「何にしようかな、願い事…」

まだお願い事が書き込まれていない、ピンクの短冊を左手に持って悩む。

ひらひら、ひらひら。

私の息が掛かる度に、揺れるそれ。
書こうかどうしようか悩んでる私の気持ちと一緒。

書きたいことは決まってるの。
叶うかどうかは別として。

「別にいいよね、気休めくらいは書いてもいいよね!?」
「何が気休めなの?」
「うきゃあ!つ、敦賀さん…っ」

背後からいきなり声をかけられて、ビックリして椅子から落ちちゃった。

「別にそんなに驚かなくても…ところで最上さんは、何をお願いするの?」
「そ、そんな!お願い事が叶わなくなるじゃないですか!」
「飾ったらみんなが見るんだよ?それに、もしかしたら俺が叶えてあげられるかも知れないだろ?」
「~~~~~っ!」

確かにそうなんだけど…っ

「つ、敦賀さんのいじめっ子ぉ!!」


それは思いを紡ぐまほう。

願わずにはいられない。
私が書きたい願い事は『これからも、ずっと一緒にいられますように』………




************


久しぶりのまほうシリーズ。
七夕バージョン。

久しぶりすぎてちょっと感覚鈍ったな。
話をどうコンパクトにするか、悩みまくりました。
確かにこの願い事なら、短冊に願うよりも蓮に直接願った方が叶いそうです☆