※成立後・同棲設定。
作中出てくる「白石さん」は京子のマネだと思ってください。
************
『敦賀さん、私今夜は夜勤なので帰りません。』
一瞬何を言われたのか、頭が理解できなかった。
それはそうだろう?
時間が不規則なこの仕事、確かに明け方近くまで撮影がある場合もある。
しかし、それならわざわざ『夜勤』と言う言葉を使わなくても良いことだろう?
電話先の、心なしか弾んだ声のキョーコとは対照的に、俺の声は動揺を隠せず焦りをどんどん含んでいく。
「えと…キョーコ?どうして『夜勤』なの?」
『私、今ドラマでナース役じゃないですか。今夜の撮影は明け方までかかりそうなんですよ。なので、ナース役の皆で『夜勤』って言ってみたいよね?って話になりまして!』
「え、じゃあ俺、今夜は一人で寝ないといけないの…?」
『何を子供みたいなこと言ってるんですか!私はお仕事なんですってば。あ、もうそろそろ召集かかりそうなので失礼しますね?』
そう言って、あっさり電話を切られてしまった。
「………社さん?」
「ひっ!な、何でしょうか蓮くん……」
こっそり楽屋から出ようとしていた社さんを呼び止める。
「今日キョーコはどこの撮影所で撮ってるんですか?変更があったのは知ってるんですよ?」
「ぐぅ…押し掛けるつもりか?まだ交際宣言は出しちゃダメだって言われてるんだぞ!?」
「バレるようなヘマはしませんよ。だから調べてくださいますよね………」
「ひいぃっ!おまっ、頼み事しながら凄むのはやめろぉ~っ!!」
*
「では、今から休憩長めに入りまーす!休める人はきちんと休んでおいてくださいねー!」
「「「はーい!」」」
ナース役の女の子達と「夜勤気分味わえるなんて素敵ね」なんて言っていたけど、さすがにこの時間は眠たくなってきたわ…
どの子も目が擦れないから、代わりに目をシパシパさせている。
「じゃあ1時間くらいは休憩時間あるらしいし、皆で仮眠をとっときますかぁ!」
「そうねぇ、じゃあ解散で!」
「また後でね~」
皆と別れて暗い控え室の中へと入っていく。
……?おかしいわ?
白石さんは控え室で待ってるって言ってなかったかしら…
頭からはてなマークを飛ばして部屋のスイッチを付けようとすると、急に2本の腕が背後からにょっきり現れて、体を拐われてしまった。
「きゃ…!!」
「キョーコ、俺だよ俺。」
変質者かと思って叫ぼうとした口を塞がれる。
背後から聞こえたのは、聞き慣れた敦賀さんの声だった。
「ふ、ふふははん?ほおひへ?」
「キョーコのいない夜なんてつまらなくてね…」
「はははひほほはっへ…」
「うん。何言ってるかよくわからないよキョーコ。」
だったらさっさとこの手を退けてくださいと思ったが、体をくるんとひっくり返され力一杯抱きすくめられた上でため息を一つ吐かれると、私は何も言えなくなってしまった。
「あぁ、きょーこだ……やっとあえた………」
声が少したどたどしい。
眠気が勝ってる?
「敦賀さん?眠いんですか?」
「うん…さすがにきょうはつかれたんだ…」
私の体にかかる体重がどんどん増していく。
私もため息を一つ吐くと、敦賀さんの背中をゆっくりさすった。
「敦賀さん?立ったままなんて眠れませんから、そこのソファーに横になりましょ?」
「んー…きょーこといっしょ?」
「ちょっとソファー小さいから無理かな…?」
「じゃあやだ…」
「やだじゃないですよ。敦賀さんがはみ出しちゃうんです。」
「きょーこといっしょじゃなきゃや……」
もう言っているそばから寝入ってしまいそう。
「ああもう…わかりました、一緒に寝ますって!だからソファーまでは頑張って移動して…ってきゃ……」
『一緒に』の単語に反応したらしい敦賀さんは、寝惚けながらもずるずると私を引きずりながらソファーへ向かい、文字通りソファーへダイブした。
………私も巻き添えにして。
敦賀さんの大きな体に半ば押し潰される形になったが、こうなった敦賀さんがてこでも動かないのはわかりきっている。
それに私も今夜は会えないことがちょっぴり残念だったので、ここは素直に敦賀セラピーと一緒に仮眠をとることに決めた。
(……寝惚けた敦賀さんてのもなかなか可愛いわよね。)
さらさらの髪を撫で、敦賀さんの匂いをいっぱいに吸い込み、馴染みの体温と共にゆっくりと眠りに落ちていった。
************
うちがまだトマト畑だった頃(現在はオレンジジャングル)。
真夜中にseiさんkayさんとお話してた時に『夜勤』と言うワードに盛大に食いついたseiさんwww
そこからできたお話です。
まあたぶんseiさんが想像してた話とは変わっちゃったと思いますが…
マックにしては珍しい、蓮キョ二人ともの目線が入ったSSです。
本当はこのシチュ利用して桃展開いいな…!とも思ったのですが。
『いや!今私が書きたいのは、寝惚けた可愛いへた蓮だから!!』
と自分に言い聞かせ、軌道修正いたしました。
何でも桃展開にしちゃう危険な頭…
暑さで脳ミソ沸いたかな?(汗)
がっつり食いついたseiさん、『夜勤』と言うおいしいワードを提供してくださったkayさんへ捧げます☆
作中出てくる「白石さん」は京子のマネだと思ってください。
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『敦賀さん、私今夜は夜勤なので帰りません。』
一瞬何を言われたのか、頭が理解できなかった。
それはそうだろう?
