2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)


**原作沿い設定作品


※シリアス系・オリキャラ有・途中大人表現有(限定記事入ります)

特にオリキャラが蓮に絡むのが嫌いな方はご注意くださいませ。






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「敦賀さん………」

シャワーを浴び終えたらしい最上さんが来た。

リビングに戻ってくるかは正直わからなかった。
だけど男の家の中を、お風呂上がりの女の子がのこのこ歩きまわっているという無防備さに、ここはやはり自宅に帰さないといけないと思った。

…男の家に女の子が1人で居る事の危なさを教えないと。

「敦賀さん、眠れないんですか?」

ソファーに歩み寄り、そっと俺の前にしゃがんで覗き込んできた。

「ねぇ、最上さん。君はどうしてここにいるの…?社長命令だから?…身の危険とかは感じてないの?」
「?確かに社長命令って理由もありますかね?でも」
「社長命令なら君は何でもするの?」

覗き込む彼女の腕をひっぱって、ソファーに押し倒す。
そして上からのしかかる態勢になって、再度質問する。

「例えば他の男の家に夜中行けと言われたら、それでも君は行くのか?」
「…まぁ、社長命令なら仕方ないのでは?」
「それでこういう事になっても?」

自分から質問しておいて「行きます」と言われるのが嫌で、聞きたくなくて。
咄嗟に彼女の唇に、自分のそれを押しあてた。


途端に彼女の身体が強張るのがわかって、自分の体温がさあっと引いた気がした。

(俺はいったい何をしてるんだ…!)

だけど、一度触れてしまった唇の柔らかさに、その甘さに眩暈を憶えるくらいの狂おしい切なさと懐かしさがこみあげてきて。
何度も角度を変えて啄んでみる。
息まで止めてた彼女がだんだん苦しそうになっていくのに気が付いて、そっと唇を離した。


…キスすることに慣れていないのではないか。

そう思うと、何故か嬉しさが少しこみあげてくる。

「…男の部屋に夜中いるって、こういう事だよ…」


悪い男になって彼女を追い返そうと決めたのに、猛烈な後悔に襲われた。

嫌われたくない。
傍にいてほしい。
でも「社長命令」でいてほしくない。
のこのこと他の男の家にも行ってほしくない。

気持ち悪い思いがぐるぐる身体中を駆け巡る。

「………私は私の意志でここにいます。敦賀さんの記憶を戻す力になりたいから。」

息を止めてたからか、涙目になりながらも最上さんはしっかり俺を見上げてきた。

「社長さんの命令は絶対だと思いますけど、あの方はきちんと安全か確認してから命令されますよ。誰彼かまわず家に上がったりは私だってしません!それは敦賀さん…あなたが前にも仰ってましたし。」

どうやら俺は、記憶がなくなる前も彼女に説教した事があるらしい。
それでも実際彼女は今、俺の家に上がっていて、泊まるのだ。

この事実はどういう事だろうか。
記憶がなくなって相当心配してくれている。

…それなら嬉しい。
男として見られていないから。

…それは少しへこむ。

「…そっか。じゃあ俺のところ以外には行かないで。危ないから。」
「………この態勢でそれは、何だか少し矛盾してるような気がしますけど。」

…うん、自分でもそう思う。
でも離れがたくて、聞こえないふりをして抱き締めてしまった。








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ちゅーしといて思い出せないへた蓮さん。







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