2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)
**原作沿い設定作品
※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)
特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。
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「………はあ。」
今朝の玄関先でのやりとりを思い出して、ため息が出た。
「ん?どうした、蓮。流石に疲れたか?」
「あ…いえ。大丈夫ですよ、社さん。」
「ならいいんだけど…久し振りだからな、疲れたらすぐに言うんだぞ!」
今は局内を移動中だった。
今日の仕事はあと1つを残すのみ。
だけど、既に時間は10時近くになっていた。
「終了時間は何とかテッペン超えずに済むかな……っと電話だ。蓮、悪いが先に楽屋に行っててくれ。」
「わかりました。」
社さんと別れ、一人楽屋に向かいながら、思考はまた今朝のやりとりに戻っていった。
(…どう考えても無理矢理な理屈だったよな)
『海外暮らしが長かったから、スキンシップを大事にしたら思い出すかも』
結局彼女を帰すことが出来なかった所か、もっと彼女に触れたくてついた嘘。
…いや、正確に言えば嘘でもないのだが。
確かに俺は純粋な日本人ではないし、15まで海外で暮らしていたらしい。
だからと言って、最上さんとのスキンシップを増やした所で記憶が戻る…事はない。
むしろ、最上さんの温もりと香りに酔って、もっと触れたくなる。
正直おやすみのハグの後、そのまま寝室へ連れ込みたくなる衝動を抑えるのに必死だったりする。
そんな事をしたら、間違いなくキスだけでは済まないだろう。
『敦賀連』は温厚紳士でフェミニストでも、今の俺は『敦賀連』を演じているだけ。
『久遠』ともまた少し違う…のだと思う。
久遠の記憶すら戻っていないのだから。
…『敦賀連』を戻すために、一生懸命協力してくれている最上さんを騙して色々させている『俺』。
そんな悪い男な『俺』だが、最上さんとの距離だけは間違えたくないと思っている。
今は『家族ごっこ』として過ごさなければ。
(俺も…『敦賀連』のこと言えないくらいヘタレだな)
少し気分が落ちた所で、誰かが背後から抱きついてきた。
「敦賀さん…っ!」
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蓮さんヘタレ自覚の回。
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