寝返りを打とうとして、身動きが取れないことに気が付いた。
温かい何かに包まれていて、それが気持ち良くてすりすりっと寄っていくと頭上から妙に色っぽいため息が聞こえてくる。

(……………んん?)

重い目蓋を開けると、目の前にはなだらかで綺麗な肌色の壁。
暫く頭が働かなくて、その目の前の壁をさわさわと撫でる。
すると頭上から、今度は艶を帯びた低音が聞こえてきた。

「起きた?キョーコ……朝から随分いたずらっ子だね…」

顔を上げると、そこには朝から神々スマイル全開の敦賀さんの顔があった。

「……えっと………おはようございます?」
「おはよう。何で疑問系?」

さわさわと頭を撫でられる。
気持ちのいい肌掛けの下には素肌の感触。
何で一緒に寝てるんだろう、何で2人とも裸なんだろう……と考えた結果、昨夜の恥ずかしい記憶が甦ってきて、一気にぐわぁっと顔に血が集まる。

「えと……その、昨日は……」
「うん、嬉しかったよ。キョーコとやっと通じ合えた。遅くなったけど、18歳の誕生日おめでとう。」

頬に、瞼に、額に…ちゅっちゅっと優しくキスが降ってくる。
そっか…私、本当にほしかった人の愛情をもらったのね……

「あ、ありがとうございます…」
「もう絶対に離さないからね?覚悟して…?」
「……はいっ…!」

ニコニコしながらぎゅうっと抱き締められる。
私も嬉しくて、もっと敦賀さんのそばにいたくて、身体を密着させるように抱きついた。

「んっ!……」

途端にびくっと震える敦賀さんの身体。
お腹に何か固いものが………

(んっ?これって………………)

もしかして、もしかしなくても………………
……………
…………

「っっぎゃあああぁーーーっ!!!」

「っっっ!!」


身体を離そうとして、慌てて腕と足を突っ張った結果………
残念な事に私の膝が、敦賀さんのそこに思いっきり当たってしまった。

〈コンコン、カチャ…〉

「失礼いたします。ローリィ様のお申し付けにより、お二方の本日のお召物をお持ちいたしました。」
「ぎゃああああーっっっ!!」

社長さんの付き人の方がいきなり部屋に入ってきて、慌ててベッドの反対側に身を隠す。

「最上様はお元気そうですね。敦賀様は…起き上がれるようになったら食堂へいらしてください。こちらにお召物は置いておきます。では…」

ドア付近に置いてあった椅子に二人分の洋服をそっと置くと、その人はドアの隙間からするりと出ていった。

「……ごめんなさい、痛かった…んですよね?」

ベッドの下に身体を隠して、未だ悶絶する敦賀さんにそっと声をかける。

「………ん、だいじょうぶ、です……」

若干たどたどしい答えが返ってきた。

「…あ、キョーコ。お願いがあるんだけど……」
「はっ、はい!何でございましょう!?私にできる事なら何なりと!」
「………キョーコのご飯が食べたい。キョーコの誕生日を2人だけで過ごしたい。だから今夜、うちに来てくれる…?」

ベッドに埋めていた顔をちらりとこちらに向けて、捨てられたワンコのようにきゅーんと淋しそうな目をよこす。
………っ!!
だからその顔に私は弱いんだってばーっ!!

「わかりました。…じゃあまずは洋服を着て、朝ご飯食べに行かないとですね?」

でも、今立つと明るい部屋の中で裸を見られることになるので、先に敦賀さんに立ってもらって(もちろん私は目を閉じてましたよ!?)洋服を取ってもらった。




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ラブレボ的あさちゅん。

甘いと見せかけてまさかの………!
やっぱ普通で済むわけないよね!
だってラブレボなんだもん!!(爆笑)

そして公開を全体にするか限定にするか、ちょっぴり悩んじゃったわ!
でも、ぎり全体と判定。
ほんとラブレボに関しては公開の判定が甘い気がするな………

次が最終話。