マリアちゃんの用意してくれた、フリルが可愛いティアードのネグリジェに袖を通しながら、私は目の前の大きな鏡に移った自分を見た。

以前よりは少し大きくなった…と思われる胸があっても、結局色気があるとは思えない自分。
対する敦賀さん…コーンは、立派な俳優になっていて、ハリウッドからも演技を評価されてお声がかかるような人になっていて…
私なんかとは全然違う。

(どうして私だったんですか…?)
(どうしてずっと黙ってたんですか…?)

気が付くと、いつも頭の中で繰り返される「どうして?」の言葉。
聞きたくても質問したい人は海の向こうだし、第一まず会った所でどうしたらいいのかわからない。
だって最後が…その………ゴニョゴニョだったし。

「お姉様~?髪は乾かし終わりました?」
「……あっ、ごめんね!まだなの。」
「もーっ!早くなさいよ!雨宮さんもさっき到着したわよ?今別の浴室に案内されてるから、あんたもさっさと用意しなさいな!」

ドアを開けてひょっこり顔をのぞかせるマリアちゃんとモー子さん。
雨宮さんはバラエティーの仕事が押していて、セバスチャンさんがお迎えに行っていた。
…そうだわ、今夜はせっかくみんな一緒なんだもの。
うじうじ悩むのは明日にしよう。
頬をパチンと叩くと、側に用意されていたドライヤーに手を伸ばした。



「…で、あの男と結局何があったわけ。」

グレイトフルパーティーの打ち合せが粗方終わったところで、モー子さんが話を切り出してきた。

「………」
「そうやって一人で悩んで解決できるんなら、私たちの前でそんな顔しない!」
「そうね。京子さん、今の京子さんの顔見たら、誰だって心配になるわ?」
「お姉様、言ってスッキリすることもありますのよ!?」

みんな…それぞれの言葉で心配して声をかけてくれる。
ドラマの撮影現場でも、本田ちゃんや洋子ちゃんたちが心配してくれていた。
……私、自分が思ってるよりもいろんな人に心配かけてる?

「あの、迷惑かけてごめんな」
「んもーっ!!あのねえ!迷惑なんてこれっぽっちも思ってないのよ!迷惑かけてるとか思うんなら、相談くらいしてきなさい!!」
「そうよー!迷惑なんて誰も思ってないわ。親友なんだから。」
「勿論ですわ!」

親友……今までずっと憧れてた、女同士のコイバナとかお悩み相談コーナーとか、そういうのやってもいいの…!?
だって、モー子さんも雨宮さんもガールズトークしても「恋愛物とか得意じゃない」って言って、すぐ終わっちゃうのに…

(なんか親友って…こういう時いいな……)

コーンの事は伏せて、私は掻い摘んで話すことにした。




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うじうじきょこたん。
うじうじしすぎて長っ!って事に。
ラブミーガルトーが普段コイバナにならない事を、さりげなくアピール(さり気なさすぎるけど)
だってコイバナになるくらいなら、ラブミー部員になんかならん!と思うのですよ。
ちなみにこの回も今後の布石。
まだ置く気か!
終わらせる気があるのか怪しまれるって自分…←いえ、もちろんありますよ。