英語で説明する辞書の事です。
賢い蓮と奏江兄妹なら、難なく使いこなすであろうアイテムとして登場しました♪
風月さん・月華さんとトリオでGo!なパラレルリレー『CROSSING』の2話めです。
サブタイトルは毎回変わるんですよ~☆
前回の風月さんは蓮目線。
今回はきょこ目線のサブタイつけさせてもらいましたー。
なので毎回サブタイトルもチェックしてみてくださいね!
苦手だった3人称も、なかなか慣れてきましたよ。
今回は意外と執筆に時間かからなかった!やったねー!
得意分野ってのもありますが☆
(いや3人で打ち合わせしてる時に、マックの得意分野ってことになったから、そういう事にしちゃうのだ。)
では2話目をどうぞなのです!!
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ CROSSING 2 ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
その夜、珍しく蓮の部屋のドアをノックする奏江の姿があった。
「アニキ、英英辞典貸して?やっぱりアニキが持ってるやつが一番親切だわ。」「ん?ああ、いいよ。ちょっと待ってて。」
奏江を部屋の入り口に待たせ、蓮は本棚に数冊ある辞書類の中から一冊を選び出す。
「はい。これで良かったろう?」
「うん、ありがとう…………」
「何?どうかした……?」
いつもは自分の事をうざがって、すぐに自室へ戻ってしまう奏江が何か言いたげにしているのに気がついて、蓮はいつものように優しく尋ねた。
「あのさ、アニキって………ううん、やっぱ何でもないわ。」
「ん?どうした?何かあるんだろう?」
「いや…一応、見る目はあったんだなーって思っただけよ。気にしないで?お休みなさい。」
「…?お休み……。」
頭にクエスチョンマークを飛ばしている兄を放置し、奏江はさっさと自室の部屋の扉を閉める。
「何あれ…?…もしかして無自覚?」
全く厄介な兄だと、奏江はため息をついた。
今日、初めて会ったキョーコに蓮が一目惚れした事は一目瞭然だった。
歴代の彼女達と一緒にいるところは、今まで何度も見てきている。
確かに兄はその彼女達にも優しかったし、ちゃんと笑顔を見せていた。
しかし、今日のキョーコに対する態度は、今までとまるで違う。
いつもの余裕綽々で完璧な兄はそこにおらず、頬を染め、キョーコの一挙一動に溶けるような笑みを送る姿など、奏江は初めて見た。
「まぁあの子はいい子だから、別にいいけどね…」
キョーコは蓮の歴代の彼女達のように、自分に取り繕うような性格ではない。
それは、短い付き合いの中でも十二分にわかっている。
(………だけどなんか複雑な気分だわ。)
少しもやっとした気分を振り払うかのように、奏江はふるふると頭を振ると、机に向かって辞書を開いた。
*
一方。
蓮は全てのレポートを終わらせて、既にベッドの上に横になっていた。
「最上、キョーコさんか……可愛かったな。」
白い天井を眺めながら、今日会った妹の友達の事を思い出す。
奏江は別段友達と言うものに拘っていなかったが、兄としてはやはり妹の交遊関係が心配だった。
美人でツンデレ。
兄としてはそんな妹も可愛くて仕方ないのだが、同級生からは冷たい印象を持たれて、なかなか友達が出来ないことを心配していた。
ましてや自分に近づきたいが為に、妹にすりよっていく女の子も多く…
だから、初めて家まで連れてきた友達に興味があった。
どんな子なのか、確かに興味はあった………
しかし、一目見た瞬間にその興味は「奏江の友達」と言う枠から大きく逸脱してしまった。
今まで付き合ってきた女の子達にだって、感じた事のない感情。
その笑顔に、その声に、その動作に。
胸が高なり、同時に安らぐ。
(この気持ちは何なんだろう……)
こうしてキョーコの事を思い出すだけで高なる胸に、そっと右手を添える。
ドキドキドキと、いつもより速く、強く打つ心拍。
その心拍すらも心地よく感じるこの感情を、蓮が抱くのは初めてで。
そっと目を閉じ、瞼の裏に焼き付いたキョーコの笑顔を思い出しながら、蓮はふわふわとした夢の中へとゆっくり落ちていった。
*
同じ頃、キョーコは自室で翌日の学校の準備をしていた。
ミニテーブルの上に授業で使うノートや教科書、ハンカチやポーチを並べて、鞄の中に次々と仕舞っていく。
「よし、これで忘れ物はないわね!」
入れてある量はかなりのものだが、収納上手なキョーコの鞄は他の女の子の物よりも小さかった。
「今日はクッキーの量が多くて怒られちゃったもんね…明日のおやつはない方がいいかな?」
今日の奏江の家での事を思い出す。
「そう言えば、モー子さんもお兄さんがいたのね…そんな事一言も聞いてなかったなぁ……」
ツンデレ属性の奏江の性格はもちろんキョーコもわかっているので、兄の存在を知らされなかった理由は容易に想像できる。
居間で3人で喋った雰囲気からも、妹が可愛い蓮とそれを素直に受けられない奏江の関係は、一目で見抜けた。
「そりゃ『お兄ちゃん』としては、あれだけ美人な妹を持つと可愛がりたいわよねー!」
自分がその立場でもきっと同じだと、キョーコはポンと手を打つ。
そして、初めて出会った蓮の美しさを思い出し、ぽわんと頬を染めた。
(さすがモー子さんのお兄さん、凄くキレイでかっこよかった……)
奏江に初めて会った時もその美しさに驚いたが、今日の衝撃はそれ以上だった。
男の人なのに、女の子よりも綺麗な肌。
整った目鼻立ち、伏せれば影が落ちるほど長いまつげ、形のよい唇から紡がれるのは心地よく響くテノールの声。
加えて、モデルのように高い身長は190もあるらしい。
細すぎず太すぎず、鍛え上げられた体はシャツの上からでもわかるほどで、どこをとっても完璧だった。
「あれはもはや神の寵児よ!あんな綺麗な人がこの世に存在するなんて…」
ふと、斜め前に置いていた鏡が、頬を赤くした自分を写し出していることにキョーコは気がついた。
「なっ、何で私ったら赤くなってるの!?やだもう…っ」
それに、さっきから胸のドキドキが止まらない。
今まで経験したことのない感情に、キョーコはどうしたらいいのかわからなくて軽くパニックを起こしていた。
「何でなの?こんな気持ち初めて…わからないよ……。
そうだ、今度会った時ゆきちゃんに聞いてみよう…っ!きっと教えてくれるわ!」
キョーコは名案を思い付いたとばかりに、ぱっと表情を明るくすると、さっさと布団に潜り込んだ。
「よーし、今度いつ会えるか聞いておこう。それで今夜は早く寝ちゃおうっと………でも寝れるかしら?」
布団の中で携帯を握りしめ、蓮の事を何て言葉で相談したらいいのか。
キョーコはぐるぐると悩むのだった。
―――だって、こんな気持ちは初めてなの。
誰かお願い。この気持ちの名前を教えて………?
〈第三話は月華さんです!〉
************
ふい~。
モー子さんの心情とか初だわー!
ツンデレ最高w
無自覚一目惚れ×2も書いてて楽しかったー!
*補足情報*
おといあわせがあったので、こちらで補足☆
「英英辞典」は日本の国語辞典とかに当てはまるものです。
英単語の意味や定義を、英語で説明する辞書の事です。
賢い蓮と奏江兄妹なら、難なく使いこなすであろうアイテムとして登場しました♪