2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)


**原作沿い設定作品


※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)

特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。






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「……………はあ。」

今朝の玄関先でのやりとりを思い出して、ため息が出た。

(やっぱりアレは止めてほしいわね、余計勘違いが進んじゃうじゃないの…)

アレ………つまり出かける前のハグやチークキスだ。

敦賀さんは「どうも俺、小さい頃海外に住んでいたらしいんだよね。その頃と同じようにしたら、何か思い出すかも」と言って、過剰にスキンシップを図るようになった。

思い出せそうと言われれば、私に拒否権はないも同然。
出掛けはもちろん、帰宅時も就寝前も起床時も仕掛けられる。

おかげで、ハグは赤面せずに受けることが出来るようになってしまった。
敦賀セラピーが有効なせいで、もっとほしいと思ってしまう程だ。

(でもやっぱり口にはもうしてくれないのよね…)

頬同士を寄せあうことはあっても、唇は来ない。
初日にされたキスだけだ。

(…あれ、ファーストキス………)

記憶がなくなったとはいえ、あの時の敦賀さんからのキスはプライベートで2回目。
だから、私にとってはファーストキスになる。


今の敦賀さんにはもうわからない話なんだろうな。

でも、「自分がファーストキスと思ったものがファーストキスでいい」と言ってくれていた。


…あれを私のファーストキスにしてもいいんだよね?


勝手に頬が赤く染まっていくのが自分でもわかる。

自分の唇にそっと人差し指を這わせた。


「京子ちゃん、どうしたの?大丈夫?」

ふいに声をかけられて、思考の迷宮から意識を引き上げられた。
…いけない。今は私スタジオの端で待機中だった!

「…早野さん。すみません、私呼ばれてました?そんなに長い事ボーッとしてましたか?」
「うーん。ボーッとって言うかね?やけに色っぽい表情して考え事してたみたいだから、つい気になっちゃってね。」
「わぁ、早野さんてばお上手ですね!私に色気なんてないですからー」

早野さんは、今私が出演しているドラマの主役だ。
私より6歳年上なのだが、いつも明るく優しくて、収録中も頼りになるお兄さん的存在だ。
スタッフからの人気も高い。
私は準主役で、早野さんの妹役。
極度のブラコンで、ヒロインとの仲を引っ掻き回す役だ。


…正直このオファーを最初に受けた時「極度のブラコン」設定に、思わずヒール兄弟を思い出して躊躇してしまった。

またアクの強い役。しかもブラコン。


誰かに仕組まれてるんじゃないかと疑った。

「京子ちゃんはいつもそう言うね?自分の魅力を閉じ込めちゃうのは勿体ないよ?…で、今の考え事は彼氏?」
「違いますよー!残念ながらそんな人はいないんです。私は仕事に生きる女になるんですからっ!」
「ふーん?まぁ何かあったら俺に言ってよ。いつでも相談に乗るからね?」

その時、再び監督に呼ばれた早野さんは、私の頭をぽんぽんと撫でるとセットの方へ戻っていった。








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オリキャラ登場。 これが馬の骨?

さあどうでしょう?





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