時間が不規則なこの仕事、確かに明け方近くまで撮影がある場合もある。
しかし、それならわざわざ『夜勤』と言う言葉を使わなくても良いことだろう?
電話先の、心なしか弾んだ声のキョーコとは対照的に、俺の声は動揺を隠せず焦りをどんどん含んでいく。
「えと…キョーコ?どうして『夜勤』なの?」
『私、今ドラマでナース役じゃないですか。今夜の撮影は明け方までかかりそうなんですよ。なので、ナース役の皆で『夜勤』って言ってみたいよね?って話になりまして!』
「え、じゃあ俺、今夜は一人で寝ないといけないの…?」
『何を子供みたいなこと言ってるんですか!私はお仕事なんですってば。あ、もうそろそろ召集かかりそうなので失礼しますね?』
そう言って、あっさり電話を切られてしまった。
「………社さん?」
「ひっ!な、何でしょうか蓮くん……」
こっそり楽屋から出ようとしていた社さんを呼び止める。
「今日キョーコはどこの撮影所で撮ってるんですか?変更があったのは知ってるんですよ?」
「ぐぅ…押し掛けるつもりか?まだ交際宣言は出しちゃダメだって言われてるんだぞ!?」
「バレるようなヘマはしませんよ。だから調べてくださいますよね………」
「ひいぃっ!おまっ、頼み事しながら凄むのはやめろぉ~っ!!」
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「では、今から休憩長めに入りまーす!休める人はきちんと休んでおいてくださいねー!」
「「「はーい!」」」
ナース役の女の子達と「夜勤気分味わえるなんて素敵ね」なんて言っていたけど、さすがにこの時間は眠たくなってきたわ…
どの子も目が擦れないから、代わりに目をシパシパさせている。
「じゃあ1時間くらいは休憩時間あるらしいし、皆で仮眠をとっときますかぁ!」
「そうねぇ、じゃあ解散で!」
「また後でね~」
皆と別れて暗い控え室の中へと入っていく。
……?おかしいわ?
白石さんは控え室で待ってるって言ってなかったかしら…
頭からはてなマークを飛ばして部屋のスイッチを付けようとすると、急に2本の腕が背後からにょっきり現れて、体を拐われてしまった。
「きゃ…!!」
「キョーコ、俺だよ俺。」
変質者かと思って叫ぼうとした口を塞がれる。
背後から聞こえたのは、聞き慣れた敦賀さんの声だった。
「ふ、ふふははん?ほおひへ?」
「キョーコのいない夜なんてつまらなくてね…」
「はははひほほはっへ…」
「うん。何言ってるかよくわからないよキョーコ。」
だったらさっさとこの手を退けてくださいと思ったが、体をくるんとひっくり返され力一杯抱きすくめられた上でため息を一つ吐かれると、私は何も言えなくなってしまった。
「あぁ、きょーこだ……やっとあえた………」
声が少したどたどしい。
眠気が勝ってる?
「敦賀さん?眠いんですか?」
「うん…さすがにきょうはつかれたんだ…」
私の体にかかる体重がどんどん増していく。
私もため息を一つ吐くと、敦賀さんの背中をゆっくりさすった。
「敦賀さん?立ったままなんて眠れませんから、そこのソファーに横になりましょ?」
「んー…きょーこといっしょ?」
「ちょっとソファー小さいから無理かな…?」
「じゃあやだ…」
「やだじゃないですよ。敦賀さんがはみ出しちゃうんです。」
「きょーこといっしょじゃなきゃや……」
もう言っているそばから寝入ってしまいそう。
「ああもう…わかりました、一緒に寝ますって!だからソファーまでは頑張って移動して…ってきゃ……」
『一緒に』の単語に反応したらしい敦賀さんは、寝惚けながらもずるずると私を引きずりながらソファーへ向かい、文字通りソファーへダイブした。
………私も巻き添えにして。
敦賀さんの大きな体に半ば押し潰される形になったが、こうなった敦賀さんがてこでも動かないのはわかりきっている。
それに私も今夜は会えないことがちょっぴり残念だったので、ここは素直に敦賀セラピーと一緒に仮眠をとることに決めた。
(……寝惚けた敦賀さんてのもなかなか可愛いわよね。)
さらさらの髪を撫で、敦賀さんの匂いをいっぱいに吸い込み、馴染みの体温と共にゆっくりと眠りに落ちていった。
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うちがまだトマト畑だった頃(現在はオレンジジャングル)。
真夜中にseiさんkayさんとお話してた時に『夜勤』と言うワードに盛大に食いついたseiさんwww
そこからできたお話です。
まあたぶんseiさんが想像してた話とは変わっちゃったと思いますが…
マックにしては珍しい、蓮キョ二人ともの目線が入ったSSです。
本当はこのシチュ利用して桃展開いいな…!とも思ったのですが。
『いや!今私が書きたいのは、寝惚けた可愛いへた蓮だから!!』
と自分に言い聞かせ、軌道修正いたしました。
何でも桃展開にしちゃう危険な頭…
暑さで脳ミソ沸いたかな?(汗)
がっつり食いついたseiさん、『夜勤』と言うおいしいワードを提供してくださったkayさんへ捧げます☆