食後に『少しだけ散歩しよう』と言って、近くの公園に誘った。
この公園には彼女の好きそうな綺麗に手入れされた花壇があるんだ。

「わぁ…綺麗ですね………」
「本当だね、綺麗だね。」

2人で並んで花を見る。

「この後は向こうの花壇のバラが綺麗に咲くんだよね。」
「バラですか、すごい!それもきっとまた綺麗なんでしょうね!」
「うん…また一緒に見に来ようね?」

ライトアップの淡い光の中、頬を薔薇色に染めて頷いてくれたきみ。
その可愛い仕草に、つい期待してしまう俺は学習能力がないのだろうか。

(ダメだなあ、俺…しっかりしろよ)

いつまで経ってもこの距離はかわらない。
でも…彼女の好きそうなシチュエーション、今この機会を逃しちゃ後悔するよな?
そう思った時、彼女の手がそっと俺の手を握った。

「…!」

ビックリして最上さんを見ると、顔を真っ赤にしながらちらりと俺を見てる。
今なら…俺の気持ちも受け入れてもらえる?

「最上さん、俺………」


それは、勇気が出せる魔法。
もっと一緒にいたいと願う気持ちは、臆病な俺の告白を後押ししてくれる。


………この日、俺達は恋人同士になりました。


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わああああー!
乙女かどうかドッキドキ!
話をきょこと被せて作るのは、なかなか楽しかったです。

あとはカップル編をちょこっとだけ。
すっごい難産であえいでいますけど、あとちょっとだけお付き合いいただけるとありがたいです。